更年期を幸年期へ!タイプ別対策

更年期を幸年期へ!タイプ別対策

こんにちは。薬剤師の下川麻里です。

私は薬剤師ですが、薬を使わずに解決できる患者様には、ハーブやアロマ、薬膳などの自然療法を使ってケア方法を指導しています。

多くの症状は、「冷え」から引き起こされます。

「冷え」と一口に言っても、使う漢方はその方によって異なります。

 

病気の症状にフォーカスする西洋医学では、冷え性は体質ととらえられていて、それだけでは 治療の対象にはなりません。

一方、漢方では、冷え性はそれだけで治療に値する、と考えられています。

 

漢方では 症状のある人の体全体を診ます。ですから、同じ症状があるからといって、必ずしも同じ漢方薬が選ばれるとは限りません。ただ、症状によって 使われる漢方薬の傾向はあります。

 

 

女性のための三大漢方薬

婦人科の治療薬として代表的な、三つの漢方薬をご紹介します。

 

  • 当帰芍薬散
  • 桂枝茯苓丸
  • 加味逍遥散

漢方では、気・血・水の三本の柱が体を支えている、と考えます。上にあげた三つの漢方薬は、それぞれが、この気・血・水のいずれかに対応しています。

 

この三つの漢方薬を元に、タイプ別の冷え性の違いについて、説明していきます。

 

1 当帰芍薬散

三大柱の「血」に関連の深い処方です。

この薬は、四肢末端型の冷え性の方に 向いています。

血液の循環が滞って、手足の先まで循環しないことから、指先や足先に特に冷えを感じるタイプです。

10代~20代の女性に最も多く、立ちくらみ、ニキビ、月経異常などの症状も、よく見られます。

 

 

2 桂枝茯苓丸

三大柱の「水」に関連の深い処方です。

上熱下寒型といって、下半身が冷えているのに、上半身はのぼせて顔がほてっています。そのため、冷えとは気づきにくいので要注意です。更年期でよくみられる症状です。

ほてりや口の渇きのために、水分を摂りすぎる傾向があります。のぼせ、めまい、肩こり、肌荒れ、頭痛などの症状があります。

 

 

3 加味逍遥散

三大柱の「気」に関連の深い処方です。

ストレスが自律神経に影響して、血流が悪くなって冷えを感じます。

冷えだけでなく、不眠、集中力の低下、食欲不振などの症状も出ます。更年期障害にある、とらえどころのない不安感などに対しても 使われる処方です。

 

 

「冷え」は女性の人生を大きく左右します

「冷え」は、必ずしも上の三つだけに分類されるとは限りません。

体全体の新陳代謝が低下して、全身が冷えることもありますし、体のいろいろな部分に少しずつ不調があり、それが冷えにつながっていることもあります。

 

10代~20代の若いうちから冷えに注意すると、頭痛や月経不順から解放されて、ニキビや肌荒れの悩みも減ります。

気持ちが明るくなって、人間関係は良好。ステキな恋愛だって、すぐそこに!

妊娠・出産もスムーズ、更年期も無理なく迎えられます。

 

日頃から バランスのとれた生活を心がけて、体を冷やさないようにしましょう。

そして、「冷え性かな?」と思ったら、早めに対処しましょう。

 

 

「冷え」をきっかけに、自分のカラダと素直に向き合いましょう

今回ご紹介した三種類の漢方薬は いずれも市販されています。ですから、ご自分の症状が当てはまれば、試してみるのも良いと思います。

でも、二週間くらい続けても変化を感じなければ、中止して医師に相談して下さいね。

漢方薬も、薬です。

薬は だらだらと飲み続けるべきではありません。

 

そして、冷えの陰には 別の病気が隠れているかもしれません。

それを見逃さないためにも、やはり、専門家である医師の判断を仰ぐことは必要です。

 

 

まず冷えを意識することから始めましょう。

そして、ご自身のカラダと素直に向き合って、軽快な毎日をお過ごしください。

 

参考資料:冷え改善のススメ (監修 岡村 麻子 株式会社ライフ・サイエンス)

nana
下川 麻里
薬剤師 博士(薬学)