米粉と小麦粉はどっちが体に良い?米粉のデメリットとは?

米粉と小麦粉はどっちが体に良い?米粉のデメリットとは?

近年、グルテンフリーが注目されており、小麦粉の代わりに米粉を使った商品が多く販売されています。しかし、米粉を日頃から使うという方はまだまだ多くありません。健康に良さそうで気になるけど、小麦粉と何が違うの?どうやって使うの?と疑問に思うことも多いと思います。また、ダイエットの効果や米粉のメリット、デメリットも気になりますよね。

この記事では、米粉と小麦粉の違いや米粉の選び方について解説していきます。米粉を使った簡単レシピも紹介するので、ぜひ参考にしてみてください。

米粉と小麦粉はどっちが体に良い?それぞれの違いとは?

米粉と小麦粉はどっちが体に良い?それぞれの違いとは?
小麦粉と米粉の違いは、主に含まれるタンパク質です。小麦粉には、主にグルテニンとグリアニンという2種類のタンパク質が含まれます。これらに水を加えてよく捏ねるとグルテンが形成され、食品に粘り気や弾力を与える効果があります。一方で、米粉にはグルテンは含まれません。

小麦粉で作った食品は、グルテンの働きで膨らみやすくふわふわな食感になりますが、米粉の場合は、もちもちとした食感になり、できあがりに違いが現れます。

グルテンは食品を生成する上で重要な成分ですが、セリアック病(グルテンに対する自己免疫疾患で、小腸の粘膜が炎症を起こす病気)の患者やグルテン不耐症(グルテンを摂取することで消化器症状や精神症状を引き起こす)の方にとっては悪影響を及ぼします。また、食物アレルギーの原因となる可能性があります。そのため、小麦粉の代用品として米粉が活用されています。

栄養価について、米粉と小麦粉では必須アミノ酸の含有量が異なります。必須アミノ酸とは、人が体内で作ることのできない9種類のアミノ酸のことを指します。米粉は、小麦粉よりアミノ酸スコア(必須アミノ酸をバランスよく含んでいるかを表す指標)が優れており、栄養価は高いと言えます。

さらに、米粉と小麦粉では、油の吸収率にも違いがあります。米粉は小麦粉に比べると、油の吸収率が低く、天ぷらなどの揚げ物に使用するのもおすすめです。

これらのことから、小麦粉より米粉のほうが、体に優しいと感じる人が多いかもしれません。しかし、グルテンの体の悪影響についても、セリアック病の患者やグルテン不耐症、小麦粉アレルギーの方に限られており、そうでない人にとって悪影響を及ぼすかどうかの科学的根拠は乏しいのが現状です。

小麦粉に含まれるグルテンを過度に避ける必要はなく、小麦粉と米粉のメリットやデメリットを知って、自分らしく食事を楽しむことが大切ですね。

米粉は体に悪い?デメリットとは

米粉はヘルシーなイメージがありますが、炭水化物が多く含まれるため、エネルギー量や糖質の含有量は多くなります。これは、小麦粉とあまり変わりません。適量を守って、食べ過ぎには注意したい食品です。

米粉のデメリットは、グルテンが含まれていないため、小麦粉のように弾力やコシを出しにくい点が挙げられます。米粉パンのように小麦粉の代用品として使われることが多いですが、小麦粉より扱いが難しいことがあります。例えば、捏ねる際にまとめるのが大変だったり、完成しても乾燥しやすく長持ちしづらかったりします。

また、できあがりは米粉特有のもっちりとした食感になるため、小麦粉のふんわり感や食べやすさに慣れている方は、少し抵抗があるかもしれません。さらに、米粉は価格が高くスーパーでも取り扱いが少ないため、手に入りにくいです。頻繁に多く利用すると、経済的負担が大きくなってしまいます。

米粉のメリット・ダイエットに最適な理由とは

米粉のメリットは、小麦アレルギーの方や、グルテンを摂取すると体質的に悪影響がある方にとって、安心して食べられることです。また、必須アミノ酸が多く含まれており栄養価が高い点や、油の吸収率が低く揚げ物のカロリーを抑えられる点があげられます。

その他にも、γ-オリザノールという成分が含まれていることもポイントです。動物性脂肪(バターや脂身)を習慣的に多く食べ過ぎてしまうと、「もっと食べたい」と依存するようになることがわかっています。米粉に含まれるγ-オリザノールは、動物性脂肪への依存を緩和してくれる働きがあるため、食べ過ぎ防止につながります。

米粉の使い方・ダイエットレシピをご紹介

米粉は、ダマになりにくくふるいにかける必要がありません。前述のデメリットとして扱いが難しいと書きましたが、初心者でも簡単に取り入れやすい米粉レシピを紹介します。

米粉を使ったシチュー

米粉を使ったシチュー

[材料](2人前)

  • 鶏肉 …100g
  • じゃがいも…1/2個
  • にんじん…1/4本
  • たまねぎ…1/4個
  • コンソメ顆粒…小さじ1/2杯
  • 米粉…大さじ1
  • 水(米粉水溶き用)…大さじ2
  • 牛乳…大さじ2
  • 水…適量

[作り方]

