米油のデメリットとは?揚げ物に最適?オリーブオイルや他の油と徹底比較!
油にはいろいろな種類があるだけに、どれを選んだら良いのか迷ってしまいますよね。
なかでも最近スーパーでよく目にするようになった“米油”は、健康に良いものなのか、どのような味でどんな料理に使ったら良いのか分からない人も多いのではないでしょうか。油は料理に欠かせないものだからこそ、選ぶなら健康と美容にも良いものを選びたいですよね。
そこで今回は、米油のメリットやデメリットだけでなく、気になる栄養素やおすすめの使い方などを紹介します。米油の購入に迷っている方や米油について知りたい!という方は、ぜひ参考にしてみてください。
米油とは?原料や製造方法をオリーブオイルや他の油と徹底比較
米油は「米」という文字が使われているだけに、白米から作られていると想像する人が多いのではないでしょうか。実は米油は白米ではなく「米ぬか」から抽出した油のことです。米ぬかは精米するときにできるもので、玄米の表層部分や胚芽であるため、精白米にはないビタミンやミネラルが含まれています。また、米ぬかには約20%の油が含まれているといわれています。
とはいえ、米ぬかから油を抽出するには手間がかかります。そのため、抽出方法は大きく分けて「圧搾抽出法」と「溶剤抽出法」の2種類があります。
●圧搾法
専用の機械を用いて油を抽出する方法です。米ぬかに圧力をかけて油を抽出します。
●溶剤抽出法
n-ヘキサン(ノルマルヘキサン)などの化学溶剤を使用して、油を抽出する方法です。n-ヘキサン(ノルマルヘキサン)は他の油を抽出する際にも使用されており、加熱処理を複数回にわたって行うため、商品として販売される段階では除去されています。そのため、過度に不安になる必要はないでしょう。
また「溶剤抽出法」は効率よく油を抽出することができるため、圧搾法で作られた米油よりもスーパーなどで手に入りやすく安価であるというメリットがあります。しかし、米油本来の栄養素は、圧搾法で作られたものと比べると損なわれてしまうというデメリットがあります。
米油と他の油の違いとは?
それでは、米油と他の油とでは、どのような違いがあるのでしょうか。
例えば、サラダ油は大豆や菜種などの原料を2つ以上混ぜ合わせて作られており、悪玉コレステロールの値を低下させる働きがあるといわれているリノール酸と抗酸化作用の働きがあるトコフェロールが含まれています。
それに対し、米油は米ぬか100%由来で作られています。米油にはリノール酸だけでなく、活性酸素を除去するポリフェノールや体内で酸化されにくいといわれているオレイン酸やアンチエイジング効果が期待できるビタミンEが豊富です。
そしてオリーブオイルは、オリーブの果実を原料にした植物油です。オリーブの実をすり潰してペースト状にしたものから油を抽出しています。栄養素はビタミンEとオレイン酸の他、皮膚や目の健康を維持するビタミンAなどが含まれています。
【米油に含まれる栄養素】
- オレイン酸
善玉コレステロールを減らすことなく悪玉コレステロール値を低下させる働きがあることに加えて、体内で酸化されにくいという特長があります。活性酸素を除去するポリフェノールも含まれています。 - リノール酸
血中コレステロール値を低下させて血管の硬化を防止する働きがありますが、摂りすぎると動脈硬化を進行させたりアレルギー疾患を引き起こすといわれています。 - ビタミンE活性酸
素から細胞膜を守るだけでなく、脂質の酸化を防いで細胞の老化を予防します。冷え性の改善にも効果的といわれています。 - トコトリエノール
抗酸化力が高いためスーパービタミンEともいわれ、自律神経を安定させたりガンや動脈硬化の予防力を高めたり、美肌効果も期待できます。 - γ-オリザノール(ガンマ-オリザノール)
米油特有の栄養素で、ポリフェノールの一種です。更年期障害や自律神経失調症、胃腸神経症などの改善効果が期待できます。また、年齢肌の悩みであるシワ、シミ、くすみも解消する働きがあるといわれています。
米油は体に悪い?メリット・デメリットを解説
結論からお伝えすると、米油を避けたほうが良いというほどのデメリットはないといえるでしょう。
一般的に油を抽出する際に使用される溶剤が危ないと思われているようですが、この溶剤は米油以外の油を抽出する際にも使用されているものであり、商品として販売されている段階では除去されています。溶剤が気になるという方は、圧搾法で作られた米油を選ぶことをおすすめします。
また、米油には、悪玉コレステロールが増加し、善玉コレステロールが減少するといわれているトランス脂肪酸が含まれていますが、これは米油以外の油にも含まれています。そのため、米油に限らず、過剰に摂取しないように気をつければ問題ないでしょう。
一方で、米油にはメリットもあります。一般的なサラダ油に比べると健康に良いとされる栄養素が豊富なだけでなく、酸化しにくい、味にクセがない等、様々なメリットがあります。
以下にメリットとデメリットをまとめたので、参考にしてください。
●メリット
- 一般的なサラダ油よりも栄養素を豊富に含んでいる
