コーヒーや紅茶のカフェインで自律神経が乱れるって本当?健康に良い効果的な飲み方とは

コーヒーや紅茶のカフェインで自律神経が乱れるって本当?健康に良い効果的な飲み方とは

コーヒーや紅茶が好きな人にとって気になることといえば“カフェイン”ではないでしょうか。コーヒーが好きな人なら、1日に2、3杯飲むという人もいることでしょう。しかし、カフェインは自律神経を乱し、体に良くないのでは…と、気になっている人が多いようです。

そこで本記事では、コーヒーや紅茶に含まれるカフェインと自律神経の関係やカフェインの効果、1日の適切な摂取量やカフェインの効果的な飲み方などについて解説していきます。さらに、自律神経を落ち着かせる飲み物や生活習慣についても紹介するので、ぜひ参考にしてみてください。

コーヒーや紅茶で自律神経が乱れるって本当?

コーヒーや紅茶で自律神経が乱れるって本当?

 

コーヒーや紅茶が好きな人は、朝やランチタイム、休憩時間など、1日に何杯も飲むという人が多いのではないでしょうか。しかし、毎日カフェインを摂っていると「自律神経が乱れたり、体に良くないのでは…」と気になるという人もいることでしょう。実際に、カフェインが自律神経に与える影響はあるのでしょうか?

結論からお伝えすると、摂りすぎなければ問題ありません。むしろ適切な量であれば、体に良い効果を得ることができます。

自律神経は2種類で構成されており、アクセルの役割を果たす「交感神経」とリラックスした状態のときに働く「副交感神経」があります。カフェインには「交感神経」を優位にする作用があるため、カフェインを摂ることで眠気が消えて頭がシャキッとしたり気分がスッキリしたり、元気になったように感じる効果があります。

一方で、カフェインを摂りすぎたり就寝前にコーヒーなどを飲んだりすることで、自律神経を乱す可能性があります。カフェインを摂りすぎると交感神経が過剰に働き、動悸や不安、不眠、人によっては高血圧になるリスクがあるため注意が必要です。

夜はなるべくカフェインを摂らないことをおすすめしますが、どうしても飲みたい時は、なるべく就寝の3時間前までに飲むようにすると良いでしょう。

カフェインと更年期症状の関係について

更年期の主な症状といえば、めまいやホットフラッシュ、気分の落ち込みや不眠、頭痛といったものが挙げられます。更年期は女性ホルモンが減少することで自律神経が乱れやすくなるため、カフェインを摂ることで交感神経が優位になり、更年期症状が悪化する可能性があります。

カフェインを摂りすぎると動悸や不安、不眠といった更年期のような症状が出るため、更年期症状が気になる方はデカフェにしたりミルクを多めに入れたカフェオレやミルクティーにしたりといった工夫をすると良いでしょう。

とはいえ、デカフェもカフェインがゼロではないため、飲み過ぎには注意が必要です。

さらに、カフェインはコーヒーや紅茶だけでなく、緑茶やコーラー、エナジードリンクやチョコレートなどにも含まれています。気づかないうちにカフェインをたくさん摂取していたということにならないように、更年期症状がキツい方はノンカフェインのハーブティーや麦茶といった飲み物を取り入れてみるのも良いでしょう。

ハーブティーなら、更年期症状をやわらげる作用のあるものが販売されているので、試してみるのもおすすめです。

コーヒーには抗ストレス効果がある?コーヒーの効果6選

コーヒーには抗ストレス効果がある?コーヒーの効果6選

「コーヒーは、体に優しい飲み物ではない」というイメージをお持ちの人が多いかもしれませんが、実は、体に良い効果があることをご存知ですか?どのような効果があるのか、一つずつ見ていきましょう。

抗うつ効果

カフェインには、やる気を促すドーパミンや幸福感をもたらすセロトニンの分泌量を増加させる働きがあります。そのため、ドーパミンやセロトニンが低下しているうつ状態の人を、前向きな気持ちに促す効果が期待できます。

ハーバード大学の研究では、コーヒーをふだんから飲んでいる人にうつ病患者が少ないことや、1日に2〜4杯コーヒーを飲む成人は自殺リスクが半減するという結果も報告されています。しかし、飲みすぎると自律神経を乱したり自殺リスクも高まったりするため、くれぐれも適量を守るようにしましょう。

リラックス効果

コーヒーの香りに癒された経験がある人は多いのではないでしょうか。実は、コーヒーの香りには、リラックスするときに発生するα波が発生するという研究結果もあります。

仕事の合間やブレイクタイムにコーヒーを飲むとストレスが軽減されるだけでなく、ドーパミンやセロトニンが分泌され、やる気が湧いてくる効果も期待することができます。そして、コーヒーを飲む際は、アイスよりも腸を温めるホットコーヒーがおすすめです。内臓を温めるだけでなく、ホットのほうがコーヒーの香りが湧き立ち、リラックス効果が高まるでしょう。

血流促進作用

コーヒーにはポリフェノールの一種であるクロロゲン酸が含まれているため、抗酸化作用や血流を促進する作用があります。生活習慣病の予防や美肌効果、脂肪燃焼効果も期待できるので、健康や美容が気になる人にピッタリの飲み物といえるでしょう。

腸内環境の改善

さらに、コーヒーには腸のぜん動運動を促す効果や胃酸の分泌を促す作用があります。そのため、腸が刺激されて便秘の解消や腸内環境の改善につながるといわれています。便秘に悩む人は、試しにコーヒーを取り入れてみるのも良いかもしれません。

むくみ解消

カフェインには利尿作用があるため、老廃物や余分な水分を排出してむくみを解消させる効果を期待することができます。飲みすぎるとトイレが近くなり、脱水症状になりかねないため、むくみを解消したいからといってたくさん飲むことは避けたほうが良いでしょう。

集中力アップ

カフェインの作用によって交感神経が働き、頭がスッキリしたり記憶力や集中力がアップしたりする効果があります。また、疲労感を軽減させる効果も期待できるので、勉強や仕事前の朝食時やブレイクタイムにコーヒーを飲むと、勉強も仕事もはかどるでしょう。

カフェインの1日の摂取量と効果的な飲み方とは?