  1. 鶏肉とベーコンは食べやすい大きさに切る
  2. 鍋に鶏肉を入れ火が通るまで炒め、野菜を入れる
  3. 2の鍋に材料がかぶるくらいの水を入れ、コンソメを入れて煮る
  4. 3の野菜に火が通ったら、水で解いた米粉と牛乳をよく混ぜて3に入れとろみがつくまで加熱しながら混ぜる

本来小麦粉で作るホワイトソースはバターを使いますが、この米粉を使ったレシピでは、バターを使う必要がないので、カロリーが抑えられます。また、簡単にとろみがつくため、手間も省けます。

鯵の南蛮漬け

鯵の南蛮漬け

[材料](2人前)

  • 鯵切り身…4枚(鯵…2尾)
  • 塩こしょう…適量
  • 米粉…大さじ2
  • 油…適量
  • にんじん…1/4本
  • たまねぎ…1/4個
  • ピーマン…1個
  • ★お酢…80cc
  • ★砂糖…大さじ2
  • ★醤油…大さじ2

[作り方]

  1. 小鯵はゼイゴ、内臓を取り除き、塩こしょうで下味をつける
  2. 野菜は千切りにする
  3. ★の調味料を合わせて、2をつけておく
  4. 鯵にまんべんなく米粉をまぶし、フライパンで揚げ焼きにする
  5. 熱いうちに2につけて、途中で上下をひっくり返しながら全体をつける
  6. 冷めて味がなじんだら完成

小麦粉に比べて油の吸収率が低い米粉を使うと、ヘルシーに仕上がります。

米粉のパンケーキ

米粉のパンケーキ

[材料](2人前)

  • 米粉…200g
  • ベーキングパウダー…小さじ2
  • 卵…2個
  • 砂糖…30g
  • 塩…ひとつまみ
  • 牛乳…200ml
  • サラダ油…大さじ1

[作り方]

  1. ボウルに卵、砂糖、塩を入れてよく混ぜる。
  2. 1に牛乳、サラダ油を加えてよく混ぜたら、米粉、ベーキングパウダーを加えて粉気がなくなるまで混ぜる。
  3. 熱したフライパンにサラダ油(分量外:適量)を引き、生地を流し入れ弱火で両面焼く。
  4. 器に盛り付け、お好みでバターやシロップをかけて完成。

米粉の選び方

米粉には色々な種類があります。生のもち米で作られた「白玉粉」や「もち粉」、生のうるち米を製粉した「上新粉」、両方を混ぜた「だんご粉」、糊化した米粉である「道明寺粉」や「寒梅粉」とあり、古くから和菓子の材料として親しまれてきました。近年、製粉技術が進んだことで米を細かく粉砕できるようになり、洋菓子やパンづくりなど用途が大幅に広がっています。

米粉は、でんぷんのアミロース含有率によって膨らみやすさや軟らかさなどが異なります。そこで、米粉の用途に合わせて種類を選べるように「1番:菓子・料理用」、「2番:パン用」、「3番:麺用」のように分類・表示されているので、使用する料理やお菓子に合わせて選びやすくなっています。

注意しなければならないのは、米粉でも、用途によって一部にグルテンが添加されていることがあるということです。「2番」「3番」は、18~20%のグルテンが添加されています。

米粉はすべてグルテンフリーと思われがちですが、米粉製品であっても小麦粉が含まれていたり、グルテンを添加しているものもあります。そのため、小麦粉アレルギーやグルテンが悪影響を及ぼしてしまう体質の人にとっては、注意が必要です。

市販・通販で買えるおすすめの米粉商品をご紹介

こちらでは、おすすめの米粉商品をご紹介します。

【米粉】ミズホチカラ

米粉100パーセントで、パンやお菓子などにも安定して使いやすく失敗しづらい商品です。九州の肥沃な大地で育ったお米「ミズホチカラ」を使用。パンのコシが折れにくいです。みずみずしくしっとりとした食感で、やさしい甘さを感じる米粉パンがつくれます。富澤商店で販売しています。

【米粉】ふんわり米粉

九州の豊かな自然とおいしい水で育まれた九州産米ミズホチカラ100%使用。お米本来の美味しさを楽しめます。硬いお米をより細かく粉砕する独自製粉技術「ふんわり微粉末製法」で、きめ細かい米粉にしてあるので、キメが細かくボリュームのあるふんわり食感のお菓子を作ることができます。


【米粉パン】米粉のブール

ふんわりとした食感と米粉特有のもっちり食感の両方を兼ね備えているソフトフランスパンです。米の香りや甘みも感じられます。穀類中に米粉を16%使用。原材料に小麦粉も含まれますので、小麦アレルギーの方は注意が必要です。スーパーで販売しています。

まとめ

本記事では、米粉と小麦粉の違いや米粉の選び方、メリット・デメリットについて解説してきました。レシピでも紹介したように、とろみをつけやすかったり揚げ物の衣にしたり、簡単に料理に取り入れることもできます。

米粉はグルテンが含まれないので、グルテンが気になる体質の方は、小麦粉の代わりに取り入れてみるのも良いですね。しかし、小麦粉が体に悪い・米粉が体に良いということではありません。カロリーや糖質量は小麦粉と変わらず多く含まれるため、適量を守ってバランスの良い食事を意識することが大切です。メリットやデメリットを理解して、自分にあった食生活を楽しめるといいですね。

nana
牧 咲
管理栄養士 / 食事健康系ライター / 離乳食アドバイザー