生理前にみぞおちや胃が痛む原因や対処法とは?妊娠やPMSの可能性も!

生理前にみぞおちや胃が痛む原因や対処法とは?妊娠やPMSの可能性も!

毎月、みぞおちや胃が痛くなるし、気持ち悪くなることもある…。けれど、しばらくすると治るからと、ついそのままにしていませんか。
 
その辛い症状、実はPMS(月経前症候群)の症状の一つかもしれません。
 
この記事では、PMSやみぞおち・胃の痛みや吐き気が生理前に起こる原因を解説します。また、自分でできる対処法についてもご紹介していきます。
 

生理前に起こる症状の種類とは?PMSについても解説!

女性の体内では常にホルモンバランスの変化が生じるため、特に生理前は心身の変化が起こりやすいです。毎月不調が出て辛いと感じている方もいるのではないでしょうか。

排卵日から生理中にかけて、心身に不快な症状が出ることをPMS(月経前症候群)と呼びます。
PMSでは、次の症状で悩む方が多いと言われています。
 
<PMSの主な症状>

  • 精神的症状(イライラ感・不安感・倦怠感など)
  • 食行動変化(甘いものが食べたくなる・食欲増進など)
  • 睡眠障害
  • 体重増加・むくみ
  • 肩こり・腰痛
  • 頭痛
  • 便秘
  • お腹の張りや痛み

PMSが起こるのは、体の中で起こる女性ホルモン・セロトニン・プロスタグランジンのバランスの変化や、食事・ライフスタイルが原因と言われていますが、明確なことはまだわかっていません。
 
生理前では腰や下腹部で痛みが出やすいのですが、腹部の上方にあるみぞおちや胃に痛みを感じたり、吐き気がしたりする方もいます。腰や下腹部は子宮近くにあるため、症状が出るのはわかりやすいですが、なぜみぞおちや胃に症状が出るのでしょうか。
 

生理前の吐き気やみぞおち・胃が痛む原因は?ホルモンバランスが関係しているの?

生理前の不快な症状であるPMSは、どのようにして起こるのか、女性の体に起こる変化を見ながら確認してみましょう。

生理前は様々なホルモンのバランスが変化

女性の体では、女性ホルモンであるエストロゲン(卵胞ホルモン)とプロゲステロン(黄体ホルモン)の分泌量が周期的に変化します。
 
排卵日付近ではエストロゲンの量がピークに、そして排卵を終えるとプロゲステロンの量がピークを迎えます。その後、エストロゲンとプロゲステロンの量が急激に減ることによって、セロトニンのような脳内ホルモンなどのバランスに異常が起きるのです。

また生理が近づくと、妊娠するために準備していた子宮内膜が不要となり、体の外へ出そうとするため、プロスタグランジンという神経伝達物質が増えていきます。
 

生理前の吐き気やみぞおち・胃が痛む原因

生理前に増えるプロスタグランジンは、全身に作用する神経伝達物質で、子宮内膜を体の外へ出すために子宮を収縮させて生理を起こすだけでなく、炎症を起こしたり全身の筋肉を収縮させたりします。

つまり、PMSの頭痛を引き起こしたり、胃が収縮して胃やみぞおちあたりの痛みや吐き気を引き起こしたりするのも、プロスタグランジンの影響です。

また生理前に便秘になる方は、お腹が張ってしまうことでみぞおちに違和感や痛みが出る場合もあります。
 

生理前に関係無くみぞおちや胃に不調が出る原因

生理前のみぞおち・胃の不調は、PMSが原因の可能性が高いです。しかし、生理が終わっても不調が続く場合は、胃炎や逆流性食道炎、便秘などPMSではなく胃腸のトラブルが原因とも考えられるので、早めに医師に相談してみましょう。また、妊娠初期にも同じような症状が出ることがあるので、妊娠する可能性がある方は注意が必要です。
 
自分の症状がPMSなのか、自分で判断するのは難しいかもしれません。そんな方は、毎朝の基礎体温とその日の健康状態を記録するのがおすすめです。医師に症状の相談をする時もその記録を見せましょう。

