麹は体に悪い?塩麹には美容・健康に嬉しいメリットがたくさん!

麹は体に悪い?塩麹には美容・健康に嬉しいメリットがたくさん!

日本の食文化に欠かせない麹。麹は、美容・健康に良いと言われている食材の一つですが、中には「麹は体に悪い?」という疑問を持つ人もいるかもしれません。
 
今回はそんな麹にスポットを当て、麹や塩麹のメリット・デメリットを詳しく解説します。美容・健康に嬉しい効果から上手なとり入れ方、おすすめの商品まで幅広く紹介しますので、麹や塩麹に興味があるけれど、ちょっと不安という方は、ぜひ参考にしてみてください。

そもそも麹・塩麹とは?

麹とは、米や大豆、麦などの穀物や豆類に、麹菌(コウジカビ)を繁殖、発酵させたものです。
麹は原料ごとに、米麹、麦麹、豆麹、と異なる3つの種類があり、米麹は日本酒、米味噌、米酢などに。麦麹は麦味噌や焼酎などに、豆麹は醤油や豆味噌づくりなどに使われます。
 
麹の歴史はとても古く、紀元前から使われていたとされ、中国から日本に伝わったといわれています。また、麹などの発酵調味料の話は出雲神話の中にも登場していて、それが日本で麹が使用された起源とされています。このように、日本では古くから麹が重要な役割を果たしていて、文化や食文化の一部として深く根付いています。
 
ところで、麹などの発酵食品は美容と健康によいと話題ですが、発酵と一口にいっても、どんなことなのかよくわからない、という方も多いのではないでしょうか。

「発酵と腐敗って一体何が違うの?」
こんな声もよく聞かれたりします。

それも無理のないことで、実は発酵と腐敗のメカニズムは同じだからです。では、一体発酵と腐敗は何が違うのでしょうか?
 
どちらも微生物の働きによって、有機物を分解して新しい物質が生成されるというところまでは一緒です。ふたつの決定的な違いは「発酵」は微生物が人間に有益な物質をつくり出すこと。「腐敗」は微生物が人間に有害な物質をつくり出すことにあります。
 
つまり「発酵」は食材の味や香り、色などを人間にとって有益なものに変化させることで、それを促進する菌は乳酸菌や麹菌などに代表される「発酵菌」と呼ばれます。
 
一方「腐敗」は、タンパク質やアミノ酸などを分解して、アンモニアなどの有害な臭いを発生させます。腐敗を促進する菌は「腐敗菌」と呼ばれます。
 
人間に有益なのが発酵、人間に有害なのが腐敗と覚えておいていただければ間違いないですね。

さて、麹にはさまざまなメリットがありますが、中でも近年特に注目されているのが「塩麹」です。
塩麴は、美容や健康効果などが話題でスーパーなどでも手軽に入手でき、料理や暮らしの中に取り入れやすいのが特徴です。

塩麹は麹と塩、水を混ぜて発酵させた調味料で、そのルーツは、東北地方の三五八漬けといわれています。三五八漬けは、塩と米麹と米を3:5:8の割合で混ぜ合わせて漬け床を作ることから「三五八(さごはち)」と呼ばれるようになりました。私たちが現在、調味料として使っている塩麹は、実はこの三五八漬けの漬け床を使いやすくアレンジしたものなのです。
 
そんな塩麹を使うことで、料理に旨味や甘味、コクを加えることができます。さらに肉や魚、野菜などの素材を漬け込んだり、炒め物や煮物、和え物などの調味料としても使われます。
 
塩麹は、麹の中に含まれる酵素が塩を加えることで活性化され、発酵が促進されます。この発酵によって、麹からアミノ酸や糖類などが生成され、旨味成分が増えるというわけです。また、塩によって酸味が調整され、保存性も高くなり、食事での塩分摂取の調整にも一役買うという、健康にも嬉しい特徴もあるのです。
 

麹が体に悪いと噂されているのは本当?

