
ワセリンは毛穴詰まりに効果的?いちご鼻や角栓への効果と悪化させない正しい方法
肌のザラつきや黒ずみが気になると、つい強い毛穴ケアに頼りたくなりますよね。しかし刺激の強い方法は、かえって角栓を増やし、いちご鼻を悪化させる恐れがあります。
そこで注目されているのが、ドラッグストアでも手に入りやすい「ワセリン」です。保湿剤として知られるワセリンは、毛穴詰まりのケアに役立つのでしょうか。
この記事では、毛穴詰まりの原因と種類を整理しつつ、ワセリンの働きと正しい使い方、肌質別の選び方を詳しく解説します。綿棒やホットタオルを使った簡単に自宅のアイテムでケアできる手順、市販パックとの比較、アレルギーへの注意点など、ぜひ参考にしてください。
どうして毛穴は詰まるの?毛穴詰まりの種類やその影響を解説
皮脂や古い角質、メイク汚れが毛穴に蓄積すると、栓のように固まって「角栓」を形成してしまうことがあります。角栓ができると表面に黒ずみや凹凸が現れやすくなります。
そんな角栓を形成してしまう毛穴詰まりの考えられる主な原因は以下になります。
- マスクによる蒸れと摩擦
- 過剰な皮脂分泌
- ターンオーバー低下による古い角質の蓄積
- メイク残りや空気中の汚れ
- 乾燥やバリア機能の低下
- 不規則な生活習慣やストレス
- 空調や紫外線などの環境要因
上記のような理由で毛穴が詰まると、酸化した角栓が黒く変色し、いちご鼻のように気になる原因になってしまいます。また、毛穴詰まりから炎症が起こればニキビを誘発し、肌表面もザラつくため化粧ノリが悪化するなど、多方面でトラブルを招きます。
そのため、原因を理解して引き起こさないように日頃から意識をしていくことが大切です。
毛穴詰まりによる黒ずみ
毛穴の内部に皮脂と角質が層状に堆積しているため硬く抜けにくく、放置すると毛穴の開きを固定してしまいます。そのような角栓が毛穴につまることが原因で、毛穴がどんどん詰まっていってしまいます。
毛穴の詰まりを放置をしてしまうと角栓表面の皮脂がどんどん酸化し、黒く変色してしまいます。さらにメラニン沈着も加わると、洗顔後も黒い点が残りやすくなるので注意が必要です。早めに毛穴の詰まりを改善していくことが大切です。
毛穴詰まりによるニキビ
毛穴に角栓が詰まることで起こりやすいのがニキビです。詰まった毛穴の角栓は、炎症を起こしやすくなります。その後炎症が進むとニキビへと悪化してしまうことも。適切で早めのケアが必要になります。
ワセリンは毛穴詰まりに効果的?そのメリットデメリットも紹介
毛穴の詰まりの対処法として挙げられるのがワセリンです。
ワセリンとは、石油を高精製して得られる「炭化水素」の混合物です。肌表面に薄い油膜を形成し、水分蒸発を防ぐ「閉塞(へいそく)効果」で高い保湿力を発揮します。
ワセリンが毛穴詰まりに効果があるのか、メリットデメリットを紹介します。
ワセリンが毛穴詰まりに効果的な理由
- 油膜で角栓を柔らかくし、浮き上がりやすくする
- 水分保持により角質をふやかし、除去をサポートする
- 刺激が少なく、バリア機能の回復を助ける
ワセリンを使用するメリット
- 低刺激で年齢や肌質を問わず使いやすい
- 薬局で入手しやすくコストも低め
- 保湿と毛穴ケアを同時に行える
デメリット
- 油分が多いため、洗い流しが不十分だと逆に詰まりを助長する
- 精製度が低い製品は不純物による刺激が起きやすい
- 塗りすぎるとテカリや化粧崩れの原因になる
上記のようにワセリンは保湿力で毛穴のケアを行い、メリットデメリットもあることを理解していきましょう。
