ピラティスの効果が出るまでの期間・頻度は?週1で効果を高めるコツも解説!

ピラティスの効果が出るまでの期間・頻度は?週1で効果を高めるコツも解説!

健康寿命の大切さが問われ始めている昨今、健康維持やダイエットのために自分に合ったスポーツを探している方も多いのではないでしょうか。
中でもピラティスに興味を持っている方へ、効果やおすすめの実践方法、頻度などを解説します。

ピラティスとヨガの違いとは?

ピラティスはヨガと似た軽い運動だと思っている方はたくさんいます。
ヨガとピラティスは共通点がありますが、相違点もたくさんあります。中でも最も大きな相違点を解説します。
 

ヨガはマット運動、ピラティスはマシンとマット運動

ピラティスの最大の特徴は、専用のマシンを使ったエクササイズであり、他の運動にはない点です。
リフォーマー、トラピーズテーブル(キャデラック)、チェア、ラダーバレル、スパインコレクターなど、ピラティスの考案者であるジョセフ・ピラティス氏が開発したこれらのマシン(アパレイタス)は、1926年スタジオ創立当時の原型をとどめたまま今に伝えられています。
 
エクササイズの数は流派によりますが260以上あり、1時間のレッスンで個人に合ったものを約10〜15選択しプログラムを構成していきます。その点、パーソナルレッスンがベースになっていることもヨガとの相違点です。
 
マットを使ったエクササイズもピラティス氏によって考案されており、こちらの方が日本では広く知られ、ヨガと混同したイメージにつながる要因になっています。マットエクササイズでもフォームローラーやマジックサークルといったプロップス(小道具)を積極的に取り入れる傾向があり、その点もヨガとの相違点と言えます。
 

ヨガは柔軟性と筋持久力の向上、ピラティスは+筋力アップも叶う

筋肉の運動には等張性収縮と等尺性収縮があります。筋肉の伸び縮みを伴う運動を等張性収縮(例:腹筋運動)と呼び、筋肉が伸び縮みしない状態で筋動員を維持する運動を等尺性収縮(例:プランク)と呼びます。
 
一つのポーズを一定時間維持しながら進んでいくヨガは、等尺性収縮の連続によって関節の可動域や筋持久力の向上が期待できます。これに対してピラティスは、等張性収縮と等尺性収縮どちらの要素も包含しています。等張性収縮による筋力の向上、等尺性収縮による筋持久力の向上、そしてどちらの運動からも筋肉や腱にしなやかな弾力を得られ、柔軟性の向上も望めます。
 

ピラティスとヨガには共通点もある

自分の身体を内観する力を養える点が共通しています。内観力とは、自分の身体が今どんな体勢にあるか正確に認識しイメージした通りにコントロールする能力を指します。
 
例えば、不安定な体勢の中でバランスを取るためには集中力とコントロールが必要ですね。ヨガで集中力が必要とされる主な要因です。
「真っ直ぐに立ってと言われて正しい姿勢を取る自信がありますか?」「頭が前に出ていませんか?」「腰や胸が過度に反り返っていませんか?」
無意識に左右どちらかに傾いている人がいます。
 
ニュートラル(理想的)な姿勢に自分をセットした時、「身体にどんな反応が起きるか」「イメージした通りの動きになっているか」頭頂からつま先に至るまで意識を巡らせ、自分の身体をコントロールすることに集中し続けます。
そのため、ピラティスの考案者であるジョセフ・ピラティス氏は自身の考案したこのトレーニング法を「コントロロジー」と呼んでいました。(現在はピラティスという名称で世界中で愛好されています)
 
ヨガもピラティスも「動く瞑想」と表現されますが、自分の身体に集中・没入する点がそのように言われる理由です。
 

ピラティスの効果にはどのようなものがある?

ピラティスは、韓国での流行や有名人の愛好家の存在が追い風となり、日本でも美意識の高い人々の間で急速に広まっています。リフォーマーのグループレッスンを受けられるスタジオも増えています。では、ピラティスには一体どのような効果があるのか解説していきましょう。
 

10回で気分が良くなり、20回で見た目が変わり、30回で体のすべてが変わる

ジョセフ・ピラティス氏の遺した有名な言葉です。
 
私たちが無意識に行なっている動作は沢山あります。立つこと、座ること、歩くこと、息の仕方までです。誰に教わるともなく身に付けてきたそれらの動作が根本から変わっていきます。これがピラティスの真髄であり「30回で体のすべてが変わる」という言葉はそのことを指しています。
 
正しい姿勢とは骨格に最も負担の少ない合理的な姿勢を指し、正しい姿勢を軸に、最も合理的で機能的な身体の使い方を学んでいきます。そのため、姿勢や動作のクセが矯正され、骨格を支える筋力が養われ、結果的に姿勢が良くなるのです。
 