普段からストレスや疲れを感じやすい方はPMSや生理不順、胃腸のトラブルが出やすいので、これからご紹介する対処法をぜひ試してください。
 

生理前のみぞおちの痛みを和らげる方法とは?一時的な対処法を紹介

ここでは、みぞおちや胃の痛みを和らげる対処法をご紹介します。

温かく消化の良い食事

みぞおちや胃の痛みがある時は、胃をあまり動かさなくてよいように消化の良い食事を摂りましょう。おかゆや柔らかいうどん、豆腐・白身魚・卵などを使った温かい料理がおすすめです。また、飲み物はノンカフェインの温かい麦茶やルイボスティー、白湯を飲みましょう。
 
一方で香辛料などの刺激物や、揚げ物・食物繊維たっぷりの食品は、胃に負担をかけて症状を余計悪くする恐れがあります。
 

リラックス&ツボ押し

ストレスは胃の痛みやPMSを悪化させると言われています。普段から意識的に疲れやストレスのケアをしていきましょう。

また、急な不調にはツボ押しもおすすめです。胃の痛みには梁丘(りょうきゅう)、吐き気には内関(ないかん)を刺激してみてください。
 

  • 梁丘(りょうきゅう)
    ひざのお皿から親指2本分上(太ももの骨の外側)にあるツボで急な胃痛・腹痛を和らげます。
  • 内関(ないかん)
    手首から親指2本分下にあるツボで吐き気を和らげます。少し強い力で押しましょう。

 
ツボ押しもなるべくリラックスできる環境でおこなってくださいね。
 

医薬品を使うのもひとつの手

辛い症状は我慢する必要はありません。ドラッグストアで購入できる医薬品をご紹介しますので、試してみてくださいね。
 

  • 芍薬甘草湯(しゃくやくかんぞうとう)
    速効性があり、急な腹痛や生理痛に使われます。筋肉のけいれんを抑える効果があります。
  • 五苓散(ごれいさん)
    胃腸の不調・吐き気・頭痛・むくみなどに使われます。
  • プレフェミン
    PMSの様々な症状に効果があります。イライラ感などの精神的症状がある方にもおすすめです。

 
アレルギーのある方や、服用中の薬がある方は医師や薬剤師に相談のうえで購入してください。
また、ご紹介した医薬品の効果は一時的であるため、症状を何度も繰り返す場合は、早めに病院を受診しましょう。
 

避けてほしいもの

以下は、胃の不調とPMSを悪化させる可能性があるので、なるべく減らすようにしましょう。
 

  • コーヒー・アルコール・香辛料などの刺激物
  • ナッツ・揚げ物などの脂肪分が多い食品
  • 生野菜や果物などの体を冷やし、消化に時間のかかる食品
  • たばこ
  • 肉体的・精神的ストレス

 
特に、ストレスは胃腸の動きを乱すだけではなく、ホルモンバランスを乱してPMSの症状を悪化させると言われています。症状がある時だけではなく、普段からストレスを残さないよう生活していきましょう。

生理前の胃痛は病気?症状が重い場合は要注意

生理前の胃痛や吐き気は病気ではありませんが、耐えられないほどの痛みや、生理の周期に関係なく症状が続く場合は注意してください。
 
みぞおち・胃の痛みや吐き気以外に、便の色がいつもと違う・吐血がある場合は、胃潰瘍や胃がんのような深刻な病気がかくれている場合もあります。
 
また、そのような症状がずっと続いた場合、PMSが原因だったとしても胃炎などの病気につながることがあるので、早めに病院へ受診しましょう。
 

生理前のみぞおちの痛みや生理痛に関する相談先

生理前の不調は放っておかず、早い段階で診察してもらいましょう。
 
みぞおちの痛みや吐き気の不調があり、他のPMS症状もある場合は婦人科・産婦人科へ、PMSかどうかわからない場合や胃腸の悩みを直接治したい場合は内科・消化器内科へ受診することをおすすめします。
 
症状が軽い場合は本記事でご紹介した方法をまず試してみてみましょう。それでも症状が重い場合や長引く場合はなるべく早く医師に相談してみてください。

nana
松本 萌
薬剤師/医療ライター