ドライフルーツは健康に悪いの?食べ過ぎの影響や摂取目安も解説!
ドライフルーツはダイエットや美容に良いイメージがありついつい食べすぎてしまい太ってしまった、という人もいるようです。
この記事では、そんなお悩みを解決できるドライフルーツの食べ方や選ぶ時の注意点などを詳しく解説します。また、おすすめのドライフルーツもご紹介します。
レーズンなどのドライフルーツって健康に悪い?身体に悪いと言われるワケを解説!
ドライフルーツはヘルシーなおやつとして人気がありますが、健康に悪いと言われることもあります。本当のところはどうなのでしょうか。
ドライフルーツが健康に悪いと言われる理由の一つに、加工される段階で砂糖や油脂が大量に使われているものが多いことが挙げられます。また、手軽に購入できるスーパーやコンビニなどで販売されているものの多くは、漂白剤や着色料、酸化防止剤、保存料などの添加物も大量に含まれています。
ドライフルーツは砂糖でコーティングされる前の段階でも、生の果物の水分を飛ばし栄養素を濃縮しているため、生の果物に比べカロリーと糖質が高くなります。
これらの理由から、太りやすいと思われていることもあり、ダイエット中の方や健康を意識している方はドライフルーツを食べて良いのか迷うこともあるのではないでしょうか。
ドライフルーツは本当にダイエット時や健康に悪いのか、ドライフルーツのデメリットを分かりやすくご紹介していきます。
まずは、ドライフルーツと生の果物のカロリーや糖質を比べてみましょう。(可食部100gあたり)
生の果物 | ドライフルーツ | ||
---|---|---|---|
ぶどう | エネルギー324kcal 糖質17.0g |
レーズン | エネルギー300kcal 糖質 76.6g |
プルーン | エネルギー49kcal 糖質 10.7g |
ドライプルーン | エネルギー211kcal 糖質 55.2g |
イチジク | エネルギー57kcal 糖質 12.4g |
ドライイチジク | エネルギー272kcal 糖質 64.6g |
このように、生の状態と乾燥させドライフルーツにした状態とを同じ重量で比べてみると、各ドライフルーツ間で差はありますが乾燥させた方がカロリーも糖質も4〜5倍に増えていることが分かります。
ドライフルーツは甘さと酸味のバランスがよく、濃厚な甘味によって食べすぎてしまい太りやすい原因となります。生の果物の水分を飛ばして加工されたドライフルーツは量も少なくなり柔らかくなります。そのため果物を生で食べるときに比べて、ドライフルーツは噛む回数が少なくなります。ですので、ついつい食べすぎてしまいカロリーや糖質の摂り過ぎになることで、太りやすくなったり体内の「糖化」を起こしてしまったりします。
これらのことから、ドライフルーツを食べる時には食べ方やどのように加工された商品なのかを確認して、選ぶ必要があることが分かります。加工過程でお砂糖や油脂でコーティングされていないもの、保存料が入っていないものもあります。
ドライフルーツは健康への効果もあります!
ドライフルーツはデメリットばかりではありません。甘いお菓子に比べて健康的なおやつと言えますし、体に良い栄養効果もあります。
ドライフルーツには、普段の食生活の中で不足しがちな鉄分、カルシウムなどのミネラル、ポリフェノールなどの抗酸化物質も豊富に含まれています。さらに、生の果物で摂取するより乾燥させた方が食物繊維の量が増えるため、食物繊維の不足が解消され便がスムーズに出るようになります。
ドライフルーツは、食物繊維が多い一方で生の果物の水分を蒸発させているのでそのまま食べると便秘にもなりやすいです。ドライフルーツを食べて便秘を解消させるには水分と一緒に摂ると効果的です。
ドライフルーツは、他にも腎臓の機能を助け、利尿作用が高いカリウムも多く含まれているため、むくみ解消やデトックス効果もあるのが嬉しいですね。
カロリー | 食物繊維 | カルシウム | 亜鉛 | 鉄 | カリウム | |
---|---|---|---|---|---|---|
レーズン | 324kcal | 4.1g | 65mg | 0.3mg | 2.3mg | 740mg |
プルーン | 237kcal | 1.9g | 57mg | 0.4mg | 1.1mg | 730mg |
アプリコット | 79kcal | 9.8g | 70mg | 0.9kcal | 2.3mg | 1300mg |
(全て可食部100gで計算)
ドライフルーツには、私たちの体を健康に保つために必要な栄養素が多く含まれていることが分かりましたが、1日にどれくらいまでなら食べても大丈夫なのでしょうか。
次に1日の摂取目安量をご紹介していきます。
ドライフルーツの1日の摂取量目目安とは?