マシンを使ったパーソナルレッスンを一定期間集中して受けたら、最も強く変化を感じられるでしょう。
 

背骨の柔軟性を取り戻し、不調が起きにくい身体へ

「背骨がどれだけ柔軟に動くかが、その人の身体の本当の若さだ」
これもジョセフ・ピラティス氏の遺した言葉です。
 
ピラティスでは背骨の正しい配列(ニュートラル・スパイン)を重視してエクササイズを行います。
猫背、反り腰など背骨の正しい配列(ニュートラル・スパイン)から外れた姿勢でいることで背骨周辺の筋肉が部分的に凝り固まり、不快な痛みやハリ感につながります。
 
ピラティスのエクササイズは背骨を中心に全身をバランスよく動かし、体幹及び体幹とつながっている四肢の筋力・筋持久力・柔軟性を同時に向上させるアプローチをしていきます。使いすぎているところ、使うべきところを使えていないこと、実践していく中で様々な気付きを得て修正し、自分自身を理想的なアラインメント(姿勢)に近づけることができます。
 

インナーマッスルの活性化で内側から強くなる

ピラティスでは肋骨を左右と後ろへ広げて呼吸する「胸式呼吸」をします。そうすることで横隔膜、骨盤底筋群、腹横筋、脊柱起立筋群から成る腹部のインナーマッスルをスイッチオンし続け、体幹の安定を作りながら動いていきます。
 
これら腹部のインナーマッスルは通称「パワーハウス」とも呼ばれ、姿勢の維持に欠かせない役割を担います。パワーハウスが上手く使えていないと反り腰や下っ腹が突き出た不良姿勢の原因になります。
 
体幹のインナーマッスルにアプローチするピラティスを継続すれば、年齢を重ねても重力に負けない強い体幹を維持する効果が期待できます。
  

ピラティスはどのくらい継続すべき?効果が出るまでの期間・頻度、週1でも効果は出るのか解説!

ピラティスには魅力的な効果があり、。様々なスタジオで、通い方のプランが用意されています。果たしてどのくらい実践すればいいのでしょうか?
 

効果を感じやすいおすすめの通い方

月1,2回マシンを使ったエクササイズで効率的な身体の使い方を学び、週2回ほどマットエクササイズで復習と筋力アップを行います。
これが最も効果的な実践方法としておすすめです。
 
ピラティス専用のマシンを使ったエクササイズでは、個人に合った設定を利用して、必要な部分だけに負荷を与えながら、無理なく身体の使い方を理解していくことができます。
これに対しマットのエクササイズは自重を支えながら動くため、より筋力が必要になる場合が多いです。また、マシンエクササイズと似た動作も多いため、マシンで覚えた感覚を活かしやすく、自分の中でより理解が深まります。
 
このように実践すればするほど変化を早く実感できるため、自分の身体への理解が深まっていく楽しさも十分に味わえるでしょう。
 

週2から3回を習慣に

マットでもマシンでも、まずは週2回以上から始めることがおすすめです。
インナーマッスルや骨格にアプローチするピラティスはレッスン中に解剖学用語が出てくることが多く、人によってはエクササイズに慣れ、面白さや奥深さを理解するのに時間がかかる可能性があります。
 
ある程度高い頻度を維持し、エクササイズを覚え、習慣として生活に定着させることは変化の感じやすさにつながり、変化を感じればどんどん楽しくなってくるものです。
 
また、脳科学では自分にとってややきついと感じる強度の運動を週3回以上6週間継続すると、不安を軽減する脳の領域の神経結合が増え、運動したい欲求が湧くようになることがわかっています。定期的な運動によって神経系のデフォルト状態が調整されると、闘争反応や恐怖反応が起こりにくくなると言われています。
つまり、運動する習慣があると穏やかで前向きなマインドでいられる時間が増えるのです。
そのような観点からも、頻度や期間を考えてみてはいかがでしょうか。
 
現在では、オンラインでもレッスンを受けられるスタジオやサービスが多くあります。ライフスタイルに合わせた取り入れ方が可能になっているので、せっかく始めるなら一定期間だけでも集中して頻度高く取り組むのも一つの方法です。
 

週1回の実践を効果的にするには?