さて、そんな万能調味料の麹・塩麹ですが、麹は栄養満点な食品なので、食べ過ぎると逆に体を壊してしまうのでは?などと心配する方も少なくないと思います。
 
麹菌は、日本をはじめとするアジア圏で古くから利用されてきた発酵菌の一種であり、健康に良いとされています。一般的に麹を使った食品や飲料は、消化器官や免疫システムに良い影響を与える栄養素を含んでいて、代謝や内臓機能をサポートしてくれるといわれています。
 
ですが、いくら体に良いからといって、麹菌を過剰に摂取しすぎると、以下のような問題が起こる可能性もありますので摂取時には注意が必要です。
 

腸内細菌のバランスが崩れる

過剰な麹の摂取は、腸内細菌のバランスを崩すことがあり、便秘、下痢、膨満感、胃痛などの消化器症状を引き起こす可能性があります。
 

アレルギー症状の悪化

麹菌に対するアレルギーがある場合、過剰な摂取によりアレルギー症状の悪化を引き起こす可能性があります。
 

鉄分の吸収阻害

麹菌に含まれるフィチン酸は、鉄分の吸収を阻害することがあります。鉄分不足になることで、貧血や疲労感などを引き起こす可能性もあります。
 

アルコールを生成

麹による発酵によって、アルコールが生成されるため、過剰な摂取は稀にアルコール依存症やアルコール性肝障害を引き起こすなどの影響を与える可能性があります。
 
以上のような注意点もありますが、基本的に麹は適量であれば、体に悪影響を与えることはありません。ただし、アレルギー反応や血圧の上昇など、個人差があるため、自分の体調に合わせて摂取量を調整する必要があるでしょう。
 
また、菌による食中毒への懸念についてですが、一般的に、麹菌を含む発酵食品は安全であり、食中毒を引き起こすリスクは低いとされています。
 
麹菌は、食材の糖質を分解して有益な栄養素を生み出す発酵作用をするため、腐敗や有害な微生物の繁殖を防ぐ役割があります。そのため、麹を使った食品や飲料は、一般的には微生物の繁殖を抑えるために保存が長く安全であるとされています。
 
ただし、体に良いとされる麹を含む発酵食品でも、不適切な保存方法や衛生管理が行き届かない場合は、食中毒の原因となる可能性もなくはありません。
 
例えば、発酵食品の製造過程で十分な加熱処理を行わない場合、微生物が生き残ってしまい、消費後に食中毒を引き起こす可能性があります。また、保存状態によっては、麹による発酵が進みすぎて酸化が進み、食品の品質が悪化することもあります。
 
発酵食品を選ぶ際には、製造元や販売元の信頼性を確認し、消費期限や保存方法にも注意することが重要です。また、発酵食品を自家製で手作りする場合には、十分な衛生管理や加熱処理を行い、安全に作るように心がけることが大切です。
 
いずれにしても、麹は摂取量や保存、衛生管理などをきちんと管理していれば、体に悪い影響を与えることはありませんので、安心してお使いいただけます。
 

塩麹の効果効能とは?美容への嬉しいメリットも

以上のように塩麹には多少の注意点もありますが、食品としてたくさんの効能効果やメリットがあります。
以下に、料理と健康・美容の両方の観点から解説しますので、参考にしてみてください。
 

料理面のメリット

塩麹には、アミラーゼをはじめとしたアミノ酸や糖類などの成分が含まれていて、旨味成分を多く含んでいます。そのため、肉や魚、野菜などの食材に塗ったり、煮込んだりすることで、風味や旨味を増すことができます。
 
また、塩麹には、食材の鮮度を保つ効果があり、保存性にも優れています。食材に塩麹をつけておくことで、鮮度が保てて保存もしやすくなるのは嬉しいことですね。
 
さらに塩麹には、プロテアーゼという酵素の働きによって食材のタンパク質が分解されるため、肉や魚などの食材が柔らかくなり、口当たりがよくなる効果もあります。
 
塩麹を料理に使う際には、塩の分量によって置き換える量が異なりますが、一般的には以下のように考えるとよいでしょう。
 

一般的な料理に使う場合

塩麹の料理への使い方はさまざまで、肉や魚などに塗ったり、煮込んだりすることができます。
 
具体的には、鶏肉に塩麹を塗って焼いたり、魚を塩麹で煮たりするのが一般的で、肉や魚などに塗ったりつけたりする場合は、1kgあたり50g程度の塩麹を使います。また、塩麹を塩の代わりにする場合、塩の量の1/3〜1/2の量の塩麹を使用すると、程よい塩加減となります。
 
