不安な時に幸せでいる方法

不安な時に幸せでいる方法

新型コロナウイルスの感染拡大の影響を受けて、外出自粛に伴う自粛疲れ、収入の減少と経済不安、精神的不安・・・

いつまで続くかわからないこの状況の中、全ての人がそれぞれに問題を抱え、新たな生活様式を受け入れながら毎日を過ごされていらっしゃることと思います。

 

今はまず、新型コロナウイルスに 自分が感染しないようにすること、自分から、家族や友人、パートナー等、 大切な人にうつさないことといった感染対策の実践とあわせて、未来のための準備も大切です。

新型コロナウイルスウイルス終息後の世界において、今よりも1年後、2年後の新たな世界、新たな生活様式の中で、本来の力をしっかりと発揮できるよう、自分自身の体力や免疫力を維持しておくことや、人と人との繋がりや絆を、強めておくことなどもとても重要です。

 

ヨガ、マインドフルネス瞑想の講師をしています、小田祥子です。

 

今日は、こんな時だからこそ、ポジティブなマインドを育てる「マインドフルネス瞑想法」についてご紹介します。

 

健康と幸福に必要な脳内ホルモン

「健康」でいたり、「幸福感」を感じさせるには、2つの脳内ホルモンが関係しています。

 

愛情ホルモン「オキシトシン」

昼間自宅でテレビの情報番組をみていたら、「脳内ホルモン」の話が出てきました。

ショッピングモールのような場所で一般の方に声をかけ、簡易で作られた試着室のようなスペースの中で(恐らく数分?)二人で抱きしめ合ってもらう。

その前後で、唾液中のオキシトシンというホルモン量を測定し比較するという実験です。
ご夫婦や恋人同士、中には女性の友人同士という二人組もいましたが・・・。

結果は、被験者の全員に、唾液中に含まれるオキシトシン量が増加する(特に女性は男性に比べより顕著に)反応がみられた、というものです。

 

抱きしめ合う→オキシトシンアップ

オキシトシンが「愛情ホルモン」という異名を持つことが改めて良くわかる実験結果ですね。

人と触れ合うこと=「グルーミング」や、触れられることによる「タッチング」の癒し効果についても紹介されていました。

 

幸せホルモン「セロトニン」

オキシトシンとは違う脳内ホルモンに、「セロトニン」があります。よく幸せホルモンと言われるものです。

セロトニンは、集中力を高め、明るく前向きな心を作り、うつ病の治療や予防にも深く関わることから注目されている脳内ホルモンです。

 

セロトニンは腸内で産生されるのですが、それ以外に、日光を浴びること、一定のリズム運動等によって脳内での分泌が促されます。

 

オキシトシンとセロトニンは両方とも、脳心を安定させ、体の免疫力を高めます。つまり、健康と幸福には必要不可欠なホルモンなのです。

家族やパートナーとの触れ合い、朝起きて朝日を浴びたり、運動したり、そういった事で健康で幸福感をアップできます。

 

 

状況の変化に合わせて、健康でいる工夫が必要

外出自粛によって、ストレスを感じ体にも悪影響が出てきているようです。

私が勤務しているクリニックでは、糖尿病で通院加療されている患者様の血糖値やHbA1cという数値が、ここ1ケ月ちょっとで全体的に上昇傾向にあり、コロナウイルス感染拡大の影響によるところかなと、先生が話していました。

運動不足の上に、”ついつい食べてしまう”過食傾向。不安や、人と会う機会が減ることでの寂しさといった心因的要因でも、ストレスホルモンが増加し血糖値を上昇させます。

 

血糖コントロールが悪い状態が長期間続けば、糖尿病性網膜症という目の病気、糖尿病性腎症(腎臓の病気)や、免疫力低下などの合併症リスクが高くなります。

 

いつになるかわからない元の生活を待っていても、その間に病気になるかもしれません。健康でいるために、状況に合わせて私たちも変わる必要があるのです。

 

