スキンケア変更後のニキビは好転反応?アレルギーや肌荒れとの違いは?

スキンケア変更後のニキビは好転反応?アレルギーや肌荒れとの違いは?

きれいになりたくて化粧品を変えたのに、かえってトラブルや肌荒れが起きてしまったことはありませんか?
新しい化粧品に変えたことでの好転反応なのか、それともアレルギーで反応しているトラブルなのか、わからなくて不安に思った経験はきっと誰しもあると思います。

購入店に問い合わせたら好転反応と言われたが、果たして本当に好転反応で出ている肌荒れなのか、不安になった経験がある方もいるかもしれません。
 
このまま使い続けて大丈夫なのか、それとも使用を中止するべきなのか。
なにより、既に出てしまっている肌トラブルに対して、どう対処したらいいのか。
そんな疑問を一つずつ解説していきます。

スキンケアを変えた際に発生する肌トラブルの原因は好転反応?好転反応について詳しく解説!

スキンケア化粧品を変えた際に肌トラブルが出ると、きれいになるために必要な反応だとは思いつつも、肌荒れすると不安になってしまったり、スキンケアを変えたことを後悔してしまうこともありますね。
 
それらの肌トラブルを好転反応と購入店に言われても、片づけられたような感じでお店にうまくまるめこまれている気持ちになってしまう場合もあるかもしれません。好転反応は本当に起こりうるのでしょうか?
 
そもそも、好転反応とは何でしょう。
 
好転反応はもともと東洋医学で使われる言葉で、漢方では瞑現(めんげん)反応と言います。
今日の医療、西洋医学でも、投薬を始めてすぐの時期に、副作用ではない不調や反応が起きることはあります。
 
美容医療の世界でよく聞く「ダウンタイム」は治療によって出る症状が落ち着くまでの時間のことを指しており、その考え方も好転反応です。レーザー治療や流行りのダーマペン、肌質改善化粧品のゼオスキンや、エステのハーブピーリングは、好転反応をうまく利用した攻めるトリートメントです。
 
一般的に好転反応とは「状態が改善される過程で、一時的に悪い症状が出ること」「身体や肌に良い施しをしたことで、それまで不健康だった身体や肌が良いもの(今までと違うもの)が入ってきてびっくりして一時的に悪い状態になること」「良くなっていく過程で悪い膿を出している状態」などと言われています。
 
骨や筋肉が生成される時に起こる成長痛や筋肉痛にも似ています。肌についても、新しいものに対応していくために通常と違う反応が起きて、その結果、別の現象も引き起こしてしまう、という状態があります。
 
この好転反応について、症状や原因、対処法を具体的に考えていきましょう。
 
 

スキンケア変更による好転反応の症状とは?かゆみやニキビも好転反応?

スキンケア変更による好転反応の症状とは?かゆみやニキビも好転反応?
スキンケアを変えて出る好転反応には、ひりつき・かゆみ・ニキビ・かぶれ・ごわつき・かさつき等があります。腫れたり熱を持ったりすることもあるでしょう。ニキビは、白ニキビも赤ニキビもどちらの可能性もありますが、炎症を伴う赤ニキビの方が多いです。好転反応でニキビができた後に、赤みや腫れが出る、という二次的な症状もあります。
 
好転反応は、肌の中にこもっている毒素を出そうとしている、という表現をされることも多く、美容成分が浸透して肌のターンオーバー(新陳代謝)が促進されることで、その過程で老廃物の排泄のスピードも早くなり、上記のような症状が出ます。
 

好転反応を見分けるポイント

何をどこまでを好転反応というかを判断するのはとても難しいです。好転反応かどうかを判断するには、症状が出る時期から考えるとよいでしょう。
 
好転反応は肌が新しい化粧品に対応しようとして平常時と違う反応が出るため、好転反応の症状は、基本的に、化粧品を塗った直後よりも、しばらく経ってから症状が出ます。数時間後のこともあれば、数日後に出始めることもあります。
 
「店頭でのテスターのタッチアップではいい感じだったのに、帰宅途中にかゆくなってきた」「エステでの施術直後はとても調子が良かった肌が、夜になったらニキビが出てきてしまった」などは、好転反応である可能性が高いと思われます。
 

肌のターンオーバー

肌のターンオーバーについても解説します。細胞は約14歳で成長のピークを迎え、その後は少しずつ老化します。現代の大人の肌の理想のターンオーバーの日数は、大人の肌は理想のターンオーバー28日+年齢、と言われています。つまり大人の肌のターンオーバーサイクルは50日以上となっているように、このように、正常な新陳代謝がなされていないため、ニキビやシミ、乾燥などトラブルを生んでしまうのです。
逆に、ターンオーバーが早まってしまい、28日に満たない未成熟なまま皮膚になってしまっているのがアトピーです。未成熟な弱い肌が表面に出ていたら、外的刺激でトラブルが起きやすくなってしまいますね。ターンオーバーは早すぎても遅すぎても良くないのです。
 

好転反応とただの肌荒れ・アレルギーの違いとは?

