疲れにくいカラダをつくる「食べ方」

疲れにくいカラダをつくる「食べ方」

理学療法士&お通じのお悩み解消セラピストの安田有美子です。

突然ですが、みなさん健康に自信はありますか?そう聞かれて「はい!」と答えられる方は少ないのではないでしょうか。

 

現代人の多くが「疲れ」に悩まされています。仕事や家事が終わるとぐったりして、寝ても疲れが取れないなど・・・。

健康のために食事には気を付けています!という人も、不調に悩まされていることが多いです。腸活をされているクライアントさんの中にもイマイチうまくいかないとか、疲れやすさを訴える方がいらっしゃいます。

 

カラダに良い事をしているはずなのになぜだと思いますか?

 

その答えの一つは、「食べ方」にあります。

 

今回はすぐにできる「疲れにくいカラダになる食べ方」についてご紹介します。

 

 

「食べ物」ではなくまず「食べ方」を見直す

よくテレビや雑誌などで「〇〇はカラダにいいですよ~。」という情報があると、ついつい飛びついてしまいます。しかし、それはあくまで「カラダの中で消化・吸収がされれば」です。

私たちのカラダは「食べ物」ではなく、「食べて吸収されたもの」で出来ています。

 

さらに、カラダに必要なものが、吸収→排泄されるためには、適切に「消化」が行われることがとても大切です。

実は、消化はカラダにとって、ものすごくエネルギーを使う行為です。消化は、カラダの70%のエネルギーを必要とし、1日3食食べた場合、フルマラソン約1回分に相当すると言われています。

 

適切に消化ができていない場合、フルマラソンよりもさらにエネルギーを消費することになります。例えて言うなら、フルマラソンの途中でダッシュやジャンプを強制されるような状態です。考えただけでもクタクタになってしまいますよね。

ですから「食べ方」を見直し、消化にかかっているエネルギーが節約できるようになると、カラダの疲れ方は一気に変わります。

 

では、実際にどうしたらよいでしょうか。消化によい食行動のことを「消活」と呼んで考えていくことにしましょう。

 

 

消化によい食べ方とは?

早速ですが、身近なシーンですぐにできる「消活」って何だと思いますか?

 

それは「よく噛むこと」と「ながら食いをやめること」です。

「なんだそんなことか!」と感じる方も多いかと思いますが、実は奥深いんですよ。

 

 

噛むことは消活の第一歩

消化というと胃をイメージされる方が多いのですが、実は消化の始まりは口から。もっと言えば五感(おいしそうと感じる、匂いや音を味わう・・・)から始まっています。食べ物を口に入れた時におかゆ状になるまでよく噛んであげると、その後に続く胃腸での消化の負担がぐっと減ります。

 

食べ物を噛むという行為は、「食べ物を物理的に細かくする。」という意味に加え、「だ液と混ざることで食べ物を分子レベルで消化させる。」という意味があります。このことをふまえて、次のことを意識して噛むことをオススメします。

 

1.   回数よりも「胃を思いやって噛む」

このくらい噛んだら胃が楽かなあと思いやってあげてください。30回噛む!だとストレスになりがちですが、何となく胃を思いやることで自然と噛む回数が増えます。麺、丼もの、カレーなどはついつい噛まないで飲み込みがちなので気を付けましょう。

イメージが付きにくい人は噛む回数+5回を目指してみてください。

 

腸に一番良くないのは「未消化のものが入ってくること。」です。早食いなどで口や胃でしっかり消化ができていないと、どんなによい食べ物を食べても腸で悪さをすることになってしまいます。

 

2. 左右の噛み癖ありませんか?

これは意外と多いです。口の片側でばかり噛んでいませんか?左右の顎を均等に使いましょう。食べ物を口の中であちこち移動させてあげるとだ液もよく絡みやすくなります。

 

3. だ液と食べ物をよく混ぜることを意識して噛む

先ほどご説明したとおりで、食べ物はだ液が混ざることで分子的に消化されます。食べ物にまんべんなくだ液を絡ませることを意識してみてみましょう。

 

噛むことは消活によいだけでなく、リラックス効果、認知症予防効果、肥満防止、味覚の発達、歯周病予防、さらにガンの予防・・・などたくさんのメリットがあります。

今一度、よく噛むことを見直してみてください。噛まずに水で流し込む!なんてことがないようにお気を付けください。

 

 

こんなながら食いしていませんか?

ながら食いはマナー的にNGなのはもちらんのこと、消化の質を著しく低下させます。

1.ケータイを見ながら食べる

よく「ケータイを見ながら」食事をしている人を見かけます。だいたいの人が猫背、顎が前に出る姿勢を取っています。

顎が前に出ると食べ物を噛む力が弱くなり、猫背になるとおなか全体が圧迫され、胃腸の動きが妨げられます。胃も伸びにくくなり、満腹のサインが出にくくなるので、ドカ食いの原因にも・・・。

 

また、ケータイ画面を「見る」ことにより血液が頭にまわってしまい、消化に必要なおなかの血流がダウンします。同じ理由で「考えごとをしながら。」のお食事もNGです。

 

2.足を組んで食べる

足を組んで食べている人もよく見かけます。足を組むと骨盤が後ろに倒れやすくなり、おなかが圧迫される姿勢になりがちなので注意が必要です。

 

食べる時は床に両足をついて座り、おなかの前がゆったり伸びている状態がべストです。無理に背筋を伸ばそうとしなくてよいので、おなかの前をゆったりさせましょう。

 

忙しい現代人にあるあるのながら食い。「ケータイを見ながら」、「考え事をしながら」、「足を組みながら」。ドキっとした方が多いのではないでしょうか(笑)?

 

 

いかがでしたでしょうか?この2点を意識するだけでもかなりカラダは変わります。

実際のクライアントさんでも、「お通じが良くなった」、「疲れにくくなった」、「リラックスできるようになった」というお声をいただいています。

 

健康のためにカラダによい食べ物を選ぶことはとても大切ですが、まずは食べ方を変える方が早くカラダが元気になります。食欲の秋、忘年会シーズンに向けて「消活」始めませんか?

nana
安田 有美子
美腸セラピスト/理学療法士