いちご鼻を治したい人必見!ワセリンを使ったケア方法の手順
いちご鼻の対策をするために、実際にワセリンを使ったケア方法を紹介していきます。
用意するもの
- 白色ワセリン以上の高精製ワセリン
- 綿棒
- ラップ
- ホットタオル(40℃前後)
- ティッシュまたはコットン
手順
- 洗顔で肌を清潔にします。
ぬるま湯で顔を濡らし、泡で包み込むように優しく洗います。
洗顔後はタオルで押さえるように水気を取ります。 - ワセリンを塗布します。
綿棒に米粒大を取り、鼻やTゾーンなど毛穴が気になる部分に薄く伸ばします。 - ラップとホットタオルでパックします。
塗布部分にラップを重ね、上からホットタオルを3〜5分置きます。
熱と蒸気で角栓が柔らかくなり、浮き上がりやすくなります。 - 優しく拭き取ります。
ラップを外し、ティッシュでワセリンと浮いた汚れをやさしく絡め取ります。 - クレンジングと洗顔で仕上げます。
ミルクタイプのクレンジングで残った油分を溶かし、泡洗顔で丁寧にすすぎます。 - 保湿ケアを行います。
化粧水で水分を補給し、乳液やクリームで油分をバランス良く与えます。
このようにワセリンのケアは、手軽に簡単に、いつものスキンケアルーティンにも取り入れやすいので、ぜひお試し下さい。
ワセリンを塗るベストなタイミングと頻度
ワセリンを塗るのによいタイミングは、毛穴が開いている入浴後です。
週1~2回から始め、肌の様子を見ながら調整しましょう。
ワセリンパックは後悔する?注意点とクレンジング方法
ワセリンパックは「浮かせて落とす」ケアの一種です。
長時間の放置や洗浄不足は逆効果になるため、必ず5分以内にとどめ、クレンジングと泡洗顔で完全に落としてください。
ワセリンクレンジングは、メイクとなじませた後にぬるま湯で乳化しながら落とすと、負担を抑えられます。
摩擦を避け、最後に保湿を徹底することがポイントです。
毛穴詰まりを悪化させないワセリンの種類を肌別にご紹介
ワセリンを使用することで逆効果にならないように、それぞれの種類やお肌別におすすめの使用方法などもご紹介していきます。
【肌質別】おすすめのワセリン
- 脂性肌の方
皮脂量が多い肌に厚い油膜を重ねると、毛穴がふさがりやすく角栓が増える恐れがあります。
伸びが良く薄く塗れる「白色ワセリン」を選び、量を米粒大にとどめてください。 - 敏感肌・ゆらぎ肌の方
不純物に反応しやすく、刺激で赤みやかゆみが出る場合があります。
白色ワセリンより精製度の高い「プロペト」が安全性に優れ、肌荒れ時でも使いやすいです。 - 乾燥肌・アトピー肌の方
バリア機能が低下しているため、極力不純物を排除した製品でないと刺激になることがあります。
最高精製の「サンホワイト」は不純物をほぼ除去しているため、かゆみや赤みが起こりにくく保護力も高いです。 - ニキビ肌の方
炎症がある部分に厚い油膜を重ねると、アクネ菌が繁殖しやすくなります。
塗布量を最小限にし、医師の治療と併用する場合は使用可否を確認してください。
ワセリンの種類と特徴
- 黄色ワセリン
最も精製度が低く不純物を多く含み、主に工業用やひじ・かかとなど硬い部位の保湿向け。
顔や敏感な部位には不向きです。 - 白色ワセリン
黄色ワセリンより精製度が高く不純物が少ないため、一般的なスキンケアに広く使用されます。
赤ちゃんや敏感肌の方にも比較的安心です。 - プロペト
白色ワセリンよりさらに精製度が高く、医療現場でも用いられます。目元や唇などデリケートな部位の保湿に最適です。 - サンホワイト
