甘いものが無性に食べたい!は要注意?食べたい食品別に原因、対処法を解説
甘いものが無性に食べたい!その理由とは
お腹がいっぱいなのに、食後に甘いものが食べたくなる。ご飯を我慢してでも、甘いものを食べてしまうという方は少なくありません。スイーツだけでなく、ジュース、炭酸飲料、コーヒーや紅茶に砂糖を入れるなど、甘い飲み物がやめられない方もいるでしょう。
甘いものがやめられないのは、以下の4つの原因が考えられます。
①血糖値スパイク
②タンパク質の不足
③極陰性にカラダが傾いている
④習慣化している
一つずつ解説していきます。
血糖値スパイク
「血糖値スパイク」という言葉は、健康に気をつけている人であれば、一度は耳にしたことがあるかもしれません。
近年、ダイエット・糖尿病・自律神経を整える・美容などの幅広い分野で「血糖値」が重要であると言われています。
血糖値の仕組みを簡単に説明すると、胃腸で食べ物(糖質)を消化し、ブドウ糖が腸管から吸収され、血液中に入る事で、血液中のブドウ糖が増えた状態を「血糖値が上がる」と言います。
血糖値が上がると、そのブドウ糖をエネルギーとして使うため、肝臓や筋肉にブドウ糖を取り込むために膵臓からインスリンというホルモンが分泌されます。
肝臓や筋肉にブドウ糖が取り込まれると血糖値は下がります。これが、血糖値が上がる・下がる仕組みです。
「血糖値スパイク」では、糖質を大量に摂取した場合、血液中に溢れるブドウ糖を「早く各臓器に送り込まなくてはいけない!!」と、大量にインスリンが分泌されます。そして、インスリンを急いで出し過ぎてしまった結果、血糖値が急激に正常値よりも下がってしまい、身体に不都合が起きてしまうのです。
血糖値はなだらかに上がり、なだらかに下るのが理想ですが、精製されたお米やパン・白砂糖を使ったスイーツなどは、血糖値スパイクを起こしやすくする食品の代表です。
血糖値が下がると空腹を感じてしまうため、食べたばかりなのにお腹が空く、しかも、血糖値を上げるために甘い物が食べたいと脳が感じてしまうのです。
血糖値スパイクを起こさないために、精製食品を控える事・食物繊維を食前に摂る事・ゆっくり噛んで食べる事が大切です。
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タンパク質の不足
「タンパク質不足が食欲を増加させる」と様々な論文で言われるようになりました。
これは、人間の身体は水分を除けば70%はタンパク質で構成されており、必要不可欠な栄養素だからです。動物実験でも、自分に必要なタンパク質量を摂取することが分かっています。ですから、タンパク質量が少ない食事だと、それを補うために炭水化物でタンパク質を摂取しようと、必要なたんぱく量を摂取するまで炭水化物を摂り続けます。
ここで注意していただきたいのは、甘い物をやめるために過剰にタンパク質を摂取するべきということではありません。なぜなら、以下のような研究結果も出ているからです。
・高タンパク質+低炭水化物の食事は繁殖機能・子孫繁栄するが寿命は短い
・低タンパク質+高炭水化物の食事は繁殖機能・子孫繁栄は減少するが、寿命は長い。
・過剰タンパク質は繁殖機能も低下し寿命も短い。
つまり、タンパク質の摂り過ぎも少なすぎもよくないので、バランスと質が大切なのです。タンパク質と一言で言っても、肉、魚、卵、大豆製品、乳製品など様々な食材があります。どの食材をどれだけ摂取すればちょうどよいのかお伝えします。
タンパク質は一日体重×1g摂取することが推奨されています。(筋トレをしている人は体重×1.5g~2g)
ここで問題なのは、タンパク質を全て動物性タンパク質から摂取してしまう場合です。
お肉の場合は脂質が体内の炎症を増加させ、アレルギーや高血圧、糖尿病を引き起こします。魚の場合は水銀などの有害物質が身体に蓄積し、脳や中枢神経に溜まり、認知症やうつ病様々な健康疾患を引き起こす危険性があると言われています。そして、どちらの場合もホルモン剤や抗生物質の問題があります。(魚は養殖の場合)
動物性タンパク質と植物性タンパク質の割合は1:1が理想です。
例えば、体重50kgの女性の場合、50gのタンパク質が必要で、以下の画像の量が必要になります。
極陰性にカラダが傾いている
これは、マクロビオティック的な考え方になりますが、人間の身体は中庸である時に、健康だとされています。
お砂糖・精製された穀物・化学調味料・コーヒー・薬などは体を陰性にすると言われています。