 

変化を楽しむ

人間は現状維持をしたがる生き物です。強制的に変化を求められる今、ストレスを感じるかもしれません。しかし、その変化を楽しんだり、今まで当たり前だと思っていたことに感謝したり、変化を楽しんでみましょう。

人と人とのコミュニケーションにおいて、物理的な距離が近くても、「心が離れているなー」と感じることがあるように、愛情や幸福感、感謝の気持ちを感じるときの心の距離というのは、必ずしも、物理的な距離に比例するものではありません。

 

最近巷で流行ってきたZoomを活用したオンラインの飲み会やランチ会は、場所は違っても同じ時間を共有し、お互いの表情を観ながら言葉を交わすことができる、ただそれだけのことですが、実は脳にとても良いのです。

私のヨガスタジオでも、オンラインのヨガと瞑想のクラスを先月よりスタートしました。

スタジオでのレッスンと同じようにはいかないところもありますが、画面上のお客様の表情や、体を動かしている際のご様子を観ながらクラスを進める中で、

“離れていても、私とあなたは 共に在る“

“離れていても、皆共に在り、繋がりの中に生きている“

「yoga」という言葉が元々持っている「繋がる」という意味を思い起こさせ、そういった体験が、とても有意義だということを改めて実感しました。

 

 

意識を向ける先を変える

変化を楽しんだり、変化に対応するためには、今までとは意識を向ける先を変える必要があります。

オンラインでの交流も、心身の健康を保つのにとても良い実践になりますが、自宅にいる時間を充実させるために、家族との時間と自分の時間について、今改めて見つめなおす時期にあるのではと思います。

 

意識を「今」という瞬間に集中させる、即ち「マインドフルネス」と「瞑想」のトレーニングは、自身の内側を深く見つめたり、新たな気づきやひらめきを得るのにとても良い練習になります。

 

不安な心を、穏やかで前向きな状態に整える「マインドフルネス瞑想」と、日常で簡単に行える「プチ瞑想法」についてご紹介します。

 

 

マインドフルネスについて

「マインドフルネス」は、元々仏教の言葉です。

ベトナムの禅僧ティク・ナット・ハン師が、禅の教えである「念(パーリー語で“サティ”)」のことを、英語で「マインドフルネス」と表現したのが始まりです。

Google社の企業研修にこのマインドフルネス瞑想が取り入れられたことをきっかけに、欧米の先進企業をはじめ、教育学、心理学、医療など様々な領域など、様々な分野で知られるようになりました。

 

「過去や未来に意識をさまよわせず、今という瞬間に意識を満たす」という意識のトレーニングを行うのですが、マインドフルネス瞑想の具体的なやり方は以下の通りです。

 

 

ポジティブなマインドを育てる「マインドフルネス瞑想法」

まず自分自身の呼吸に意識することに集中することから始めていきます。

買い物の予定や、誰かに言われたこと、思考には未来や過去へと彷徨いやすい特性があるが故に、今この瞬間にある自分の呼吸や、体を丁寧に感じるように努めます。

呼吸があって、今の命があることや体がここにあって、リラックスしていること、心臓が鼓動していることなどを坐って目を閉じ、ただただ感じるという作業が、「私はここに確かに存在し、心臓が鼓動している」という気付きになり、自己受容や自信、感謝といったポジティブな感情を育むことに繋がります。

呼吸を丁寧に感じながら行う、リズム性のある呼吸法そのものが、セロトニンの分泌を促し、心を明るく前向きな状態に整え、集中力を高めてくれます。

 

坐って目を閉じる「静座瞑想」は、初心者の方が一人でやるにはちょっと難しく、理想的な瞑想状態を獲得するのにはガイドがあった方が良かったり、何度か練習が必要です。

 

もう少し簡単な方法のマインドフルネス瞑想で「食べる瞑想」というものがあります。

 