ワセリンの中でも不純物や酸化物質をほぼ除去しているため、極度に敏感な肌やアレルギーが心配な方に推奨されます。価格は高めですが安全性が際立ちます。
ワセリンの選び方のポイント
- 敏感肌の方には白色ワセリン以上の精製度(プロペト・サンホワイトなど)がおすすめです。
- コストを抑えたい場合
白色ワセリンは手頃で入手しやすく、日常的な保湿に十分役立ちます。 - 部位や目的に合わせて使い分け
硬い皮膚の保湿には黄色ワセリン、顔やデリケートゾーンにはプロペトやサンホワイトを選ぶと安心です。
肌状態や使用部位に合った精製度を選び、塗布は「薄く・短時間」で行うことが、毛穴詰まりを悪化させずにワセリンの保湿効果を最大限に生かすコツです。
綿棒を使用したケアについて
綿棒でワセリンを使用する方法についても紹介していきます。
まず綿棒にワセリンを取り、角栓の出口部分をくるりとなぞると、油分が汚れを絡め取りやすくなります。
強く塗り込むと毛穴を傷つけるため、必ずソフトタッチで1~2回にとどめましょう。
汚れが付着した綿棒は都度交換してください。
毛穴ケアでやってはいけないポイントと正しい方法
その他毛穴のケアでやってはいけないポイントと正しい方法も押さえておきましょう。以下を参考に、毛穴のケアは十分注意して行ってください
- 角栓を無理やり押し出す
爪や器具の圧力で皮膚が裂け、炎症や色素沈着を招く可能性があります。 - ゴシゴシ洗顔や過度なスクラブをする
バリア機能が壊れ、皮脂分泌がさらに活発になる可能性があります。 - 毛穴パックのやりすぎには注意!
角質を剥がしすぎて乾燥を招き、逆に皮脂が増えてしまうことも。 - 熱いお湯での洗顔は避けましょう
必要な皮脂まで溶け出し、乾燥と過剰分泌を繰り返します。 - 頻繁なピーリングに注意!
肌刺激で赤みやかゆみが出やすくなり、長期的に炎症を残す恐れがあります。
上記のことに注意をして、以下のような正しいケア方法を実践していただくのがおすすめです。
- 洗顔時は人肌くらいのぬるま湯でゴシゴシ擦らない
- 素早く適切な保湿を行い、乾燥を防ぐことにより皮脂過剰を防ぐ
- トラブルが続く場合は、皮膚科医や専門家に相談する
正しいケアを行い、毛穴のトラブルを引き起こさないように注意しましょう。
ワセリンによるアレルギー反応の注意点
もしワセリンを使用する際にアレルギー反応がでないか心配な時は事前にパッチテストなどを行うこともおすすめです。念のため二の腕でパッチテストを行い、24時間後に赤みやかゆみがないか確認しましょう。異常が出た場合は使用を中止し、医師に相談してください。
精製度の高いプロペトやサンホワイトを選ぶと、アレルギー発生率を抑えられる可能性が高くなります。
内外から美肌を目指す-自宅で始められる肌ケア-
毛穴が詰まってからではなく、事前に内側からのケアを行い、毛穴がつまらないよう予防していくことも大切です。
例えば週1回の酵素洗顔や、低濃度AHA配合美容液でのマイルドピーリングは、不要な角質を穏やかに除去します。
肌断食で始める外側ケア
週末だけ洗顔後にワセリンのみを薄く塗り、化粧水の使用を控える方法があります。
刺激を極限まで減らし、バリア機能を再構築する手助けになります。
食生活で始める内側ケア
ビタミンB群・C・E、亜鉛、オメガ3脂肪酸を意識すると皮脂バランスが整います。
水分は1日1.5~2Lを目安に補給しましょう。
おすすめのスキンケア商品を比較
そんな肌ケアを簡単に保つためのおすすめのスキンケアもご紹介していきます。
市販の毛穴ケアアイテム3選