これらの食材は極陰性で、身体が陰性に傾くのでそれを中庸に戻すために、本能的に極陽性の食べ物を食べたくなります。
極陽性の食べ物は、お肉・マグロなどの大型魚・精製塩・卵・揚げ物・ハンバーグ・加工肉です。「極陽性の物を食べると、極陰性の物が食べたくなる・・・」と振り子が大きく揺れるように、なかなか中庸の状態でピタッと振り子は止まらないのです。
チョコレートを食べたらポテトチップスが食べたくなり、ポテトチップスを食べたら、またチョコレートが食べたくなる。そんな負のループに陥ったことはありませんか?そんな時は中庸の食べ物を意識して食べる事により、振り子の揺れは穏やかになっていきます。
玄米・海藻・小豆・番茶・大根・ごぼう・キノコ類・人参・黒豆・麦・ひえ・あわなどが、中庸の食材になります。いつもこれらのものばかりは食べていられないので、「極陰陽の食品を多く食べすぎたな」と思った時には、これらの食材を意識してください。
習慣化している
甘い物がやめられない理由の4つの中で、習慣でついつい食べてしまうという方が一番多いように感じています。
歯を磨くのと同じように、毎日甘い物を食べる事が習慣化されている人が多いです。白砂糖は麻薬よりも中毒性が高いと言われているため、ついつい食べてしまうのでしょう。
本気で甘いものを止めたいのであれば甘い物を近くに置かないということが重要です。
①コンビニやスーパーに近づかない
②家にお菓子を置かない
③もらったお菓子は誰かにあげるか気持ちだけ頂いて処分する
そして、もう一点、「企業に食べさせられている」ということを理解しなくてはいけません。
人間の味覚・聴覚・視覚・嗅覚・触覚、本能を研究しつくした企業は、中毒性の高い商品を販売しています。絶妙な糖分と脂肪分を計算されたスィーツに脳は勝てないのです。食欲に私達は勝てません。勝負を挑むのは辞めましょう。最初から食欲と戦わない。買ったら最後、毎日少しづつ食べようと思っても、一日で食べつくしてしまうのです。あなたの意思が弱いからではありません。企業努力が素晴らしいだけなのです。ですから、習慣を変えましょう。
◆近寄らない
◆買わない
◆代わりの物を用意する。
この3つを徹底してください。
代わりの物というのは、中毒性の高い甘い物ではなく、果物やはちみつなどの中毒性が低く、栄養素が高い物です。
食べたい食品別に原因を解説します
甘い物でも、チョコレートだったりアイスだったり食べたいもので、食べたくなる原因や対処法が変わります。それぞれ解説していきます。
チョコレート
チョコレートが無性に食べたい方は、マグネシウム不足と過緊張の可能性があります。
食の欧米化によって、現在の日本人はマグネシウム不足と言われています。特に生理前はマグネシウム不足になりやすいので、穀類をしっかり摂り良質な塩を摂りましょう。また、常に緊張で肩が上がることや歯をくいしばることはありませんか?緊張をほぐすためにチョコレートが食べたくなります。
ドーナッツやケーキ
ドーナッツやケーキが無性に食べたい方は、カロリー不足、ビタミンB2不足の可能性があります。
ダイエットでカロリー制限をしていると、カラダがエネルギーになるものを欲します。主食を減らし過ぎていないか食事を振り返ってみてください。
日常的にパンなど小麦製品を食べている人は小麦中毒になっている可能性があります。1週間ほど小麦を抜いてみましょう。
主食もしっかりとり、バランスよく食べているつもりだけど…という方は糖質や脂質を代謝するビタミンB群が不足してるかもしれません。かつお・まぐろ・鮭・豚ひれ・ささみ・バナナなどに多く含まれています。
アイスクリーム
アイスクリームが無性に食べたい方は、鉄不足・女性ホルモンのバランス悪化の可能性があります。
鉄が不足すると氷などの冷たいものを、そして女性ホルモンの乱れは脂肪を欲します。冷え性の人は、身体が冷えているのに上半身は熱く感じる事があるので、冷たい物を食べたくなったりします。
冷えが原因で身体の巡りが悪くなり、栄養が吸収されづらくなる、自律神経が乱れる、ホルモンバランスが乱れるということが起こります。アイスクリームが止められない場合は、しっかり身体を温め、バランスの良い食事をしましょう。
甘い物としょっぱい物
甘い物(極陰)としょっぱい物(極陽)に大きく振り子のように揺れる、というケースは、原因は2つ考えられます。
まずは、マクロビオティック的な原因を考えられます。
この場合は、中庸である、玄米や野菜を食べる事で落ち着きます。おやつに食べるなら干し芋やおしゃぶり昆布がおススメです。