栄養価も高く健康に良い影響も多くあるドライフルーツですが、少量でも高カロリーであり、糖質も高くなるため食べる量に気をつけないと健康を害したり太ってしまう原因になってしまいます。そこで、1日の摂取量を守ることで健康的に取り入れる事ができます。
農林水産省の食事バランスガイドには、ドランフルーツを間食として食べる場合の目安は、1日に約200kcalとあります。
レーズンであれば約10粒で32kcalです。約60粒で約192kcalになりますので1日の摂取量の目安は約一掴みになります。
ドライプルーンは1個9gで計算すると1個あたり19kcalになります。1日200kcalとして1日の摂取量の目安は約5粒になります。
しかし、ドライフルーツは柔らかく口当たりも良いため、ついつい食べ過ぎてしまう方も多いようです。食べ過ぎを防ぐコツは、ナッツなど硬いものと一緒に食べるのがおすすめです。柔らかいドライフルーツに硬いナッツが加わることで、噛む回数が多くなります。噛むことで脳に刺激が伝わり、満腹中枢が刺激され、食べ過ぎを防ぐことができます。
ドライフルーツを食べ過ぎた場合の体への影響とは?
食物繊維が豊富なドライフルーツは便秘気味の方が、適量摂取すると便秘解消の効果を期待できます。ところが、摂取量や方法を間違えるとかえって便秘がひどくなったり、下痢を起こしたりすることもあります。
食物繊維には、不溶性食物繊維と水溶性食物繊維があります。ドライフルーツには両方の食物繊維が含まれますが、不溶性食物繊維の含有量の方が多いです。不溶性食物繊維は水に溶けにくく腸内の水分を吸収して膨らみます。また、ドライフルーツは加工されるときに水分を蒸発させるため、生の果物のときに比べ水分が少なくなります。ドライフルーツを多く摂取すると腸内の水分量が減り、便が硬くなったり、お腹が張ったりしてしまうのです。前述の通り、ドライフルーツを食べるとき、水も一緒に摂るようにしましょう。
また、加工の段階で砂糖と油脂でコーティングされているものが多いため、食べ過ぎると糖質の摂り過ぎになり、体内で「糖化」を起こしシミ・シワなど老化の原因や、太りやすくなってしまいます。
砂糖や添加物が入っていないドライフルーツは間食としても人気です。しかし自然なものであっても、食べ過ぎには注意が必要です。ドライフルーツには果物の栄養が凝縮されているため、栄養価が高い一方でカロリーも高く糖分も含まれています。
食べ過ぎてしまうと、カロリーオーバーになってしまい、逆に体重増加の原因になりかねません。一般的には、1日の間食で摂るドライフルーツの目安として、1食当たり片手に収まる量、もしくは30g程度がおすすめです。
これはプルーンなら2〜3個です。
これらのことから、ドライフルーツは間食としても適量を守ることが大切です。
そもそも果物も食べすぎてはいけない?
果物や野菜は健康に良いとされる食品ですが、食べ過ぎには注意が必要です。ビタミンやミネラル、食物繊維が豊富で、体に良い効果をもたらす一方で、過剰摂取が問題になる場合もあります。
野菜や果物に含まれる食物繊維は腸内環境を整える効果が期待できますが、食べ過ぎると消化が追いつかず、逆に便秘やお腹の張りを起こす場合があります。特に不溶性食物繊維が多い野菜を大量に摂ると、腸に負担がかかることがあるため、適度な摂取を心がけましょう。
また、果物には天然の果糖が含まれ、過剰摂取は血糖値の上昇や脂肪蓄積の原因になります。果物の摂取目安を守らずに食べ過ぎるとカロリー過剰摂取となり脂肪肝や肥満リスクが高まります。
果物や野菜はバランスよく、適量を守って摂ることで健康リスクを避けながらそのメリットを最大限に引き出しましょう。
ドライフルーツを食べるメリットは?栄養素と体への影響
ドライフルーツはビタミン、ミネラルが凝縮され手軽に栄養を補給できる食品です。特にレーズン、アプリコット、プルーンはそれぞれ独自の健康効果を持っていて、毎日の生活に役立ちます。
レーズンは鉄分が豊富で特に貧血予防に適しています。またレーズンに含まれる抗酸化成分は細胞を若々しく保ち、肌の健康もサポートします。毎朝のヨーグルトやシリアルに加えれば、手軽にエネルギー補充ができます。
アプリコットにはむくみを解消するカリウムがたっぷり含まれ、余分なナトリウムを排出し体の水分バランスを整える力があります。また、βカロテンも豊富で、免疫力や目の健康に良い影響を与えてくれます。オフィスでの間食にもおすすめです。