1.ファンケル ディープクリア洗顔パウダー
酵素と炭が角栓まわりのタンパク汚れを分解し、ザラつきを穏やかにオフします。ワセリンケアの前日に使うと、角栓がさらに軟化しやすくなります。
2.ロゼット 洗顔パスタ 海泥スムース
ミネラル豊富な海泥が余分な皮脂を吸着し、毛穴の黒ずみを目立ちにくくします。入浴後にクレイで汚れを吸い取ってからワセリンパックを行うと、浮き上がった角栓が落ちやすくなります。
3.ソフィーナ iP ポア クリアリング ジェルウォッシュ
炭酸泡が詰まりをほぐしつつ血行を促進します。ワセリンを塗る三十分前に使用すると、毛穴まわりが温まり効果が高まります。
市販の毛穴パックとワセリンを使った毛穴ケアの違い
市販の毛穴パックとワセリンを使った毛穴ケアの違いを紹介します。
毛穴パック
シートや塗布剤で角栓を物理的に引き抜くため即効性が高い一方、刺激が強く乾燥や赤みを招きやすいです。週1回以内にとどめ、使用後は低刺激化粧水で鎮静しましょう。
ワセリンケア
油膜で角栓を柔らかくし浮かせる方法なので肌負担が少なく、敏感期でも取り入れやすいです。ただし効果は穏やかで複数回の継続が必要になります。
毛穴パックとワセリンを組み合わせて使う際のポイント
- 毛穴パックを使う週はワセリンパックを休み、刺激を分散させる。
- 酵素洗顔やクレイマスクで汚れを取り除いた翌日にワセリンパックを行うと、角栓が抜けやすくなり黒ずみを防ぎやすい。
- どちらのケア後も化粧水とセラミド系乳液で十分に保湿し、バリア機能を守る。
即効性を求める日は毛穴パック、肌を休ませながらじっくり改善したい日はワセリンパックというように、目的と肌状態に合わせて使い分けると毛穴トラブルを悪化させずに済みます。
ワセリンとスキンケア商品の組み合わせ方
酵素洗顔や炭酸泡洗顔で汚れを落とした後にワセリンパックを行うと、角栓除去率が上がります。
仕上げはセラミド配合化粧水で水分を補い、乳液で油水分バランスを整えましょう。
ワセリンで他の肌トラブルも改善できる?
ワセリンは毛穴ケア以外にも、高精製ワセリンはアトピーの保湿療法にも用いられ、乾燥によるかゆみを緩和します。唇の荒れ、手荒れ、小じわ予防など多目的に使える点も魅力です。
まとめ
毛穴詰まりの大きな要因は、角栓が考えられます。ワセリンは油膜で角栓を柔らかくし、浮かせやすくする可能性もあるため、適切に用いれば、いちご鼻を目立ちにくくするケアの一助になるでしょう。
ポイントは「高精製タイプを選ぶ」「薄く塗る」「5分以内に落とす」の3つです。
週1~2回のケアを続け、保湿と生活習慣を見直せば、滑らかな毛穴レス肌に近づけます。
自己流のケア方法で悪化した場合は、迷わず専門家に相談しましょう。
この記事を書いた人(執筆者情報)

小笠原 彩 – メイクアップアーティスト/美容家/美容ライター
英国、NYを中心に、ショー、雑誌、広告など国内外世界トップの現場でメイクアップアーティストとして20年以上活動。世界の流行を生み出すショーや雑誌に携わり、様々な講演、ハリウッドでのテレビ出演なども行う。
現在は美容プロデュース会社を立ち上げ、講座、講演、執筆、企業との商品開発、全国100店舗のアイブロウサロン技術監修など幅広く活動している。
この記事を監修した人(監修者情報)

美容家ドットコム編集部 – 監修者
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本記事は、美容家ドットコム編集部が専門家と協力し、内容を精査・監修のうえ執筆されています。