アミノ酸グリシンが睡眠に効果的!おすすめサプリメントは?
そもそもアミノ酸グリシンとは?
アミノ酸の1つであるグリシン自体は、1,800年代にヨーロッパで発見されて以来、食品の素材として広く使われてきました。
人間の体内でも生成されており、実はコラーゲンの1/3を占めるほか、髪の毛や爪の主成分であるケラチンのもとになります。人間の美を保つためにも、非常に重要なアミノ酸です。
食品として使う場合の目的は食品の調味料や日持ちを良くするためで、食品添加物の1つに数えられます。
ただ日持ちを良くすると言っても、保存料として知られる食品添加物ほど効果が高くはなく、単体で使われてもそれほど日持ちを伸ばしたりはしませんが、細菌の増殖を抑えてくれます。
もともと自然な甘みやうま味、味の塩辛さや酸っぱさをやわらげマイルドにする性質を持っているため、食品添加物には使いやすいアミノ酸です。
また栄養補助として点滴に使うほか、胃腸の中でpHを一定に保ち、胃液の酸性度を和らげる効果を発揮します。
一部の工業製品では洗浄剤に活用されたり、ペットフード、肥料など、私たちの生活に広くかかわっています。
グリシンは睡眠を改善させる?味の素の研究結果とは?
グリシンが睡眠の質・睡眠量を改善させることを味の素が発見し、そして発表したのは2007年11月の第32回日本睡眠学会です。
グリシンを飲むと、血液中のグリシン濃度が上昇し、次に脳脊髄液の中の濃度も上昇します。
そしてグリシンは脳内にあるSCN(視交叉上核)という体内時計をつかさどる場所に作用し、神経伝達物質として働きます。
すると体の皮膚表面を流れる血液量が増え、体から熱を放出するのを促素とともに、セロトニンの量を上昇させ、正しい眠気をもたらすとされます。
人間の体は眠気を感じ、ぐっすりと眠る際には「深部体温」と呼ばれる体の体内の温度が下がることが大きな条件です。
たとえば冷え性の人や自律神経のバランスが崩れている人がなかなか眠れないのは、体から熱を放出しにくく、深部体温が下がりにくいためです。
この作用から、グリシンは「体を休息状態に導きやすくする効果がある」と、考えられています。
またラットで行われたノンレム睡眠(深い睡眠)における脳波周波数の解析では、覚醒する回数が減少してノンレム睡眠の量が増えたという結果が報告されています。
ただまだ「睡眠の質が示唆されている」という段階で、睡眠時間の伸びは効果に認められていません。
「眠りやすくしたい」「目覚めをスムーズにしたい」という人にとっては嬉しい効果ですが「長く眠りたい」という人にとってはまた違うアプローチが必要になるかもしれません。
グリシンの効果発見の経緯
この研究が始まったのは、他のアミノ酸に対しヒトによる効果確認試験として、そのアミノ酸と比較するための実験群にグリシンを使用したことがきっかけであるとされます。
薬やアミノ酸など、効果を確認する際、比較対象が必要です。何も飲まない場合「飲んでいない」という理由で何か別の効果が現れるかもしれません。
そこで実験の時には、薬の中身だけ違う、という条件にするためにプラセボという比較対象とできる全く害のない食品などを用意します。
この比較対象に、グリシンはとても最適でした。構造自体最も簡単なアミノ酸で、体の機能への影響が少なかったためです。
しかしグリシンを飲んだ社内ボランティアから「試験期間の間目覚めが良く、ぐっすり眠れた。自分が摂取していたものは何か?」という問い合わせがありました。
研究員はこれを聞いて自主的に摂取したところ、再現性、つまり同じように「目覚めが良く、ぐっすり眠れた」ことを実感し、グリシンが眠りに及ぼす効果について研究が行われるようになりました。
グリシンは食事から摂取することは可能?摂取目安を解説!
グリシンはアミノ酸の1種ですから、食事から摂ることも可能です。
特にクルマエビなど、甲殻類に非常に多く含まれています。たとえば味の素が販売しているグリナは1袋当たりグリシン3,000mgが配合されていますが、実はクルマエビおよそ200gにも同じ量が含まれます。
またホタテや牛筋、鶏の軟骨にも豊富とされており、特にゼラチン質の部分にたっぷりと含まれています。
貝類にも非常に豊富で、100gあたりアサリなら640mg、カキは540mg、ハマグリは510mgと非常に多く摂れます。
味の素の研究結果をもとに、睡眠目的で摂る際には1日当たり3,000mgが良いとされています。
ただ私たちは毎日の生活の中でタンパク質を摂るほか、グリシンを保存料として使った食品などを食べる機会があるため、実は意外とグリシンを摂取していることが指摘されています。
通常食品に含まれる量を摂る場合は安全性が確保されているとされますが、サプリメントで大量に飲んだ場合は吐き気や嘔吐、胃のムカムカとした不快感、鎮静効果などがみられます。
いくら眠くなりたいからといって、サプリメントの摂りすぎはしないようにしましょう。
妊婦や授乳婦、子供の使用は?
妊婦や授乳婦、子供に対しグリシンサプリメントを使うことは避けた方が良いでしょう。
デリケートな状態である妊婦や授乳婦にどんな効果が表れるか分からないこと、そして子供の場合は3,000mgは多すぎる可能性があるためです。
「でも食品にも含まれているのだから、摂取自体は避けられないのでは?」と思う人もいるでしょう。
通常、食品に含まれている量を摂る分には安全であるとされています。しかしサプリメントは、例えるなら3回の食事で少しずつとるはずの栄養素を、1度に全て飲み干すようなものです。
サプリメントでグリシンを補給した場合、一気に体の中でグリシンの濃度が高まるため、何か副作用が起きる可能性は十分にありますし、何より眠気が起きる可能性があります。
また睡眠薬や抗不安薬と併用することで眠気が強まり、日中も継続する恐れがあります。
統合失調症の治療薬であるクロザピンとともに、1日当たり30g近くを併用したことで症状が悪化したという報告があることから、併用摂取は避けた方が良いとされます。
おすすめのグリシンサプリメント2選!
それでは初めて試すという人向けとコスパの2点から、おすすめのグリシンサプリメントを紹介します。
初めて試すなら、ファイン グリシン3000&テアニン200 ふんわりラムネ風味
グリシン3000mg、L-テアニン200mgと、それぞれ眠りの質を高めてくれるアミノ酸成分が配合されたサプリメントです。
量的にもグリナと同様で、さらにテアニンも合わせて摂れて水なしでも飲めるため、初めて試してみようと考える人にはお手軽な商品です。
口コミ
・リラックス効果があります
・まあまあ満足
・寝つきをスムーズにしてくれる
コスパ重視なら、リッチパウダー 国産原料、国内生産のグリシン1kg
味の素のグリナとほとんど同じ成分量と原材料でありながら、価格が非常に安いとして人気のある商品です。
グリシン単体であるため、自分で測る手間がかかります。
3,100mgのグリシンが1袋に収まっている、粉末タイプのサプリメントもあります。90包3か月分で3,000円以下と、こちらもコスパを最重視する人にはおすすめです。
口コミ
・寝起きのだるさがない
・不快な症状もない
・植物由来とかこだわる人には向かないかも