好転反応・ただの肌荒れ・アレルギーの3つは症状が似ているため、出ている症状から判断することは難しいかもしれません。
結論から言うと、反応が出る時期と部位を基準に、アレルギーなのか、好転反応なのか、ただの肌荒れなのかを判断すると良いでしょう。
 

好転反応が出るタイミング

先程お伝えしたように、好転反応は使用直後よりも、浸透して時間が経過してから起きることが多いです。また、改善したい肌トラブルが重度の場合、好転反応を繰り返し、結果的に長く続くこともあります。
 
さらに、アレルギーやニキビのために抗生物質を飲んでいた場合は、好転反応が出てくるまでに時間がかかることもあります。これは、抗生物質でニキビやアレルギー症状を抑えていた分、肌の反応が起きるのが遅れるのが原因です。そのため、初めは肌に影響がなくても、2回、3回と使う内に好転反応が出てくる、というケースもあります。

アレルギー反応が出るタイミング

 
それに対して、アレルギー反応というのは直後に起こります。
ニキビやかさつきになるまでには少し時間がかかるかもしれませんが、赤くなる、ひりひりする、かゆくなるなどの症状が化粧品を塗った瞬間に出ます。
 
アレルギーの場合、これまで問題なかった成分が、アレルゲンの長年の蓄積で、時間が経過した後に突然アレルギー反応が出るようになってしまうことはあります。この場合は、肌の調子が悪くなる頻度が増えたり、症状が少しずつ悪化したりしていきます。化粧品で時間が経過してからアレルギーになってしまうというのは稀です。

アレルギー反応は、食品ではよく聞きますが、化粧品ではあまり多くないです。それは経口摂取よりも経皮吸収の方が身体への影響が低い事が原因と推測されます。 
 

肌荒れが出るタイミング

肌荒れの場合は、生活習慣やホルモンバランスなど体調や内臓の調子による影響で起こります。症状が出る時期は様々ですが、出る部位に特徴があります。
 
「肌の弱い部分に出る」「化粧品を使っていない部位にも不調を感じる」というように、顔以外にも、首やお腹、腕や腿の内側など、肌の弱い部分に不調を感じたり、また内臓の不調や疲労感なども同時に感じられる事が多いです。
 
好転反応・ただの肌荒れ・アレルギーの違いを簡単にまとめると、以下のようになります。

  • すぐ出る場合はアレルギー
  • 時間が経って出る場合は好転反応
  • 他の部位にも症状を感じる場合は肌荒れ

 

好転反応の例

好転反応を理解するための一例として、以下をご紹介します。
スキンケアとは違う分野ですが、筆者が長く携わっている、鍼治療や整体、エステなどの施術業界でも好転反応という言葉は良く使われます。
 
一般的に施術の分野での好転反応とは、施術をした後に起きる眠気、だるさ、発熱、尿や便通の変化、頭痛など、身体に全体的に起こる反応のことを意味しています。直後ではなく、その日の夜や翌日に起きることが多いです。
それに対して揉み返しは、筋肉痛のような痛み、あざ、内出血、赤みなど、施術した部位にピンポイントに出て数日で消える反応のことを指します。
 
これらの症状は出ているけれどスッキリ感もある、など、快方を感じられることも好転反応の特徴といえるかもしれません。
それに対して、元の悩み以外の痛みが出て3~4日を過ぎてもその症状が治まらない場合は、残念ながら施術が適切ではなかったということも考えられます。
 
化粧品を使った箇所に出ているトラブルなのか、トラブルも出ているが他の部分は調子が良い、トラブルが出てきた時期がいつなのか、というようにスキンケアの好転反応に置き換えて考えることもできます。好転反応かどうかを判断する材料として参考にしてください。
 
 

好転反応が出ても、そのスキンケア、続けて大丈夫?

