快適な生理生活を送るために
女性のからだは、子どもを生む、生まないに関係なく、生命のもとをもっています。とても神秘的だと思いませんか?
受精した時、育てて生む準備が、女性のからだのなかでは自然とできているのです。
生理を観察することで、健康チェックもできます。
初潮から閉経まで
日本人の平均的な閉経年齢は、50歳といわれています。これはあくまで平均なので、下は38歳から上は60代までとのデータもあるようです。
たいてい初潮から35年間くらい、毎月の生理と付き合うことになるようですが、妊娠や出産などで、個人差があります。
毎月、5日間は生理期間とすると、なんと、生涯で2,000日以上。約6年は、月経と付き合うことになるのです。
生理の仕組みとサイクルを理解して、うまく生理と付き合っていくと、憂鬱になる事なく、すんなりと過ごすことができます。
生理によって体が守られている
女性は生まれたときから、卵巣の中に赤ちゃんをつくるために必要な卵子の元を持っています。そして、思春期になって、赤ちゃんができる体に成熟すると、学校でも習っていると思いますが、女性ホルモンの働きにより一定のサイクルで、卵子が、ひとつずつ排出されるようになります。
卵子を卵管がキャッチして、子宮へ送り込みます。これが排卵です。同じころ、卵巣の出すホルモンの働きで子宮のかべが厚くなっています。これが赤ちゃんのベッドと呼ばれる部分ですね。卵子が精子と出会えば受精卵として、子宮にとどまりますが、受精しなければ卵子はまもなく消えて、子宮のかべがくずれて外にでていくのです。これが月経血で、いわゆる生理です。
血液とよく似ていますが、子宮の壁の組織がまじっているため、純粋の血液とは違います。
思春期のときの学習を曖昧にしていても、毎月、自分の体でおこっていることを感覚的にとらえているかと思いますが、このあたり正しい理解になっていたでしょうか。
意識してみると、自分の体が愛おしくなるものです。
PMS(月経前症候群)
生理前がつらいという方、月経前症候群という言葉はご存じですか?
生理がはじまって2~3日目ごろがピークの生理痛(月経困難症)とは異なり、生理が始まる3~10日くらい前から起こるものです。
Pre Menstrual Syndromeの略で、不快な症状が繰り返し3ヵ月以上続き、しかも日常生活に差し支えるほど症状がひどい場合に、月経前症候群と診断されます。
<PMSの症状例>
乳房が張る、乳房が痛む、眠気が強くなる、肌が荒れる、食欲が増す、体重が増える、体がむくむ、冷える、頭痛、腰痛、下腹部痛、…身体的不調だけでなく、イライラする、怒りっぽくなる、パニックになる、涙もろくなる、集中力がなくなる、憂鬱な気分になるなど精神的にも悩ましい症状があります。
これは、生理周期も卵巣機能も正常な人でも起こります。日本人のように完璧主義で几帳面な方は、このPMSになりやすいといわれています。
生理中も快適に過ごすために
誰しも、一度や二度、また毎月、PMSだったり、生理痛、更年期障害、このなかの症状に悩まされた経験があるのではないでしょうか?
生理にまつわる、これらの問題が解消されれば、毎月の不安もなくなると思います。解決策の一つに、食事を見直すという、いたってシンプルな方法があります。
生理の不快を食事で解決
生理との付き合いに限ったことではありませんが、栄養バランスのとれた食事で、ビタミン・ミネラルをしっかり摂取することが大切です。
食べたもので、私たちの体は作られ、整えられていきます。
とくに生理での不調な症状が重いとき、急に症状が重くなったときは、子宮内膜症などの病気がかくれている場合もあるので、そんなときはすぐに婦人科を受診しましょう。
最近では、生理痛のようにPMSにも対応した薬もあります。
骨がスカスカになる骨粗鬆症を防ぐためにも、さきに挙げたようなバランスのとれた食事のほか、適度な運動も取り入れてみてください。
閉経は女の第二の人生の始まり
平均寿命が延びたことにより、私たちの親や祖父世代には、人生の後半であった閉経も、今では、まだ折り返しの年齢でもあります。つまり、ここからまた女の第二の人生が始まるのです。
更年期と言うと、女の終わりとか、辛い症状が待っている、といったようなマイナスなイメージがあります。まだ生理がある時に、バランスの取れた食生活、運動、睡眠など健康的な生活をしていると、閉経や更年期もすんなりと迎える事ができます。