 

手軽な瞑想「食べる瞑想」

“食べる”ことに集中して、良く味わって食べるという瞑想法です。

テレビを見たり、誰かとのお喋りもやめて、食べることだけに集中します。

口に入れた時の温度や舌触り、咀嚼する時の硬さや柔らかさ、味も 甘み、塩味、酸味、苦み、辛味・・・味覚に集中して繊細に丁寧に味わいます。

食べ物と、この恵みを頂いている地球の全ての存在に感謝する気持ちを持つことも重要な要素ですが、何より味覚を研ぎ澄ますことそのものが、感情を穏やかにし集中力を高めます。

「味わう」という意識と集中力が必要ですが、美味しいものを本当に味わって美味しく食べることそのものが幸福なのですから、美味しさも増し増しになって良いと思います。

美味しいお肉でも、スイーツでも、食べるものは何でもよいですが、自分が心から美味しい、味わいたいと思える自分なりのご馳走を用意して、ぜひ試してみてください。

 

 

家族と一緒に「食べる瞑想」

食べる瞑想ができたら、今度は家族の誰かと一緒に、この食べる瞑想を実践してみます。

テレビはつけずに、よぉく味わって食べることだけに集中する時間を10分ほどとったら、その後は言葉を交わしながら、一緒にいるご家族・・・パートナーやお子さんの表情をよくよく観察してみましょう。

会話をする中で自分の心が何を感じているのか、丁寧に眺めるようなつもりで自身の心の様子も感じてみます。

 

 

瞑想で健康と幸福感をアップ

瞑想の基本は、意識を何か一つに集中するということです。

ベーシックな瞑想ではよく、呼吸に意識を集中するところからスタートしますが、日常に置き換えるなら、誰かと共に過ごしているときであれば、相手の表情を丁寧に観察し、その言葉に耳を傾け、その瞬間ごとの自身の感情の移ろいすらも、ただあるがままに感じ、体験するということになります。

それは、一瞬一瞬を大事に過ごすということであり、人生の、今日という一日の、一瞬一瞬を丁寧に生きるという実践です。

何気ない日常であっても、意識の在り方によって日々の気づきや充実感には大きな差が生まれ、丁寧に生きようとする意識によって、幸福だと感じる度合いもより高まるはずです。

 

脳科学者の中野信子さんの著書「脳科学からみた『祈り』」 の中で、感情とオキシトシンの関係について以下のように解説されています。

 

「大切な誰かを思うとき、心がその人への愛情にあふれるとき、脳内にはオキシトシンが大量に分泌されています。大事な人が幸せになってほしい。自分のためだけでなく、誰かのために祈る。
その祈りがそのまま、自分の脳にも良い影響を及ぼすものとなっていくのです。」

(第1章 脳に与える祈りの影響 より)

家族と共に過ごす時間の中で“幸福だ“と感じる瞬間には、愛されたい、愛したいといった感情が伴い、一人一人が自身の内側にある愛情や慈しみの感情に目覚めることによって、脳内のオキシトシンが増加し、免疫力や記憶力、思考力までも高めます。

 

外出の自粛をはじめ、これまでの生活様式を改めなければならず、思うようにならない状況の中皆苦しい思いをしているかもしれませんが、今こそ私たちには、一日一日を丁寧に生きることが求められています。

これまでの価値観や、これまでの自身の生き方を見つめなおす機会となっている今の状況の中で、大切な人と支え合いながら、今ある幸福と豊かさに気づき、目の前にある危機を乗り越え、より良い未来へと前進するための心身のエネルギーを高めておきましょう。

 

〇美味しく丁寧に味わう「食べる瞑想」

〇座って目を閉じたまま1分間、呼吸とからだを丁寧に感じる静座瞑想

 

良かったらぜひ試してみてくださいね。

nana
小田 祥子
マインドフルネストレーナー ヨガインストラクター