好転反応で出ている赤みやかぶれ、ニキビが、痛みを伴わない場合は使用を続けても良いでしょう。また、これらトラブルが、日に日に良くなっていくのが感じられるなら、使用を続けても問題ありません。
 
ただし好転反応が出てから1週間を過ぎても肌の状態に変化が感じられない場合は、たとえ好転反応であっても、痕が残ってしまう可能性もあるので要注意です。その時は使用を止めたほうが良いでしょう。
 
不安な気持ちが続けば、自律神経やホルモンバランスの不調も起こりやすくなり、かえって肌トラブルを引き起こす可能性もあります。販売店や皮膚科医に相談しながら使用してください。
 
抗生物質を使っていた方については「好転反応を未然に防ぎたい!対処法」で後述致します。
 

肌トラブルは諦めず、複数の専門家に相談を

具体例として、以下の筆者の経験をお伝えします。筆者はニキビ改善のために、ある化粧品だけを10年近く使い続けました。ニキビの変化は感じていましたが、赤みやかぶれ、腫れといった症状が何年も続き、辛い20代を過ごしていました。不安を感じていましたが、販売店以外に肌の相談ができる所が思いつかず、販売店の人がの言う「好転反応だから大丈夫。この先よくなるよ」と言う言葉を信じて肌に合わない化粧品を使い続けてしまいました。病院では「ニキビは仕方ないね」と言われ、諦めていました。
 
美容の知識を習得した今では、肌質改善の手段は何通りもあることがわかりました。他の化粧品やスキンケア方法を併用したり、場合によっては一時使用を中止して好転反応で出ている肌荒れが落ち着いてから、再度使用を開始するなど、好転反応と上手に付き合う方法もたくさんあったはずだと思います。その方がもっと早く肌がきれいになったり、精神的にも穏やかな日々を過ごせたと思います。
 
心も重要な身体の器官です。そしてあなたの身体や肌にとっては、あなたが一番の理解者です。周りから何と言われようが、ご自身の感覚を信じてあげてください。
 
 

好転反応を未然に防ぎたい!対処法とは?

好転反応を防ぐには、以下のような方法がよいでしょう。
 

斬新な成分が入っていないものを選ぶ

化粧品に含有されている成分は、肌をきれいにしたり悩みを改善したりするための良いエキスですが、肌にとっては外部から浸透してきた異分子でもあります。配合成分が多かったり、配合濃度の高い、いわゆる「高機能化粧品」は好転反応が起きやすいとも言えます。
 
敏感肌で反応が出る化粧品がたくさんあるけれど、意外と安い化粧品はしみたり赤みが出たりもせずに使うことができる、という話もよく聞きます。これは、安価な化粧品は有効成分が少ない分、刺激も少ないということが一因と考えられます。ただ、使用を続けて問題はなくとも今よりきれいになる可能性は低いかもしれません。
 

パッチテストをしてから使用する

腕の内側、おなか、首など、皮膚が薄く柔らかく反応の出やすい部分で試してから顔に使用するとよいでしょう。反応の出やすい方は、内腿など目に触れにくいところで試すとより安心です。
 

体調の良い時期を選ぶ

生理前・生理中はホルモンバランスの影響で誰しも肌が敏感になっています。また、体調が悪かったり、疲れがたまっているときは、平常時より肌が敏感になっています。
そのような時期は避けて、なるべく体調の良い時期に化粧品を変えたほうが好転反応も出にくくなります。
 

従来使用していたスキンケアと併用して使用を始め、徐々に切り替える

化粧水、美容液、クリームなど、複数のアイテムを同時に変えると、肌への負担が大きく、反応が出やすくなります。
いくつもの新しいスキンケアアイテムを購入していても、一つずつ取り入れてみるなど、徐々に変えていくほうが好転反応も小さく安全です。
 

薬と併用しながら使用する

抗生物質を飲んでいればトラブルは収まっているか軽減していると思いますが、その状態の肌に満足ができなかったり、抗生物質を取っていることでトラブル箇所以外の肌のみずみずしさが落ちていたり、身体のために抗生物質をやめたいと思っている方は、化粧品で肌トラブルを改善できないかとスキンケアを変えようと考える方もいるでしょう。
しかし、抗生物質を飲むのをやめるとトラブルが出てきてしまうこともあります。
 
前述と似た理由で、アレルギーやニキビのために抗生物質を摂取している方は、急に使用を止めず、併用しながら徐々に薬を減らしていくなど、肌の様子を見て臨機応変な対応をすることをおすすめします。
 
肌のトラブルを出し切ろうとする好転反応と、それに対してトラブルを抑えようとする薬の抗生物質は、相反しています。そのため理論的には、抗生物質を一切止めて、好転反応でトラブルを出し切る方が改善に早く近づきます。
しかし、肌トラブルが出るのが嫌だから抗生物質を飲んでいたことを考えてください。好転反応とはいえ、トラブル状態が続くのはつらいことです。それに、好転反応が強すぎると、かえって肌にダメージを与えてしまうこともあります。
 

スキンケアの販売店に、起こりうる好転反応を使用前に聞いておく

化粧品購入の際に、どのような好転反応が出やすいのかをあらかじめ販売店に聞いておくとよいでしょう。予測ができれば、好転反応が起きた時にも気持ちに余裕ができます。
反応しやすい成分、それによってどのような好転反応が出るのか、どのような方に反応が出やすいか、という観点で聞いてみるとよいでしょう。
不安なまま使用すると神経過敏になり、好転反応も起きやすくなります。
 