様々な事情があって、「週1回が精一杯!だけどピラティスをやってみたい」そんな場合に効果を最大限高めるには、どうすればいいのでしょうか。
 
実際、週1回のレッスンを継続して30回で明確に変わる人もいれば、そうではない人もいます。両者を分けるのは、ピラティスで学んだことを日常生活に活かすかどうかです。
 
背骨の理想的な配列(ニュートラル・スパイン)や、呼吸による腹部のインナーマッスル動員で体幹を支えるなど、1時間のレッスンで実践したことをスタジオを出てからも行いましょう。
「歯磨きの時にいつも無意識に壁に寄りかかっていたのを、背骨を引き上げながら真っ直ぐ立ってやるようにしています」
「歩く時、しっかり腹部を入れる!と意識するようになりました」
レッスンのたびにこのような報告をする方は、週1回でも確実に変わっていきます。
 

大切なのは日常生活への落とし込み

自分に合った強度にすることや、正しくエクササイズを行うことも大切ですが、もともと理想的な骨格と身体の使い方を体得するための手法であるピラティスは、毎日実践しても身体へ支障はありません。
 
そのため、もしも高い頻度で実践できるなら毎日実践しても問題ありません。(筋肉痛は起こり得ます)
 
スタジオで集中して過ごす時間は心地よいものですが、終わったら忘れるのではなく、残りの23時間をどう過ごすかがピラティスの効果を活かす鍵となります。ピラティスで学んだ意識を取り入れることで日常動作の質を上げ、そのことが身体を快適に保ち、生活の質を上げてくれるのです。
 
注意点として、ヘルニア等の傷病を経験している場合や妊婦さんなど特定の注意が必要なケースがあります。運動しても支障がないか医師にしっかり確認したうえ、頻度も含めインストラクターに相談しておきましょう。
ピラティスは自分の力で正しい姿勢へと整えていくことが可能ですが、治療行為とは異なります。怪我の治療はできない点も認識しておきましょう。
 

体験者の声を紹介

ピラティスは頻度や日常生活での意識によって、それぞれに効果の実感に違いがあります。ここからは体験者の声をいくつかご紹介します。

40代・マシンピラティスのパーソナルレッスン20回目の感想

「ピラティスを始めた時は痩せることが目的でしたが、日頃の姿勢や食べる物にまで気を付けたりと意識が変わっていきました。自分の身体に集中する感覚が気持ち良く、私にとって欠かせない時間になりました。職場で周りの人から姿勢がいいって褒められます。後ろ姿が別人だって!」

40代・マシンピラティスのパーソナルレッスン2回目の感想

腕を上げたり肩を回そうとすると痛みがあって辛かったけど、ピラティスで教えてもらったワークを1週間やっていたら痛みが取れました。そのため、これは続けなければ!と思ったんです」

40代・マシンピラティスのグループレッスン3ヶ月、パーソナルレッスン2回目の感想

「グループレッスンも楽しかったけど、正しくできているのかな?と思っていたところを、パーソナルではしっかり見てもらえて、気付きがたくさんあって面白かったです。レッスンの後は身体が軽く、ジョギングしたらいつもよりストライドが10cm以上も伸びていてビックリしました!
 

30代・マットピラティスのグループレッスン1年目の感想

やっている時はきついのに、終わったらとにかく身体が軽くなって、頭もスッキリして気分がいいので、楽しみにしています
 

ピラティスとダイエットの関係性とは?ピラティスでは得られない効果と共に解説!

有名人の影響もあり美容にいいイメージのあるピラティスですが、ダイエットにはどのような効果が期待できるのでしょうか。ジムトレーニングや筋トレとの違いとあわせて解説します。

美しい姿勢を維持し機能的に動くために必要な筋力、筋持久力に加えて柔軟性を身につけるのがピラティスです。
 

姿勢が整うことでスタイルアップ

ピラティスは決してダイエットのために考案された手法ではありません。
エクササイズを通して骨格の理想的な配列と正しい身体の使い方をインプットし、身体に負担となっている動作パターンを修正していきます。
 
結果的に、実践を重ねるほど動作に無駄や硬さがなくなり、綺麗な姿勢に整っていきます。
ピラティスのエクササイズも毎回全身を動かすため、継続するほど体幹を中心に引き締まってきますが、激しい運動でカロリーを燃焼する目的のダイエットとは異なります。
姿勢の美しい人は健康的で凛とした印象を与えるものです。
 

筋肥大はしない

トレーニングの3大要素には以下があります。
・筋力の向上
・筋持久力の向上
・筋肥大(筋肉を大きくすること)
 
ピラティスでは3つ目の筋肥大はできません。
 
マシンピラティスもスプリングを使って負荷を設定しますが、重量を持ち上げることが目的ではなく、個人にとって最も身体の使い方を学びやすい設定を選択します。
筋肥大は個人が持ち上げられる最大重量の1割手前のウエイトを5回以上などハードな条件のウエイトトレーニングで叶うものですが、ピラティスで実践する方向性とは異なります。
 

ピラティスの効果を感じられない人必見!効果を高めるコツとは?