もう一つの原因は、「限界効用逓減の法則」です。
これは、好きな物、美味しいと感じる物も慣れてしまうという心理的作用ですが、食べる事で満足したい。という気持ちが強い場合は、この心理が働いている可能性があります。そんな時は、「この食べ物は本当に食べたいものなのだろうか」ということを、考えて食べる物を選んでください。
安いから、すぐに食べられるからという理由で食べてしまうと、満足出来ずに食べ続けてしまいます。
当てはまる理由がないのに無性に甘いものが食べたい方向けの対処法
食事も整えた、ストレスケアもしているのに、それでもまだ甘い物がやめられない。そんな方への対処法をご紹介します。
睡眠の質を上げる
自分にとって最良な睡眠時間を確保できているでしょうか。週末に寝だめしている、と言う方は要注意です。
ただ、お仕事などでどうしても睡眠時間を確保できないという方は以下の事を実践してください。
①寝る90分前にお風呂に15分入る
②ストレッチなど入眠儀式をする
③入浴後に携帯は見ない
④寝室は真っ暗にする
⑤朝は決まった時間に起きる
⑥スヌーズ機能は使わない。
⑦日光を浴びる
スヌーズ機能は使わないで目覚ましを設定する方法については、少し詳しく解説します。
眠りの浅いレム睡眠で目覚ましが鳴ることを目的としてアラームを設定する方法です。
一度目のアラームは小さい音・二度目のアラームは20分後に大きな音で鳴らすことで、眠りの浅いレム睡眠のタイミングで起きる事ができるようになります。
スヌーズ機能と同じではないか?と思われるかもしれませんが、大きく違う点は「20分」という時間を設定している点、そして音量の大きさを最初は小さく、二度目は大きく。という点がスヌーズ機能とは違います。
レム睡眠・ノンレム睡眠は90分ごとに変わると聞いたことがあると思います。この時間は睡眠中ずっと同じではなく、入眠後すぐは90分ですが、朝方には徐々にこの感覚が短くなり、20分程に短くなると言われています。
目覚める時に眠りの浅いレム睡眠の場合、最初のアラームが小さな音でも起きることが出来ます。
しかし、眠りの深いノンレム睡眠だった場合、起きる事はできませんが20分後にはレム睡眠になっている場合が多いので、そのタイミングで先ほどよりも大きな音でアラームを鳴らすことにより、確実に起きることが出来ます。
最初に大きなアラームを鳴らすと、もしもノンレム睡眠だった場合、自然に起床することが出来なくなり、身体にストレスを与えることになります。
お昼寝をする
こちらも睡眠で甘い物を食べたくなくなるようにする方法ですが、甘い物を食べたくなるのは基本的に疲労が原因の場合が多いのです。
甘い物が食べたくなった場合、寝れる環境であれば、迷うことなく寝てください。
スープやお味噌汁を飲む
温かい物・栄養がある物を食べると甘い物への欲求が収まります。具材はなくてもいいです。
しっかり旨味の出た出汁に良質な塩、お好みでオリーブオイルを入れて飲むと、それだけで満足できます。
以上の事を気をつけることで、無駄に甘いものが食べたくなる欲求が湧くことがなくなります。
欲求と戦わず食べる
欲求には勝てないので戦わないと先に述べました。寝ても、スープを飲んでも、他にも歯磨きをしたりその場でジャンプしてみたり、掃除をしたり、意識を他の事に向けてみても、どうしても甘いものが食べたい場合、しかも「○○が食べたい」と商品名まで頭に思い描いている場合は、心置きなく食べましょう。
甘い物が食べたくなる原因についてお伝えしてきましたが、すぐに習慣や思考は変わりませんし、身体もすぐには変わりません。
ですから、今回お伝えしたことを実践しつつ、本当に食べたいと思った物は美味しく頂きましょう。
その他食べたいものによる身体のサイン
ここでは、甘い食品以外の食べたいもので、身体がどのようなサインを発しているのかご紹介します。
しょっぱい物が食べたい原因
しょっぱい物が食べたいということは、塩分を欲していると言う事です。
身体が塩分を欲する理由は、ミネラル不足と水分不足です。
本来塩には人間の身体に必要なミネラルが含まれていますが、精製された塩にはミネラルは含まれていません。
つまり一見良いお塩と思われるものでも、人間の身体に適した割合とかけ離れている塩もありますので注意が必要なのです。
身体の機能を維持するためにミネラルが必須であることはご存知の通りです。江戸時代には「塩抜きの刑」というものがあったくらい、ミネラルは人間の身体に死活問題なのです。