自分の傾向を把握する

過去にどのような化粧品で反応が出たのか、自分の肌はどのような成分に反応しやすいのか、自分の肌の傾向を知っておくことも、好転反応で困らないための対策になります。
敏感肌の方は自分の肌のことを良く知っていますよね。おくすり手帳のように、過去の化粧品使用時の変化を記憶しておくイメージです。
すると、こういう化粧品は反応しそうだな、この成分に反応しやすいぞ、ということが自分で予測でき、好転反応を防ぐことができます。
 
 
ここまで好転反応の予防方法をお伝えしましたが、好転反応は決して悪いことではありません。肌質を改善したい場合には不可欠でもあり、攻めるケアも時には必要です。
しかし、好転反応について検索してこのコラムにたどり着いた方は、今出ている好転反応を不安に感じている方が多いのではないかと思います。そうであれば、今は攻めるときではありません。精神的にも肌的にもストレスを少なくできる方法を選択することをおすすめします。
 
 

それでも好転反応が起こってしまった!スキンケアを変えた際に好転反応が起こった場合の対処法とは?

それでも好転反応が起こってしまった!スキンケアを変えた際に好転反応が起こった場合の対処法とは?
好転反応が起こった時には、以下のような対処をしましょう。
 

冷やす、鎮静する

冷却鎮静は肌に異変が起きた場合の鉄板の対処法です。好転反応は炎症の一種なので、まずは冷やしましょう。
シートパックなどではなく、保冷剤や水、氷で患部を冷やしてください。
保冷剤や氷を包むものも、清潔なものを使用して、なるべく刺激を与えないようにしましょう。
 
また、抗炎症作用のある「甘草エキス」とも呼ばれるグリチルリチン酸ジカリウムをトラブル対策に用意しているエステもあります。お肌の弱い方は薬局で購入して冷蔵庫に常備していても良いでしょう。

炎症は冷やした方が落ち着きます。逆に、熱が加わると悪化してしまう可能性もあるため、お風呂に浸かるのも控えて、軽くシャワーだけにしましょう。
 

保護する

好転反応も肌トラブルの一種です。反応が起きているときは敏感になっているので、それ以上刺激が加わらないように保護してあげる必要があります。
ワセリンやヒルドイドで患部を保護したり、外気や風などでの刺激を受けないようにマスクをするのも対応策です。
ただし、摩擦はさらなる悪化を招くので、マスクを使用する際は摩擦が起きないよう気を付けてください。
 

一旦従来使用していたスキンケアに戻し、経過をみてまた使用を開始する

びっくりしてしまっているお肌をもとに戻してあげましょう。今まで使用していた化粧品に戻して、落ち着いてから徐々に新しいスキンケアを試してみたらよいでしょう。
化粧品がすっかりなくなってしまう前に、移行をされるのがおすすめです。
 

クリームを先に塗ってから、好転反応が起きたスキンケア用品の使用を続ける

一般的に化粧品の分子は、化粧水、美容液、乳液、クリーム、の順番に大きくなります。分子が小さいものの方が肌への浸透が良く、大きいものは浸透しにくく肌の上にのっかるようなイメージです。
ですから、浸透の良い化粧水のほうがクリームより好転反応は出やすくなります。
そのため、クリームをつけてから化粧水をつけるステップにするとよいです。

 
以上ををまとめると、好転反応を少なくするために、以下の方法が有効です。

  • 冷やす
  • 保護する
  • 従来使っている化粧品をつけてから新しい化粧品を使用する
  • クリームをつけてから、化粧水、美容液、最後にまたクリーム、というようにふさぎながら使用する

 

医師に相談する

上記を試しても不安な場合は皮膚科医に相談しましょう。素人判断では気づかない可能性も多いですし、何より大切な肌に痕が残っては後悔してしまいます。
医師の指示を仰ぎながら使用方法を相談してみましょう。安心できることも、何より美肌のために良薬です。
 
 

まとめ

好転反応と、アレルギーや肌荒れについて知ることで、より安心して確実な方法できれいになっていただけたら本望です。
 
前述した通り、あなたの身体や肌にとっては、あなたが一番の理解者です。周りから何と言われようが、ご自身の感覚を信じてあげてください。
 
好転反応で悩んでほしくない、という思いはスキンケアを提供する側も一緒です。
私自身、大切な肌を預かる者の一人として、自社商品以外の知識を学び広く取り入れること、美しさを提供することこそ信頼を深める唯一の手段だと信じてお客様と関わっています。この記事が肌に悩みを持つ女性のお役に立てれば幸いです。

nana
永井 さつき
オーナーセラピスト/美容家/美容ライター