ピスタチオやナッツを食べるとニキビや太る原因になる?1日の適量とは
ダイエット中の間食の強い味方といえば、アーモンドやクルミなどのナッツ類が挙げられます。その中でも特に、香ばしくて噛みごたえがあり、満足度が高いのがピスタチオです。美味しくてついつい食べ過ぎてしまう人もいるかもしれませんが、ピスタチオの摂り過ぎは肌荒れの元凶となるとも言われています。
この記事ではピスタチオの美容と健康効果について解説します。1日に何粒まで食べてよいのか、食べ方、食べ過ぎるとどうなるのかなど、ピスタチオを適切に摂取し、あなたのキレイを底上げする方法をご紹介します。
ピスタチオに含まれる主な成分・栄養素は?
ピスタチオのカロリーや栄養素について気になるポイントを解説します。
ピスタチオ100gのカロリーは、617kcalと少し高めです。これは、ピスタチオの栄養の構成比の59%が脂質から成るからです。ただし、全体の半分以上を脂質が占めるのに対して、炭水化物は20%程度であるため、糖質制限中の人の間食にはおすすめの食材です。
他のナッツ類と比べると、マカダミアナッツ100g(いり・味付け)は720kcal、くるみ100g(いり)は674kcalのため、ナッツ類の中でピスタチオのカロリーは比較的控えめな方だと言えます。
ピスタチオ(いり・味付け)の栄養素
100gあたり | 1粒(0.5g)あたり | |
---|---|---|
エネルギー | 615kcal | 3.075kcal |
タンパク質 | 17.4g | 0.087g |
脂肪 | 56.1g | 0.2805g |
一価不飽和脂肪酸 | 30.92g | 0.1546g |
多価不飽和脂肪酸 | 16.42g | 0.0821g |
炭水化物 | 20.9g | 0.1045g |
食物繊維 | 9.2g | 0.046g |
ビタミンB2 | 0.24mg | 0.0012mg |
ビタミンB6 | 1.22mg | 0.0061mg |
βーカロテン | 120μg | 0.6μg |
カリウム | 970mg | 4.85mg |
鉄 | 3.0mg | 0.015mg |
銅 | 1.15mg | 0.00575mg |
さらに、ピスタチオの主な栄養素として、ビタミンB群、カリウム、食物繊維、不飽和脂肪酸、βカロテンなどが豊富に含まれます。これらはどれも、美容効果が期待できる栄養素です。
(文部科学省 2015年版日本食品標準成分表より)
ピスタチオなどのナッツ類を食べるとニキビができるの?
美容効果が期待できる栄養素を含むとはいえ、ピスタチオをはじめとするナッツ類の食べ過ぎは、肌トラブルを引き起こしたり、太りやすくなったりする可能性があります。それには、主に以下の2つの理由があります。
脂質の過剰摂取
ピスタチオの栄養素は、半分以上が脂質から成ります。そのおよそ60%は血液がサラサラになることで知られている良質な油であるオメガ9系脂肪酸(不飽和脂肪酸の一種)ですが、残りの40%は摂り過ぎ注意の油(飽和脂肪酸が10%、オメガ6系脂肪酸が30%)です。
ピスタチオを食べ過ぎると、コレステロールを増やしたり、体内での炎症を引き起こしたりする恐れがあるため、一度に食べ過ぎないようにすることが重要です。
塩分の過剰摂取
市販のピスタチオは「味付け」タイプのものが多く、ピスタチオ100g中、およそ270㎎ものナトリウムが含まれています。これは、食塩相当量に換算すると0.69gとなり、味噌大さじ2分の1を摂取するのと同量と言えます。
そのため、ピスタチオを食べ過ぎると塩分の過剰摂取になり、むくみを引き起こし、体重増加の原因になります。また、体内に水分を溜め込む反面、肌は乾燥状態になり、肌トラブルにつながります。
ピスタチオに限らず、どんな食材も「適量」を摂ることが大切だと言えます。
ピスタチオの最適な摂取量は?1日20粒が目安!
