糖質制限、野菜が先ダイエットの落とし穴
短期間で体重を落とせると話題になって久しい「糖質制限ダイエット」、興味のある方や、今まさにやってるという方、チャレンジしたけど・・・という方、少なからずいらっしゃると思います。
こんにちは。オーガニックアロマセラピストの須田桂子です。
糖質制限ダイエットに興味をお持ちの皆さんに質問です。
・最初にご自身の糖質摂取量が多すぎることを認識してから減らしていますか?
・どれだけ糖質を減らせばいいのか、意識して取り組んでいますか?
・本来糖質はどれだけ摂取する必要があるのかご存知ですか?
この辺があいまいなまま、やみくもに糖質を制限してしまうと、ダイエットどころかリバウンドしやすい体になってしまう可能性が非常に高いので注意が必要です。
今回は、糖質制限ダイエット(+野菜を先に食べるダイエット)の注意点をご紹介します。
糖質制限ダイエットの仕組み
手っ取り早くダイエットというと、まずは食べる量を減らして摂取カロリーを抑えようと試みますよね。
もちろん過剰なカロリー摂取をしていては、いつまでたってもダイエットは成功しません。インプットとアウトプットのバランスを保つことは基本中の基本です。
そこで特に摂取カロリーの高い脂質と並んで、「夜はご飯を食べません」「ほとんどおかず中心の食事です」と糖質を抑えたダイエットを行っている方が非常に多くなっています。
実際糖質制限ダイエットに成功した方々の声も多く聞かれますし、確かに糖質制限には短期間で体重を落とせる仕組みがあります。
ですから美味しいおかずはたくさん食べられて、糖質だけ減らして痩せられるならと思いがちです。
ですが、ここには大きな落とし穴があります。
結論から言いますと、必要以上に糖質制限するとどんどん痩せにくい体を作り、さらにメンタル面でのトラブルも抱えやすくなってしまうのです。
どうして糖質制限ダイエットが短期間で体重を落とすことができるのか?その理由を知っておくことが大切です。
過剰な糖質制限の結果
人が炭水化物などで糖質を摂取すると、体内ですばやく代謝されて各所のエネルギー源として利用されます。その他に少量を肝臓や筋肉にグリコーゲンに合成されて貯蔵して、余った分は脂肪として蓄積されます。糖質を摂りすぎると太る所以はこの余った分が多すぎるというわけです。
筋肉と水分が減る
糖質制限をしすぎてエネルギーが不足してしまう位の糖質しか摂取せずにいると、筋肉に蓄えられているグリコーゲンを分解してブドウ糖に変換して補います。
このグリコーゲンですが糖とその3~4倍程度の水と結合しており、分解の際にこの水分も一緒に出ていきます。100gの糖が使われれば同時に約300~400gの水分も失われる計算です。
更に糖質が足りなければ、筋肉を分解して糖質を補おうとしますので、筋肉の量が減ります。
精神不安定になる
極端な糖質制限をすると、血糖値が下がります。
頭がぼーとしたり、めまいや頭痛、気力の減退やイライラなど様々な悪影響を及ぼします。
もうダイエットをする気力さえ無くなってしまいそうです。
このように必要以上の糖質制限によって減った体重は、殆どが水分や筋肉の減少によるもので、肝心な脂肪の減少にはあまりつながっていません。また、メンタル面を含めた健康への弊害もあります。
必要な糖質の量
人間が呼吸をしたり臓器を働かせるために生きていく上で最低限必要なエネルギー量は、成人女性でおおよそ1,100kcal程度です。更に活動するために必要なエネルギーを加えると、1日に必要なエネルギーは、成人女性でおおよそ2,000kcal程度となります。
この内どの程度を糖質から摂取すればよいのでしょうか。
WHOや日本のガイドラインによると、糖質は摂取カロリーの60%前後が理想とされています。
約1,200kcal程度という計算になります。
糖質は1gあたり約4kcalですから、重量にすると約300gです。
参考糖質量
糖質の多い穀類の例
- ご飯茶碗1杯(150g)の白米 糖質量 約55g
- うどん一玉(250g) 糖質量 約50g
- パスタ一食分(乾麺で80g) 糖質量 約60g
穀類以外の食品に関しても、糖質制限をしようと思われている方や糖質の摂り過ぎが心配な方は是非、糖質の含有量についてざっとで構いませんので調べてみて下さい。
意外に必要な糖質量は多いと感じる方も少なくないのでは?
食べる順番にも注意しよう
糖質は一度にたくさん摂取してしまうと急激な血糖値の上昇を引き起こします。この時、細胞にエネルギー(糖)を取り込むためのインスリンの量も急激に増えるので、細胞に多くのエネルギーは運ばれすぎてしまい余ったものが脂肪として蓄えられてしまいます。
これを踏まえて、急激な血糖値の上昇を抑えてインスリンの量も急激に増やさないために、提唱されたダイエット方法が「野菜が先」の食べ方です。
このように急激な血糖値の上昇は脂肪を蓄えやすくなってしまったり、その後血糖値の乱高下などにもつながりますので非常に危険でもあります。
糖質量の少ない野菜や、エネルギーの高い脂肪やたんぱく質をたくさん食べても血糖値が上がらなければ、いつまでたっても脳は栄養が足りていないと判断して食欲を抑えるホルモンが出てこないのです。
血糖値は乱高下しないよう緩やかに上げていき、早めに脳に栄養が供給されていることを認識させる必要がありますので、あまり極端に順番をつけずに満遍なく色々なものを食べていく方が、安全ではないかと思われます。
なんでもやりすぎは注意
糖質に限らず、何か1つの食品や栄養素を多く摂ったり極端に減らすダイエットは、これまで様々なものが話題になってきました。
効果がありそう!試してみたいと思うかもしれませんが、そのダイエットのメカニズムと体の仕組み双方から検証することを忘れず、基本は運動による脂肪の燃焼であること、何でもやりすぎや極端なことには注意して取り組んで下さいね。