プルーンには食物繊維を含み便を柔らかくするソルビットが含まれ、便秘解消に役立ちます。水溶性食物繊維が腸内の善玉菌を増やし、腸内環境を整えることで老廃物の排出がスムーズになります。便秘がちな方は夜に数粒のプルーンを摂ることで翌朝の快適さが実感できるでしょう。
健康を意識して食べたい!健康に良いドライフルーツの選び方
健康的にドライフルーツを取り入れるための選び方のポイントをお伝えします。
ドライフルーツを選ぶときには、砂糖や油脂でコーティングされていないものを選びましょう。その他にも、漂白剤や着色料、酸化防止剤、保存料などの添加物が入っているものは避けた方が良いでしょう。
砂糖や油脂でコーティングされたドライフルーツは避ける
ドライフルーツは糖質やカロリーも高い上に、そこに砂糖や油脂が加えられることで糖質の摂取量も上がります。ドライフルーツの加工に使われている砂糖は一般的に白砂糖が多く、白砂糖はすぐに血中で吸収され血糖値を急上昇させてしまいます。
血糖値の急上昇で分泌されるインスリンは、血中に残った糖をため込むため太る原因になります。ドライフルーツにも含まれる食物繊維には、血糖値の急上昇を防ぎ、糖の消化・吸収を遅らせる作用がありますが、砂糖でコーティングされているとその効果を弱めてしまいます。そのため、できるだけ砂糖でコーティングされておらず、食物繊維が多く含まれるドライフルーツを選ぶことでより高いダイエット効果を期待できます。
色鮮やかなドライフルーツは添加物が多いため避ける
ドライフルーツは見た目が鮮やかで、綺麗な色の方が新鮮と思っている人もいるでしょう。ところが、この綺麗な色を保つために酸化防止剤や保存料などの添加物が使われています。
添加物を多く摂取すると免疫力低下や老化を招く要因にもなります。ドライフルーツは色で選ばずに、パッケージの裏を見て、できるだけ添加物の使われていないものを選ぶことでより高い美容効果が期待できます。
体に良いおすすめのドライフルーツをご紹介!
たくさんの種類があるドライフルーツですが「種類が多すぎてどれを選んだらいいのかわからない」という方のために、美容や健康に効果的なドライフルーツをご紹介します。
デーツ
デーツはナツメヤシの果実で中東では古くから珍重されています。カルシウム、鉄分、ビタミン、ナイアシンなどの栄養素が豊富に含まれます。日本人の女性のお悩みに多いのが貧血です。デーツには銅、鉄、亜鉛がバランスよく含まれているため、貧血を予防します。
カルシウムはドライプルーンと比べて約2倍も含まれており、ドライプルーンは39mg、デーツは71mgになります。カルシウムは大腸がんを引き起こす物質を排出してくれることから、食事でカルシウムを摂取する量が多い人に対して大腸がんの発症リスクが抑えられるともいわれています。
また、カルシウムは免疫細胞の働きを助ける役割もあり、加えて免疫細胞を活性化させる働きのあるマグネシウムや、亜鉛も多く含まれているため、免疫力強化を期待できます。
デーツは100gあたりカロリー299kcalと高めで、1粒(約9g)のカロリーは25kcal、糖質は5.8gになります。1日の間食は約200kcalが目安ではありますがデーツを200kcal分食べてしまうと糖質も多く摂取してしまうので、健康維持のためにも目安の半分である100kcal、1日3〜4粒にしましょう。
デーツは運動時や疲れた時のエネルギーチャージにもおすすめです。運動時に1〜2粒をナッツと一緒に食べると、エネルギーの持続効果が得られ血糖値も急上昇しにくくなります。また、小腹が空いた時の間食としてヨーグルトやオートミールに加えると満足感が高まり、腸内環境の改善にもつながります。
夜に食べると、エネルギーが余ってしまうことがあるため、日中の活動前やおやつのタイミングが理想的です。
プルーン
プルーンはドライフルーツの中でもカロリーが低い方に入ります。
プルーンには「ソルビトール」という糖質が豊富に含まれており、砂糖と比べて低カロリーで体内に入ってからの吸収が遅く血糖値が上がりにくいため、ダイエットをしたい方の強い味方です。
また「ソルビトール」は大腸を刺激しぜん動運動を促してくれるため、食物繊維との相乗効果によって便秘解消や腸内環境改善の改善に効果を発揮します。
そして、プルーンには水溶性食物繊維の「ペクチン」が多く、水分に溶けてゼリー状になった食物繊維は消化に時間がかかるため、腹持ちがよくなります。