ただし、塩麹の塩分濃度は製造元によって異なるため、パッケージに記載されている使用量を参考にしてみてください。自家製の場合は、味見をしながら、好みの濃度に調整するとよいでしょう。
 

漬物などに使う場合

塩麹を塩の代わりに漬物に使用する場合には、塩の量の1/4〜1/3の量の塩麹を使用すると、十分な塩味になるとされます。
 
また、気になる塩麹の一日の摂取量についてですが、一般的に成人の1日の塩分摂取量の目安は、5〜6g程度とされています。
1日の塩分摂取量を塩麹に換算すると、一般的には約30ml程度(大さじ3程度)となります。
 
ですが、塩麹は食材の調味に使うことがほとんどなので、極端な使用をしない限り、塩分の摂りすぎとなることはないでしょう。
 
ただし、個人差や健康状態、摂取方法によって異なるため、自分に合った適切な量を摂取するようにしましょう。
 

健康・美容へのメリット

塩麹には、米麹に含まれる酵素が分解することで生じるγ-アミノ酪酸(GABA)という成分が豊富に含まれています。GABAには、リラックス効果や高血圧予防効果、不眠症改善効果などがあるとされており、機能性食品や飲料などにもよく使用されていますよね。
 
また、塩麹には、アミノ酸や食物繊維などの栄養素も含まれています。
 
さらに塩麹には、乳酸菌や酵母菌、麹菌などの微生物が含まれていて、これらの微生物が腸内環境を整える働きを持っています。
 
これらの微生物は、腸内の悪玉菌を抑制し、善玉菌の増殖を促進することで、腸内環境を整えるとされています。
 
また、塩麹に含まれるフィターゼ酵素は、植物の中に含まれる難消化性の成分を分解することができるため、消化吸収にも良い影響を与えるとされています。
 
さらに、塩麹に含まれる酵素の働きにより、肌の新陳代謝が活発化することがあります。そのため、美肌効果も期待できるのです。
 
このように塩麹にはたくさんのメリットがありますので、日常の食生活に上手に取り入れて、健康ライフを楽しんでみてくださいね。
 

塩麹の注意点や市販の商品の選び方を解説!

それでは、実際に利用するときには、どんな風に塩麹を選んだらよいでしょうか。
以下に、市販の塩麹を選ぶ際の3つの注意点を解説しておきますので、ぜひ参考にしてみてください。
 

非加熱のものと加熱のものどっちを選べばいい?

塩麹は、加熱処理をすることで麹菌を殺菌し、長期保存が可能となります。
しかし、加熱することで酵素が壊れ、風味や栄養素が失われるため、風味や栄養素を重視する場合には、非加熱のものを選びましょう。
 

パウダーと液体はどっちがいい?

塩麹には、パウダータイプや液体タイプなど、いろいろな種類があります。
 
パウダータイプは保存や取り扱いがしやすい反面、溶かすのに手間がかかる場合があります。一方で、液体タイプは溶かす手間がなく使いやすい反面、保存に注意が必要です。
 
以上の点を考慮しながら、使い勝手や保存方法に応じて賢く選びましょう。
 

米麹・玄米麹などどれを選ぶべき?

塩麹には米麹や玄米麹、麦麹などの種類があります。
なかでも米麹はいちばん馴染みがあるため、一般的に使用されることが多いです。
 
一方、玄米麹は栄養価が高く、健康に良いとされています。健康や美容重視の方は、玄米麹もぜひ視野に入れて、自分の好みや目的に合わせて選ぶとよいでしょう。
 
以上のように、塩麹を選ぶ際には自分の好みや使用目的に合わせて、非加熱のもの、使い勝手の良いパウダーまたは液体、米麹または玄米麹などを考えて選ぶことをおすすめします。
 
また、購入前には原材料や製造方法、賞味期限なども確認しておくことも大切ですので、お忘れなく。
 

おすすめの市販の塩麹3選!