それでは、ピスタチオはどれくらいを目安に摂取したら良いのでしょうか。推奨されている間食のエネルギー量は、1日200kcalと言われています。
ピスタチオで考えるなら、殻付きで60gに相当しますが、先述した通り、脂質や塩分の含有量を考えると、その半量である30g(およそ100kcal)が好ましいと言えます。これはおよそ30粒に相当します。
ただし、ニキビや吹き出物の症状は人によって異なるため、摂取した量とその影響を振り返り、自身の中の適量を把握することが大切です。
栄養バランスを考えた時も、「ピスタチオだけ」を間食とするのではなく、ビタミン豊富なフルーツや腸内環境を整えるヨーグルトなど、他の食材と組み合わせることをおすすめします。
ピスタチオを食べることのメリット・デメリットは?適量を食べれば美容効果が期待できる!
適量のピスタチオを食べることで美容・健康効果が期待できますが、食べ過ぎによるデメリットもありますので、ここで詳しく解説します。
ピスタチオを食べるメリット
ピスタチオに含まれる栄養素別に、どんなメリットがあるのか見てみましょう。
- ビタミンB1…糖質のエネルギー代謝に必要不可欠で、疲労回復の効果がある
- ビタミンB2…脂質の代謝をサポートし、きれいな髪や肌をキープする
- ビタミンB6…たんぱく質の分解や合成がスムーズに行なわれ、自律神経を整える
- 食物繊維…便のかさを増やすと同時に、腸壁を刺激して便秘を予防・改善する
- ビタミンE…強い抗酸化力で細胞膜の酸化を防ぎ、老化を予防する
- カリウム…余分なナトリウムを排泄し、むくみ予防になる
- 不飽和脂肪酸…血液サラサラ効果のあるオメガ9系脂肪酸を含む
- ルテイン…抗酸化作用で、網膜を紫外線から守り、白内障の予防効果もある
- 鉄…月経のある女性は鉄が不足気味なので、意識して摂ることでめまいや頭痛を予防する
- 銅…鉄を運搬して、ヘモグロビンの生成をサポートする他、コラーゲンの合成も助ける
また、ピスタチオは、他のナッツ類と比べて桁違いに、βカロテンを多く含んでいます。
- βカロテン…体内でビタミンAに代わり皮膚や粘膜を健康に保つため、美肌効果がある
ピスタチオを食べるデメリット
ピスタチオを過剰に摂取すると、脂質と塩分の摂り過ぎになり、以下のような影響があります。
・脂質の影響
脂質の代謝が滞ることによる肌トラブルが考えられます。また、コレステロールや中性脂肪を増やす原因になります。
・塩分の影響
むくみによる血流悪化で肌トラブルを引き起こす可能性があります。また、高血圧や腎機能障害、胃がんのリスクが高まります。
メリットとデメリットを比較してみると、適量のピスタチオを摂取することで得られるメリットは多いため、やはり食べる量が大切だと言えます。
ピスタチオの効果的なおすすめの食べ方は?
ピスタチオは、適量を守れば体に良いということが分かりました。では、どのように食べれば適量を守れるのでしょうか。
食べ方に関して、他のナッツ類よりもおすすめな点が一つあります。それは「殻付きで売られていることが多い」ということです。
アーモンドやくるみ、カシューナッツなどと比べて殻を剥くのに手間がかかり、口に運ぶまでに時間がかかるため、量を食べなくても満足度が高くなる傾向にあります。また、初めから小皿に取り分けることで、自分がどれだけ摂取しているかを目視で実感できます。
よく噛んで食べることで満腹中枢も刺激されるため、「一粒、二粒…」と数えながら丁寧に食べるようにしましょう。他の食べ物もそうですが、スマホを触りながら、テレビを見ながらなどの「ながら食べ」は食べ過ぎに繋がります。
ぜひ、殻付きのピスタチオを小皿に取り分け、よく噛んで丁寧に味わってみてください。
ピスタチオを大量に食べると死んでしまう?死亡説には根拠がない!
巷で「ピスタチオを食べ過ぎると死亡する」という噂がありますが、これについて確固たる根拠は現在のところありません。
この噂の真偽について、ピスタチオはカリウムを豊富に含むため、腎臓に障害がある人が大量に食べた場合に、高カリウム血症(低血圧・不整脈など)になるリスクが考えられます。
また、輸入品のピスタチオナッツペーストから、発がん性を有するカビ毒が検出されたという事例があり、それがきっかけで死亡説の噂が広まった可能性もあります(これについて現在は検査の実施が義務付けられているようです)。
以上のことから、死亡説には根拠がありません。
適量のピスタチオを摂取し、皆様の美容と健康のお助け食材としてください。