定期的に通っているけれど、あまり変化を感じられないという場合、次のような点を確認することをおすすめします。
 

パーソナルレッスンを受けているが、効果が出ているかわからない

インストラクターに相談して、強度やレッスンの方向性、頻度を見直しましょう。
ピラティスの実践を通して達成したいことや解決したいことを明確にすることが大切です。
例えば「運動不足の解消」も立派な目標ですが「じんわり汗ばむくらいは動きたい」など、もう一歩踏み込んだイメージを伝えることで希望に沿った内容へと調整できます。
 
インストラクターを変えることも一つではありますが、正直な考えを対話しながら進める中でお互いへの理解を深めていくことも大切なポイントです。遠慮することなく相談してみましょう。
 

グループレッスンへ参加しているが、効果が出ているかわからない

ピラティスのエクササイズには全て目的があり、目的に応じて主に使われるべき筋肉群が明確になっています。使われるべき筋肉が適切に動員されていないことで「効いているのかわからない」となることがあります。
また、インナーマッスルを使えているかは自分では分かりづらいものです。
 
ある程度グループレッスンへ参加し続けてこのような疑問が湧いたら、パーソナルレッスンを一度受けてみることをおすすめします。グループでは大勢で同じエクササイズを同時に行うため、個別の指導が行き届きにくいことはどうしてもありますが、マンツーマンで見てもらえるパーソナルレッスンで動きの確認をしてみると、気づきが多く上達が早くなります。
 
レッスンの強度が合っていない可能性も考えられます。ピラティスにも様々な目的と強度のエクササイズがあります。グループレッスンは初心者〜上級向けや小道具を使ったフォーカス企画などバリエーションが用意されていることが多いです。

いろんなスタイルのレッスンに参加してみることで、自分に合った強度を選択できるようになってきます。
 
ご自身の上達に合わせて幅広くチャレンジしてみましょう。
 
逆に、強度の高すぎるピラティスを無理に行おうとすることで望ましくない代償運動が起きれば、どこかを傷めるリスクがあります。レッスンに参加していて「今日の自分にはきつい」と感じる動きがあったら、そのエクササイズの間はお休みするなどの選択も行いながら参加しましょう。
 

おすすめのピラティススタジオをご紹介!

ピラティスを堪能するなら専門スタジオがおすすめです。スタジオがたくさんあって、選び方がわからないという場合にこちらを参考にしてください。
 

PMA認定の流派やインストラクターがおすすめ

PMA(Pilates Method Alliance)とは、ピラティスの手法が後世まで正しく伝えられるために創設された非営利の国際組織で、ピラティス指導者の国際的な資格や教育基準を設定しています。
ピラティスをしっかり実践したいなら、PMAの認定を受けている流派の運営するスタジオを選ぶという視点もおすすめです。

以下にいくつかご紹介します。
 

BASI PILATES

アメリカに本拠地を置く国際団体で、日本ではzen placeが総代理店としてレッスンの提供やインストラクターの養成を行っています。ピラティス専門スタジオとしては国内最大規模で、スタジオの多さという点で通いやすいのが魅力です。

レッスンのバリエーションが豊富で、回数制やチケット制、短期集中で変化を実感するためのプランなど、様々な選択肢があります。
マシンを使ったパーソナルレッスンでは一つ一つの動作を緻密に確認しながらの指導、マットのグループレッスンは休まず動き続け集中力を高めるフローを軸にダイナミックなピラティスを体験できます。

zen place>>

STOTT PILATES

カナダが本拠地の国際団体で、日本にもライセンスを受けたスタジオや養成コースを提供するホストスタジオがあります。
解剖学や最新の医学的見地からピラティスの手法を独自に改良した指導に定評があります。

Sky Pilates Tokyo>>

Bcube>>

POLESTER PILATES

アメリカに本拠地を置き、リハビリとしてのピラティス指導にも力を入れているのが特徴です。
日本にもライセンスを受けた認定スタジオや養成コースを提供しているホストスタジオがあり、医療従事者向けの養成コースもあります。

元気工房>>

PILATES BODY STUDIO

PMA認定インストラクターである櫻井淳子さんの主宰するスタジオです。
櫻井さんはジョセフ・ピラティス氏の直弟子であるロリータ・サン・ミゲル氏に直接師事し、トレーナーとしての認定を受けた唯一の日本人でもあります。
日本でまだピラティスが知る人ぞ知る存在であった頃から第一線で活躍する草分け的な方です。
ジョセフ・ピラティス氏のオリジナルの手法に触れたい方におすすめです。

PILATES BODY STUDIO>>

nana
岩藤 芙美
ピラティスインストラクター