生理前に食欲が止まらない理由は?何日前から?対策も解説!

生理前に食欲が止まらない理由は?何日前から?対策も解説!

「甘いものやスナック菓子が、無性に食べたくて食べたくて仕方がない」
「さっきご飯を食べたばかりなのに、何だかおなかが空いてしまった……」
 
このように、生理前の過食がひどい、食欲が止まらないと、悩んでいる女性は多いです。
 
実は、女性の身体は意思とは関係なく、生理前は過食気味になるのです。「食欲が止まらない」つらい症状は、あなたのせいではないのです。
 
今回は、生理前の食欲増進はなぜ起こるのか、食事や運動で気をつけるべきポイント、過食気味になってしまうときの対応策までご紹介します。
 

生理前に食欲が止まらない原因とは?PMSのひとつ?

食欲が止まらない原因の1つは、ホルモンバランスの乱れです。その中でも、プロゲステロン(黄体ホルモン)と呼ばれる、妊娠を維持しようとする女性ホルモンの変動によるものと言われています。

プロゲステロンが生理前に増加することにより、インスリン(血糖値を下げるホルモン)の効きが悪くなります。その結果、体がインスリンを大量に分泌し、血糖値が下がってしまうことが原因と考えられています。
 
血糖値が下がりすぎた身体は、慌てて血糖値を上げようとするため、甘いものが欲しくなったり、空腹を感じるようになったりと、過食が止まらない症状につながります。
 
また、生理前に過食気味になることは、PMS(月経前症候群)の一種とも言われています。PMSとは、生理が始まる前の3~10日ほど続く心身の不調のことで、生理が始まると改善されます。
 
ほとんど気にならない程度のものから、道で倒れ込むほど痛みが強いものまで、PMSの症状には個人差があります。毎月の生理開始前に、日常生活に支障をきたす症状が出てくるようであれば、PMSだと思ってよいでしょう。
 
PMSの種類には他にも、感情の起伏・イライラ・集中力の低下といった精神的な症状と、頭痛やめまい・乳房のハリや痛み・そして食欲の高まりといった身体的な症状が挙げられます。
 

生理前の食欲増進は何日前から始まる?我慢した方が良い?

生理前の食欲増進は何日前から始まる?我慢した方が良い?
PMSにより食欲が増す期間は、生理14日前~生理開始後4日までと言われています。この期間は排卵後になり、エネルギーの消費量が通常より多くなりがちです。
 
さらに、生理前の女性の身体は、妊娠に備えて栄養や水分を体に蓄えようとするため、足りない栄養素を身体に取り入れようと、過食気味になってしまいます。
 
では、生理前は食べることを我慢するべきなのでしょうか。
「生理前は食欲が増して、今日も食べ過ぎてしまった……」そう自覚したときこそ、普段から食べている食べ物や、食べ方に向き合えるチャンスでもあります。
 
イライラしたときに、ついついスナック菓子に手が伸びる。このように、食べ過ぎてしまったタイミングを記録することで、自分がどういう時に食べ過ぎてしまうのか、その傾向を把握するのもよいでしょう。
 
我慢したことで逆に食べ過ぎてしまうのなら「生理前のこの期間だけ」だと思って、無理に食欲を抑え込もうとせずに割り切ることも大切かもしれません。イライラしないよう、意識的にリラックスする時間を作ろう、というように、自分なりの予防法も見えてくるでしょう。
 

生理前の止まらない食欲への対策①ー食事編ー

生理前は、生理による貧血予防にもなる、鉄分を多く含む食材を積極的に摂取しましょう。鉄分を多く含む食材としては、赤みの肉や魚・大豆製品・小松菜・ひじき・あさり・卵などが挙げられます。
 
また、野菜・海藻・いも類・きのこ・こんにゃくなど、食物繊維を多く含む副菜を食べるのもおすすめです。食物繊維は、糖の吸収を緩やかにするため、食後の血糖値の急上昇を防ぐ働きがあります。
 
他にも摂取する方がよい栄養素はありますが、まずは普段の食事に鉄分や副菜をプラスするところから始めてみてください。
 
そして、生理前は甘いものも食べたくなりがちです。ただし、砂糖を摂取しすぎると体温を下げてしまうため、注意が必要だということだけは頭の片隅に置いてください。砂糖が多く含まれる洋菓子を食べる場合は、アーモンド入りのチョコレートを選ぶなど、選び方を工夫するとよいでしょう。
 
間食には、ナッツやドライフルーツなど歯ごたえのあるものを選ぶと、しっかり噛むことによって過食を防ぐことにもつながります。
 
また、生理前に体重が増える理由として、過食以外にも身体の水分量が関係しています。プロゲステロンの影響で、体内の水分量が増加した結果、ただ太ったわけではなく「むくんだ」状態になります。
 
私たちの身体は半分以上が水分でできており、飲食で摂取した水分が体の中を巡ったあと、体内の老廃物と一緒に不要な水分を、汗や尿として体外に排出しようとします。
 
ところが、排卵した後から生理前にかけては水分代謝が悪くなり、身体は妊娠に備えて水分を貯め込もうとするのです。そのため、身体に水分を貯留する働きを持つ塩分を摂りすぎないことが重要になります。
 