- クセがないため、いろいろな料理に使える
- 酸化しにくいため、調理してから時間がたってもおいしい
- 揚げ物がカラッと仕上がる
- ガンや生活習慣病の予防やアンチエイジング効果も期待できる栄養素が含まれている
●デメリット
- 溶剤抽出法では溶剤を使用する
- 溶剤抽出法で作られたものは、圧搾法に比べると米油の栄養素が損なわれる
- 値段が高い
- 圧搾法で作られたものはスーパーでは手に入りにくい
- 悪玉コレステロールが増加し、善玉コレステロールが減少するといわれているトランス脂肪酸が含まれている
米油を使っている人の口コミ・評判
筆者自身と友人、家族が米油を使用しているため、周りの人の米油に対する感想をまとめてみました。
「スーパーでよく見かけるので試しに使ってみたところ、クセがなく揚げ物にも炒め物にも使えて便利!パッケージにビタミンEが豊富と書いてあったので、アンチエイジングを期待して、これまで購入していたサラダ油をやめて米油をリピート買いしています」(A.Kさん)
「ドレッシングは手作り派の我が家。子どもがオリーブオイルで作ったドレッシングはクセがあるせいか嫌がるのでエゴマ油を使用していました。でも、エゴマ油は高価なので、試しに体に良さそうな米油でドレッシングを使ってみたところ、嫌がらずに食べてくれました。それ以降、米油でドレッシングを作るようになりました」(A.Mさん)
「なんとなくサラダ油で揚げ物を作るよりも、米油のほうがサクッと仕上がる感じがします」(E.I.さん)
米油は揚げ物に使用可能?おすすめの使い方・レシピをご紹介
こめ油は、熱に強く酸化しにくいだけでなく、揚げ物がカラッと仕上がるという特長があるため、唐揚げ、とんかつ、コロッケなどの揚げ物や野菜炒め等の加熱調理におすすめです。また、味にクセがないため、ドレッシング作りに利用したり、和食やお菓子作りにも利用したりすることができます。
- 米油を使った簡単和風ドレッシング
米油1:お好みのお酢1:醤油1/2:砂糖少々を混ぜます。または、ここにすりおろし玉ねぎを少し加えてもおいしいです。入れすぎると辛くなってしまうので、味見をしながらお好みの分量を入れてください。
米油の保存方法と賞味期限とは?
米油の保存方法は、他の油同様、劣化を防ぐために直射日光や気温が高い場所は避けて冷暗所に置いておくのがベストです。冷蔵庫に保存すると白く濁ることがあるため、常温保存がおすすめです。また、酸化を防ぐためにフタをきちんと閉めるようにしましょう。
ラベルに記載されている賞味期限は開封前の状態での期限であるため、開栓後は1〜2ヶ月以内に使用するようにしましょう。油の色が濃くなった、加熱時に変な臭いがする、ドロッとしているときは油が劣化したサインなので処分してください。
米油の正しい選び方とおすすめの商品3選!
米油を購入する前に、米油の正しい選び方を確認しておきましょう。ポイントは以下の3つです。
①圧搾法で製造されたもの
溶剤抽出法で作られたものよりも高価ですが、米油ならではの栄養素を摂取することができます。スーパーでは取り扱っていないことが多いですが、ネット通販で購入することができます。
②お米の産地をチェック
国産にこだわる方は、原料のお米が国産か外国産かチェックしましょう。
③成分含有量もチェック
米油に含まれている栄養素をしっかり摂取するためにも、購入する際は成分だけでなく成分含有量も確認しておくとよいでしょう。
①持留製油 カネモ 米油
価格:1,274円(税込)600g
味:油のニオイが少なくカラリと揚がります。
おすすめポイント:明治6年創業の持留製油。圧搾製法で無添加の一番搾りを搾油しています。
②べジタブルハート 築野 圧搾一番搾り
価格:1,296円(税込)600g
味:雑味がないため、マヨネーズやお菓子作りにも使えます。
おすすめポイント:「圧搾」のみで油分を搾って作っているため、原料の産地や製造過程にこだわりを持つ方におすすめです。
③三和油脂 コメーユ
価格:1,990円 (税込)450g
味:ほんのりお米の甘みを感じる優しい味わいです。クセがなく様々な用途に使えます。
おすすめポイント:国産原料の米ぬかをスチームを使用して搾油する圧搾製法です。
まとめ
本記事では、米油のメリットやデメリット、栄養素やおすすめの使い方について紹介してきました。
米油には健康にうれしい栄養素だけでなく、美肌やアンチエイジング効果も期待できる栄養素が含まれています。それらをしっかり摂り入れたいという方は、溶剤抽出法で作られた米油ではなく、圧搾法で作られたものを選ぶと良いでしょう。
また、加熱に強く酸化しにくい特長があるため、揚げ物をはじめ炒め物等の加熱調理におすすめですが、味にクセがないのでドレッシングやお菓子作り等、汎用的に使うことができます。それだけに日々の料理に取り入れやすく、子どもから大人までおいしくいただくことができます。「どの油にしよう…」と、迷っている方や既に米油を購入済みの方も、早速今日から料理に摂り入れて、おいしく健康&美容を手に入れてみませんか。