おすすめの市販の塩麹3選!
さて、このようにさまざまな魅力が詰まった発酵調味料の塩麴ですが、巷にはたくさんの塩麹が売られています。原材料や麹の配分量など、個性もそれぞれで、一体どんな塩麹を買ったらいいのか、迷ってしまうこともありますよね。

そこでここでは、塩麴選びの際に参考にしたい、市販の塩麴おすすめ3選をご紹介します。ぜひ参考にしてみてくださいね。

海の精「有機玄米塩麹」


170g入り 参考価格605円(税込)
「有機玄米塩麹」は、国産有機玄米と米麹、伊豆大島産の伝統海塩「海の精」を使用した、こだわりの塩麹です。

化学調味料(アミノ酸等)、甘味料、酒精(アルコール)をはじめ、いっさいの食品添加物を使用せず、こだわりの安全・安心な原料だけで作った万能調味料です。

精製されていない塩でミネラルを豊富に含み、ほのかな甘みがあり料理に使うとまろやかさが出るのが特徴で、その他の原材料は、有機日本農林規格(JAS)認証の国産有機玄米と米麹のみとなります。
 
ペースト状で使いやすく、漬物、漬け焼き、煮物、タレやソースに至るまで、加えるだけでなんでもおいしくなる万能調味料です。和・洋・中とさまざまな料理にお使いいただけます。


 

有限会社 石黒種麹店「生塩麹」


250g入り 参考価格740円(税込)
こちらは、明治28年創業の北陸唯一の種麹屋がつくる本物の手づくり麹で、和・洋・中すべての料理がワンランクアップするといわれるこだわりの塩麹です。

創業1895年の石黒種麹店が手がけ、手づくりの麹に天日塩を加えて低温醸造させてつくられた塩麹は、食材の自然な甘みとコクのある旨みを引き出し、柔らかくしてくれるといわれます。

くせがない塩麹で、和食だけでなく洋食・イタリアン・エスニック料理など幅広く使用が可能です。
こだわりが詰まったこちらの商品は、プロの料理人からも支持されている塩麹で、酵素の力によりいつもの料理がワンランクアップするといわれています。
 
いつものお料理も、ワンランクアップさせてくれるかもしれませんね。


 

マルコメ「プラス糀 塩糀」


200g入り 参考価格320円(税込)
「プラス糀 塩糀」は、100種類以上の消化酵素の効能を感じられる塩麹で、マルコメの女性スタッフが中心となり、女性の視点から企画開発された商品です。

毎日の食生活に、日本古来の糀を手軽にプラスしてもらえたら。 そんな思いから生まれた商品だそうです。

こちらは、酵素の効能をしっかり感じられる非加熱タイプの塩麹で、100種類以上の消化酵素が食材の旨みを引き出してくれ、料理をよりおいしいひと皿に仕上げてくれます。

肉や魚の焼き物や煮物以外にも、生タイプであることを活かして、漬物に使ったりドレッシングとしてサラダにかけたりして食べるのもおすすめです。

容器もスタンドパウチで扱いやすく、最後までしっかり絞れるので無駄なく使うことができるのが嬉しいですね。

こちらはスーパーなどでも手軽に入手でき、毎日の生活に気軽に塩麴をプラスしたいという方におすすめです。
 

 

 

まとめ

麹は、米や大豆、麦などの穀物や豆類を、特定のカビ菌によって発酵させたものです。日本酒やみりん、醤油や味噌、漬物などの製造に欠かせない酵素や微生物が含まれ、日本の食文化として古くから重要な役割を果たしてきました。

中でも塩麹は、米麹と塩を混ぜた調味料で、独特の風味と味わいを持ち、料理に使用されるだけでなく、その健康や美容効果も話題となっている身近な発酵調味料です。

塩麹は、たくさんの有用な栄養素や酵素を含み、麹菌や酵素の働きを手軽に取り入れることができる優秀な発酵食品として、近年ますます人気が集まっています。

料理の効果としては、素材の旨みを引き出したり、お肉を柔らかくしたり、塩分の代わりに使ったりと利用方法もさまざまです。また、塩麹に含まれる乳酸菌が腸内環境を整えたり、免疫力を高めてくれたりといった健康効果も話題です。さらに塩麹には、アミノ酸やビタミン類も豊富に含まれ、美肌効果や疲労回復効果にも期待が高い発酵食品です。

このようにたくさんのメリットがある塩麹ですが、今回紹介したようないくつかの注意点を踏まえれば、どなたでも手軽に安心して日常の食事に取り入れることができます。

話題の発酵食材、塩麹を上手に食生活に取り入れて、健康ライフを試してみてはいかがでしょうか。

nana
美容家.com 編集者
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