ここまで、生理前に食べるとよいもの・控えた方がよいものについて解説してきましたが、生理前におすすめの食事の仕方はあるのでしょうか。
 
生理前は、1日の食事の総量は増やさずに、食事の回数を4.5回に分けて、ゆっくりとよく噛んで食べるとよいでしょう。食事の回数を増やすことで、空腹になる時間帯はほとんどなくなるからです。

また、30回以上よく噛むことで脳にある満腹中枢が刺激され、自分にとって必要な量で満腹だと感じ、食べ過ぎを予防することができるでしょう。

食事を摂る順番は、副菜(野菜や汁物)→主菜(メインのおかず)→主食(ご飯やパン)の順にすることで、食後の急激な血糖値上昇を抑えることができます。
 

生理前の止まらない食欲への対策②ー活動・運動編ー

自分にとってのストレス解消法を見つけることも重要です。生理前にイライラしてしまい「何か食べたい!」と感じたときに、ぐっとこらえて「食べる代わりに〇〇をしよう!」と思うことができるようになれば、食べ過ぎる回数は確実に減ります。
 
自分に合ったストレス解消法を見つけて、自分で自分の身体のご機嫌を取ることができるようになりましょう。
 
手軽なストレス発散方法は、湯船につかることです。身体が温まるだけではなく、疲れた身体を癒やしながらリラックス効果を得ることができるでしょう。温度を40度以上に上げず、ぬるま湯にゆっくりとつかることで、寝つきもよくなります。
 
そして、意外に思われる方もいらっしゃるかもしれませんが、生理前に有酸素運動を行っている人の方が、過食やPMSの症状が軽い傾向にあります。
 
有酸素運動と聞くと、ジョギング・水泳・サイクリングなどを思い浮かべる方も多いと思います。実は、手軽に自宅でできる有酸素運動もあるのです。

運動初心者の方に特におすすめするのが、踏み台昇降です。テンポよく1段上がって1段降りて、という動きを10分間繰り返してみてください。慣れてきたら腕を振ることで、二の腕の引き締めも一緒にできますよ。
 
激しい動作を必要とする有酸素運動では、毎日継続できない…そんな方にはヨガをおすすめします。腹式呼吸で酸素をたっぷりと身体に取り入れながら、ゆっくりとした動きで行う有酸素運動ですので、息が上がる運動はつらいという方にぜひ試していただきたいです。
 
もちろん普段の生活でも、エレベーターより階段を使ったり、電車1駅分を歩いてみたりと、こまめに身体を動かし、水分補給もしっかり行うことも大切ですよ。
 

生理前の食欲を抑えるには低用量ピルが良い?

最後に、生理前の食欲増進を抑える薬や、治療方法はあるのでしょうか。
 
実は、低用量ピルを服用することで、生理前の過食に改善が見られるケースがあります。低用量ピルを服用することで、体内に女性ホルモンが補充されるため、生理前にプロゲストロゲンが過剰に分泌されにくくなるためです。
 
PMS治療目的の場合、ピルの種類によっては保険が適用されます。保険適用で処方を受ける場合、きちんとクリニックで診察や検査を受けてから処方されるので、自分に合ったものを服用できる安心感がありますよね。

最近では低用量ピルのオンライン処方サービスもあります。オンラインピル処方【ルナルナおくすり便】では、スマホで『ルナルナおくすり便』のアプリをダウンロードすれば、自宅で医師とのビデオ診療が受けられます。医師の診察の結果、処方が難しい場合は費用がかからないのが嬉しいですね。ピルは決済完了の当日または翌日に発送され、自宅のポストに届きます。
気になる方は↓からアプリをダウンロードしてみてください。



また、漢方で体の不調を和らげる方法もおすすめです。漢方医学には『気・血・水(き・けつ・すい)』と呼ばれる、不調の原因を探る独自の考え方があります。
 

  • 「気」……元気やエネルギー
  • 「血」……体中を流れる血液
  • 「水」……水分など、血液以外の体液

 
これら3つのバランスを整えることで「病気ではないが、身体の調子がなんとなく悪い」状態を、数ヶ月かけて改善していくことができます。
 
ただし、漢方薬はその人の体質や症状に合ったものでないと、十分に効果を発揮することができません。まずは、漢方の専門家に、どの漢方が自分に合うのかを相談するとよいでしょう。
 

生理前の食欲やその他の生理にまつわる相談先

もし今、あなたが生理前のつらい過食症状に1人で悩んでいるのなら、まずは近くのクリニックや専門機関へ相談・受診してみてください。どんな治療や食事法でも、人それぞれ体質や症状が違うため、全員に当てはまるものはありません。
 
医師や専門家に相談することで、少しでも早くあなたの体質や症状にあった対処法にたどり着くことができることを願っています。


nana
西垣 かおり
美容・健康ライター