その他に、皮膚や粘膜を強くし肌の潤いを守ってくれる、抗酸化作用のある「ビタミンA」が多く含まれています。そのため、乾燥肌のお悩み改善に効果を発揮してくれます。
冬は特に肌の乾燥がひどくなる季節なので、プルーンを食べて潤い美肌を手に入れましょう。1日の摂取目安量は、1日の間食の目安200kcalの半分である4〜5粒(約40g)で100kcalが良いでしょう。
ブルーベリー
デーツやプルーンに比べると、小さくコロコロしているブルーベリーはドライフルーツの中でもプルーン、デーツに次いで低カロリーになり、カロリーは286kcalです。(可食部100g)
ブルーベリーは若返りのビタミンとも呼ばれる「ビタミンE」や抗酸化作用のあるポリフェノール「アントシアニン」が多く含まれています。
「アントシアニン」は目の健康を保つ効果のあることで有名ですが、アントシアニンの成分でもあるプロアントシアニンは抗菌作用もあり、動脈硬化予防や癌の予防にも効果があります。
1日の摂取目安量は、40gで約112kcalなので大さじ3杯を目安に食べると良いでしょう。そのままでは食べづらいという場合には、ヨーグルトに入れて食べたりサラダのトッピングにしても美味しいです。
ドライフルーツが持つ他の健康食品との違いとは?
ドライフルーツはビタミン、ミネラル、食物繊維が凝縮され他の果物や健康食品と比べても栄養が効率的に摂れる食品です。
例えば、プルーンには豊富な食物繊維が含まれ便秘解消に効果的です。ナッツやシリアルも食物繊維を含んでいますが、プルーンは水溶性食物繊維が豊富で、腸内の善玉菌を増やし腸内環境を整えやすいのがメリットです。
また、アプリコットはカリウムが豊富で、むくみ改善に役立ち、他の果物やナッツより体内の水分バランスを整える効果を期待できます。
朝食のシリアルにレーズンを加えたり、間食としてアプリコットをナッツと摂るなどが効果的です。このようにドライフルーツを上手く使い分けることで、目的別に健康をサポートすることができます。
糖尿病患者や透析患者の方はドライフルーツをどう取り入れるべきか?
ドライフルーツは栄養価が高いものの、糖尿病や腎臓に問題がある方には摂取に注意が必要です。医師のアドバイスを参考にして具体的な取り入れ方と注意点を説明します。
糖尿病患者は、果糖が豊富なドライフルーツ(デーツやレーズンなど)を多く摂ると血糖値が急上昇するリスクがあります。果糖は血糖値の上昇を抑える作用がある一方で、ドライフルーツは糖分が凝縮されているため、少量で多くの糖を摂取してしまうことになります。
医師のアドバイスによれば、1日に1〜2粒の制限が適切で食物繊維が多いナッツと一緒に食べることで血糖値の上昇が緩やかになるとされています。
腎臓疾患のある方は、カリウムの過剰摂取による高カリウム血症に注意が必要です。特にアプリコットやプルーンなど、カリウムが豊富なドライフルーツは控えることが推奨されます。医師によると、カリウム制限が必要な場合、ドライフルーツを避けて低カリウム食品を選ぶのが安全とされています。
健康な方は栄養補給として、ドライフルーツを少量取り入れても問題ありませんが、糖尿病や腎臓疾患のある方は特に糖分とカリウムの制限摂取に気をつける必要があります。糖尿病の方は血糖値の管理、腎臓疾患の方はカリウム排出が難しいため適切な種類と量を守ることが重要です。
上記はあくまで一般的な取り入れ方になりますので、健康に不安のある方、持病のある方は、必ず主治医に相談してください。
まとめ
美と健康におすすめのドライフルーツを紹介しました。ドライフルーツは乾燥させることで果物の持つ栄養素が凝縮されているため、生の果物に比べて少量でも栄養価が高くなります。
カロリーや糖質も高いので食べすぎない工夫をし、食べる量に気をつけて取り入れることが大切です。また、ドライフルーツは女性にとって悩みの多い貧血や便秘の改善にも効果を発揮してくれます。
普段の食生活で不足しがちな栄養素を手軽に補えるドライフルーツは、忙しい毎日の強い味方になってくれます。今食べているものは、少し先の自分の体をつくります。完璧に健康へ良い食生活を送るのは難しいものですので、きちんと選んでドライフルーツを取り入れることは未来への自分への「贈り物」になりそうです。
ぜひ、あなたも日々の食生活に取り入れてみてはいかがでしょうか。