尿漏れと膣からのお湯漏れの原因と対策

尿漏れと膣からのお湯漏れの原因と対策

こんな時に、尿漏れや、膣からのお湯漏れを経験したことはありませんか?

重たい荷物を持った時
咳やくしゃみをした時
テレビでお笑い見て大笑いした時
ジャンプした時
お風呂上がりに膣からお湯漏れ

若い女性は特に初めてのチョビ漏れの時は驚かれるかもしれません。恥ずかしくて人に相談できずにいる女性も多いようです。

今回は、尿漏れの原因と対策について、紹介します。

 

成人女性の6割以上が尿漏れを経験

尿漏れと聞くと、中高年に多い印象を受けますが、実は20代の女性でも2人に1人は尿漏れを経験したことがあるという調査結果が出ています。成人女性全体では、6割以上も経験しているほど、年齢に関わらず多くの女性が尿漏れに悩んでいるようです。
(P&Gジャパン株式会社 20~60代の日本女性4万人を対象にした尿もれ実態大規模調査)

 

尿漏れの原因

尿漏れの主な原因は骨盤底筋の衰えや緩みです。
骨盤底筋とは、骨盤の底になっている筋肉や靱帯の分厚い層のことで、膀胱や尿道、子宮、卵巣などの臓器を下から支えています。

骨盤底筋の衰えは、以下のような要因が考えられます。

 

女性の要因

・妊娠、出産
・エストロゲンの減少

男女共通の要因

・姿勢が悪い
・運動不足
・加齢
・便秘
・冷え
・肥満

 

上記の要因の中でも特に多く人が抱えている要因について詳しく解説していきます。

妊娠、出産による尿漏れ

妊娠中に骨盤底筋負担がかかって伸びきってしまい、筋収縮の低下と腹圧との協調性が低下します。さらに、出産でダメージを受けた筋肉や靭帯は、順調ならば約1~2ヶ月で回復すると言われています。

エストロゲンの減少

エストロゲンが減少する事で、膣や膀胱、尿道の血流が減少し、新陳代謝も低下します。
特に40代からの閉経前後はエストロゲンが急激に低下するため、膣や外陰部の粘膜が薄くなり骨盤筋膜や会陰膜(肛門と膣の間の部分)も薄く弱くなります。

姿勢が悪い

姿勢が悪いと、骨盤のアライメントも悪く骨盤や骨盤底筋が正しく使えず筋肉が衰えやすくなります。

冷え

骨盤底筋には毛細血管が集中しており、冷えによる全身の血流が悪くなり骨盤内の内臓も冷えて筋肉や内臓の働きが低下します。

便秘

停滞した便が膀胱と骨盤底筋を圧迫するため、尿が漏れやすくなります。

このように尿漏れの原因は一つではなく、日常生活の中で様々なことが影響しています。

 

尿漏れとお湯漏れを防ぐ対策

尿漏れなどのトラブルがある方、またはまだ症状はないけど、これからの老後が心配の方もご安心下さい。尿漏れとお湯漏れの予防と改善が期待出来る方法をご紹介します。

 

誰にも気づかれずにできる骨盤底筋トレーニング

① 椅子に深く腰を掛ける。または仰向けに寝た状態で両足を膝を立てる。(足の幅は坐骨幅ぐらい)
② 一度鼻から息を吸って吐きながら肛門を優しく中心に寄せるイメージ。
③ もう一度鼻から息を吸って吐きながら膣口を優しく中心に寄せるイメージ。
④ もう一度鼻から息を吸って吐きながら尿道を中心に優しく寄せるイメージ。
⑤ 最後に鼻から息を吸って吐きながら寄せた3箇所の筋肉を一気に広げるイメージで緩める。
⑥ 慣れて来たら、引き寄せるイメージを肛門に小豆の豆を入れてキープするイメージをし、膣口にも小豆の豆を入れてキープし、尿道口にも小豆の豆を入れて5秒程キープしたら最後に小豆の豆を3個とも一気に息を吐きながら下に落とすイメージトレーニングで緩める。

<ポイント>
慣れるまで肛門、膣、尿道の部分が感じにくいと思いますが、焦らずゆっくり呼吸と合わせておこなってみましょう。
一つ一つに力を入れすぎに中心に引き寄せるイメージです。

 

座ったまま、寝たままで行う骨盤底筋トレーニング

次は骨盤底筋だけでなく、骨盤底筋とその周辺の筋肉である、腹横筋、殿筋、内転筋の協働筋を一緒に動かすことで、骨盤底筋が意識できなくても骨盤底筋を鍛えられる方法をお伝えします。

① 椅子に座ったまま、又は仰向けで寝て足を膝を立てた体勢になります。
② 足(膝)の間にボールを挟みます。


ソフトスモールボールがあると色々なエクササイズに使用出来て便利ですが、クッション又はペットボトルでも代用できます。

③ 鼻から息を吸って吐きながら、スモールボール又はクッションなどを足で軽くプッシュします。
吸って緩めます。
回数は無理のない範囲で自由ですが基本的には、1セット5~10回を目安におこないます。
④ 5~10回繰り返したら、最後に息を吐きながら早く5回を目安に「プッシュして緩める」を繰り返します。
慣れてきたら、両足を膝を曲げた90°の角度に上げてチャレンジしてみて下さい。

<ポイント>
仰向けで寝ている体勢の時は、腰が浮かないように少しお腹の力で床に腰をしっかりと埋めておきます。
足を上げる時は腰痛がある方や腰が痛くなってしまう方は、無理をしない程度でおこなって下さい。

どんなエクササイズやトレーニングも同じですが、一回や数回、おこなっただけでは直ぐに変化は出にくいものです。とりあえず3ヶ月は続けてみましょう!

 

骨盤底筋トレーニングで期待できる効果

骨盤底筋をトレーニングは、尿漏れなど尿トラブルの改善や予防だけではなく、様々な不調の改善も期待できます。骨盤底には毛細血管が集中しており、骨盤底筋をトレーニングや鍛えることで、血流の流れがよくなります。血流が良くなることで色々の不調の改善に繋がり、特に女性の場合は女性ホルモンバランスが整うようになります。

実際、筆者のレッスンに参加する40代の女性は、骨盤底筋トレーニングを初めてから、閉経したかな?と思われた月経が半年ぶりに再開して今も順調に月経がある方もいます。30代の女性では、生理痛が出なくなり、鎮痛剤に頼らなくなったという方もいます。その他に膣の粘膜力がアップしてデリケートゾーンの不快感や乾燥による痒みや膣萎縮も改善された方もいます。

 

尿漏れの症状があると言うことは、骨盤底筋は少なからず衰えているので、そのまま放っておくと悪化して将来には、他の症状や骨盤内臓器脱などを引き起こしてしまう危険性も考えられます。早目のトレーニングやセルフケアを習慣にしましょう。

 

さいごに

この記事を読まれている皆様も、1日の始まり、または1日の終わりに、骨盤底筋トレーニングを始めてみてください。
人生100年時代で、一生涯歩く、食べる、排泄は自分の力でできるのが理想ですよね。骨盤底筋トレーニングは、そのための一生涯楽しめるトレーニングです。

※骨盤底筋トレーニングは医療行為ではないので、改善を保証するものではありません。
尿漏れや頻尿など、なかなか改善されない方は一度ホームドクターの診察も受診をお薦めします。

nana
岩村 増美
骨盤底筋・ピラティストレーナー/フェムテック専門家