なぜミネラルを欲するのかといえば、外食などが多くミネラルが十分摂れていないことや、ストレスでミネラルを消費してしまうという理由があります。ストレスケアをして、精製されていないお塩を摂ってください。
その他の理由としては水分不足も挙げられます。
これを解消するために、お水を大量に飲むという対策ではなく、①筋肉をつける事②穀類をゆっくり食べる事を実践してください。
①脂肪の方が水分量が多いように感じますが、実はカラダの水分の多くは筋肉で保たれています。体組成計で見ると筋肉量が多い人の方が体内の水分量が多くなります。
②お水を沢山飲んでも、飲み方が間違っていると吸収されずに、ただトイレが近くなるだけになってしまいます。穀類は水分を多く含みます。腸でゆっくり穀類が消化される時に水分もゆっくり吸収されます。
◆ストレスケアをする
◆ホンモノの塩を使う
◆筋トレをする
◆穀類をゆっくり噛んで食べる
以上の4つを意識することで、過剰にしょっぱい物を食べたいという欲求がなくなります。
辛い物が食べたい原因
辛い物が食べたい原因は心理的ストレスが大きい事です。
何か特定の味を好んで食べたくなるのには、性格的要因も関係しているという実験があります。シカゴのアラン・R・ハシュー医学博士の18.000人を超える方を対象とした25年以上にわたる研究によると、辛い物を食べたくなる人は完璧主義で秩序を好み、時間を無駄にすることを嫌い、細かい事を気にする人が多いそうです。
そして、冷静さを取り戻すことが困難な状態、つまり興奮気味なマインドでいる事が多く、血圧が高め・呼吸も浅く荒い・心拍数も高い状態の人が多いと言われています。
陰陽のバランスとも関係してきますが、お肉などの極陽性の物が多いと、陰性食材の香辛料を摂りたくなりますので、お肉を減らすことも意識してください。
脂っこい物が食べたい原因
カリウムが足りない場合に揚げ物などを食べたくなります。
また、ダイエットなどで、糖質や脂質を減らしている場合も脂質の多い食品を食べたくなります。この場合は良質な油を摂取しましょう。
ナッツ類やオリーブオイル・豆類がおススメです。脂質ではありませんが、メープルシロップを摂ることで、カリウムが摂れかつ良質な糖質からエネルギーを得られるので、カロリーの高い脂質を摂取することがなくなり、ダイエットにも効果的です。
氷をかじりたい原因
貧血の場合、氷を欲します。
レバーやきな粉、ココアがお勧め食材ですが、腸の状態が悪い場合が多いので、アミノ酸が摂れる、ボーンブロスや出汁をしっかり取ったお味噌汁を飲み、腸壁を整えましょう。
炭酸飲料を飲みたい原因
カルシウム不足になると炭酸飲料を飲みたくなりますが、炭酸飲料を飲むと更にカルシウム不足になる悪循環に陥ります。
そして、糖尿病の症状としても炭酸飲料を飲みたくなる症状がでますので、甘い炭酸飲料は飲まず、炭酸水を飲むようにしてください。サクラエビや小魚・大豆製品でカルシウムを摂取してください。
すっぱいものを食べたい原因
血液循環が悪い人は乳酸が溜まりやすいので、すっぱい物が食べたくなります。
疲労しやすいのです。梅干しやレモン・黒酢やリンゴ酢がおススメです。
コーヒーを飲みたい原因
コーヒーは、鉄分不足で疲労を感じやすい状態の時に飲みたくなります。
そして、カフェインは中毒性があるので、毎日飲みたくなります。コーヒーにはアロマ効果でリラックスしたり、心臓病や脳卒中を予防する・脂肪燃焼効果・大腸がんや肝臓がん予防などの健康効果が期待されますが、食後すぐに飲むと鉄分の吸収を阻害してしまうので、食後すぐに飲むのは控えましょう。
特定の商品を食べたい原因
食べ物と、記憶や感情の結びつきはとても強いです。
悲しい時に子供の時に好きだったお菓子を食べて癒されたり、ストレスを強く感じた時に、食べ物でストレスが発散された経験が一度あると、そのネガティブな感情になった時に、同じ食材や商品を食べたくなります。
一度感情と結びついてしまった食べ物を切り離すことは難しいですが、客観的に自分の感情を見ることで、「今は悲しいからこの食べ物を食べたと思っているんだな」と気づくことで、その食品を食べなくてもいい状態に心をもっていくことができます。
バランスよく食べる事が健康的な食事の基本にはなりますが、必要な栄養素は人それぞれ違います。猛烈に食べたくなるには、理由が必ずあるのです。
身体の声を聞いて食べたいものを食べる事はとてもいい事ですが、甘い物など過剰に食べすぎると健康を害するものを食べたくなる場合は、なぜ食べたくなるのかを観察し、生活習慣や食生活を変える事で、少しずつ減らすようにしていってください。