スキンケアをワセリンだけにするとニキビや毛穴・角栓などに効果はある?

スキンケアをワセリンだけにするとニキビや毛穴・角栓などに効果はある?

肌トラブルに悩まされない美しい素肌を手に入れる近道は、日々のスキンケアを念入りにすること。しかしクレンジング・化粧水・美容液・乳液など様々なアイテムを使うスキンケアは時間も手間もお金もかかる…とお悩みの方も多いと思います。
今回は、今話題の「ワセリンだけ」のスキンケアで行う「肌断食」についてご紹介します。

 

今話題の「ワセリンだけ」のスキンケアとは?ニキビに効く?

クレンジング・化粧水・美容液・乳液・クリームなど多くの工程があったこれまでのスキンケアの常識を覆すようなシンプルなスキンケア方法として注目を浴びている「ワセリンだけ」のスキンケア。

肌に多くの栄養を与えないスキンケアなので「肌断食」とも呼ばれています。

そもそもワセリンとは石油が原料の保湿剤です。原料が石油と聞くと肌に悪いの?と不安になってしまうかもしれませんが、ワセリンは原油から刺激になる成分を除去して精製されているので肌にもやさしい保湿剤です。

では「ワセリンだけ」のスキンケアはニキビに効果的なのでしょうか?結論から言うと、ニキビに対して「ワセリンのみ」を使用することはあまりおすすめしません。ワセリンそのものには水分や栄養を補うような働きはなく、肌を摩擦や汚れなどの刺激から保護するために用いられます。

また、ワセリンを塗ることにより、油分で毛穴を塞いでしまい、かえってニキビが悪化してしまう恐れもあります。ニキビがある状態でもやむを得ずワセリンを使用する場合は、ニキビ用スキンケアアイテムと併用したうえで、補った成分を逃がさないためのふたとして薄く保護するように塗ると良いでしょう。

 

「ワセリンだけ」のスキンケアに向いている人や肌質は?

「ワセリン」だけのスキンケアは非常にシンプルなので仕事や家事・育児が忙しくてスキンケアの時間がなかなか確保できない方やシンプルなスキンケアがお好みの方には向いているでしょう。

なお、ワセリンはオイルで肌にふたをするような役割を持っているため、脂性肌の方が使用するとかえって悪化させてしまうかもしれませんが、乾燥肌の方や敏感肌の方は刺激から肌を守るという観点においては「ワセリンだけ」のスキンケアも親和性が高いといえます。

 

「ワセリンだけ」のスキンケアのメリット・注意点を解説

「ワセリンだけ」を使用するスキンケアのメリットはスキンケアの時間を短縮できること、続けやすい価格であること、工程がシンプルであることなどが挙げられます。さらにワセリンは全身に使用することができるため、顔だけでなくリップケアやボディケアも一緒にできます。

「ワセリンだけ」のスキンケアの注意点は、ワセリンそのものには水分を補う成分や栄養を肌の奥まで浸透させる機能はありません。

そのため、ワセリンだけを使用することで肌に水分や栄養が行き届かずかえって乾燥など肌トラブルを招いてしまう恐れがあります。

化粧水や美容液、乳液などでしっかり水分や栄養を補ったうえでワセリンでふたをするとより高い効果を得られるでしょう。

 

スキンケアにぴったりなワセリンはどれ?

スキンケアにぴったりなワセリンはどれ?

ワセリンには大きく分けて4種類あり、純度が高くなるほど黄色から白色になります。

黄色ワセリン

安価ですが不純物が多く含まれているため敏感肌の方にとっては刺激となる可能性があります。

白色ワセリン

私たちがよくドラッグストアで見かける最もメジャーなワセリンです。

黄色ワセリンよりもワンランク純度の高いワセリンで赤ちゃんや敏感肌の人も安心して使用できます。

プロペト

白色ワセリンよりも更にワンランク純度の高いワセリンです。

市販もされていますが、医療機関で処方されるワセリンでもあり、目元や鼻などデリケートな部分にも使用することができます。

サンホワイト

ワセリンの中で最も純度が高く高価です。

スキンケアに使用する場合は、肌への刺激となりにくい純度の高いワセリンを使うため、白色ワセリン、プロペト、酸ホワイトの使用を推奨します。

ワセリンのみのスキンケアと併用できるおすすめのスキンケア用品

ワセリンはうるおいにフタをする成分なので、水分を引き寄せてうるおいを与えてくれるヒアルロン酸やコラーゲンのほか、水分保持機能を高めるセラミドを併用するとより効果的なスキンケアとなるでしょう。

水分保持機能を高めてくれるセラミドにはさまざまな種類がありますが、中でもヒト型セラミドは肌なじみが良く、肌のバリア機能を整えてくれる効果が非常に高いです。また植物型セラミドは肌にやさしく敏感肌の方でも使いやすいでしょう。
ご自身の肌の状態に合ったセラミド配合スキンケアアイテムをチョイスすると、より効果を感じやすいのでチェックしてみてください。

 

ワセリンのみの「肌断食」に関するおすすめの本

肌断食に関する書籍は複数出版されており、以下の2冊は特にわかりやすく紹介されています。

実際に肌断食に実践したレポートで大変読みやすいです。

また肌断食を以前から勧めている医師による書籍もあるので興味がある方はぜひご覧ください。

『肌断食 ---スキンケア、やめました』平野 卿子 (著)  河出書房新社 (2013/3/22)
『石鹸けんとワセリンだけでOK!化粧品を使わず美肌になる!』宇津木 龍一 (著) 主婦と生活社 (2013/11/15)

 

ワセリン以外に、ニキビゼロの肌を目指すためにやるべきこと

ニキビゼロの肌を目指すためには、スキンケアも大切ですが、食事や睡眠など日々の生活を見直すことも重要です。

栄養バランスを考えた食事や十分な水分をしっかりとること、良質な睡眠を十分確保すること、適度な運動を習慣化することなど、日々の積み重ねがニキビゼロの肌への近道といえるでしょう。
日々の生活をしっかり見直したうえで、スキンケアにおいては常に保湿を重視することがニキビゼロ肌への第一歩です。
保湿成分を多く含む化粧水・美容液・乳液をチョイスすること、オフィスや外出先でミスト化粧水を使用するなど工夫すると良いかもしれません。

 

まとめ

「ワセリンだけ」のスキンケアはシンプルで手軽にチャレンジできますが、使用するワセリンは純度の高いものを選ぶことや、ご自分の肌質を見極めて行うことが大切です。

さらにワセリンは肌へ水分や栄養を与える機能が無いため、それらを補えるスキンケアアイテムと併用することにより、より高い効果を得られる可能性があります。
ご自身で判断せずかかりつけの皮膚科医と肌の状態をよく相談しながらご自分にあったスキンケアの一つとして、肌断食に挑戦してみてはいかがでしょうか。

nana
廣松 叶子
美容家