農林水産省が公表している資料によると、海外では1日あたりのカフェインの摂取量は、一般的に健康な成人で最大400mgマグカップ237mlで約3杯までとされています。

しかし、カフェインはコーヒーや紅茶だけでなく、以下の食品にも含まれているため、気づかないうちに適量を超えてしまうことがあるかもしれません。下記の表を参考に、どの食品にどれくらいのカフェインが含まれているのか、1日の適切な摂取量も併せてチェックしてみてください。

 食品 100mlに含まれるカフェイン量 成人1日の適切な摂取量
玉露 160mg/100ml 250ml マグカップ約1杯
コーヒー 60mg/100ml 666ml マグカップ約3杯
紅茶 30mg/100ml 1332m マグカップ約6杯
煎茶 20mg/100ml 2000ml   マグカップ約8杯
ほうじ茶 20mg/100ml 2000ml マグカップ約8杯
烏龍茶 20mg/100ml 2000ml マグカップ約8杯
ココア 10mg/100m 4000ml マグカップ17杯
エナジードリンク l32〜300mg/100ml 製品により濃度は異なる
チョコレート 25~36mg/100ml 製品により濃度は異なる
高カカオチョコレート 68〜120mg/100ml 製品により濃度は異なる

カフェインを摂りすぎると起こる症状

適量であれば体に良い効果が期待できるカフェインですが、過剰摂取すると逆に体に悪い影響を与えてしまいます。
交感神経が過剰に刺激されることによる動悸や不眠、不安、震え、めまい、吐き気などの症状や自律神経が乱れたり自殺リスクが増加したりといった影響があるため、適量を守るようにしましょう。

カフェインの効果的な飲み方

カフェインには体に良い様々な効果がありますが、その効果を発揮させるためには、飲むタイミングも意識したいものです。カフェインの効果的な飲み方を紹介するので、参考にしてみてください。

食前に飲む

食事の前に飲むメリットは、糖質や脂質の吸収を緩やかにしたり満腹中枢を刺激して空腹感を抑えたりする効果があることです。そのため、ダイエット中の人は食前に飲むと良いでしょう。また、食後の眠気を抑える効果も期待できます。

ただし、空腹時に飲むことでカフェインが胃液の分泌を促して胃に刺激を与えてしまうため、ブラックで飲むよりもミルクを入れて胃を保護すると良いでしょう。

食後に飲む

食後に飲むメリットは、胃液の分泌を促す作用により消化を助け、胃もたれを予防する効果を期待できることです。また、コーヒーに含まれるポリフェノールには抗酸化作用がありますが、ポリフェノールは食後に吸収されやすいといわれているため、効率良く摂取するなら食後に飲むのがおすすめです。

ただし、カフェインは鉄分の吸収を阻害するため、貧血が気になる人は食後30分以上たってから飲むのが良いでしょう。

運動の前

コーヒーに含まれるポリフェノールやカフェインには、代謝アップをサポートする作用があります。そのため、ジムに行く前やウォーキングの前に飲むのもおすすめです。また、交感神経が優位になり、やる気も増進されるので一石二鳥です。

リフレッシュ&リラックスしたいとき

ランチタイムや仕事の休憩時間などに飲むことで、疲れが取れたり頭をスッキリさせたりする効果があります。食後の眠気も予防することができるので、午後からの仕事のパフォーマンスも上がるでしょう。

自律神経を落ち着かせる飲み物や生活習慣とは

自律神経を落ち着かせる飲み物や生活習慣とは

仕事や人間関係、昨今の気候変動や騒音などによるストレスにより、自律神経が乱れている人は多いように思います。

そこで、自律神経を落ち着かせる飲み物を紹介します。ストレスを感じてイライラしたり眠れなかったりするときに、セルフケアとして取り入れてみませんか。

  • ココア
    幸福ホルモンであるセロトニンの働きをサポートし、ストレスを軽減させるGABAが含まれています。カフェインが少なく、リラックス効果も期待できるので、時間帯を気にすることなくホッと一息つきたいときに飲むことができます。
  • ハーブティー
    副交感神経を優位にしてリラックスさせる効果のあるカモミール、リンデン、レモンバームなどがおすすめです。カップに注いだら、湯気から立ち昇るハーブの香りを嗅ぎながら、ゆったりとした気持ちで飲みましょう。
  • 豆乳
    自律神経を安定させる効果が期待できるトリプトファンが含まれている他、女性ホルモンと似た働きをするイソフラボンも含まれているため、更年期症状を緩和する効果も期待できます。
  • 緑茶
    テアニンと呼ばれるアミノ酸の一種が、深い睡眠を促したり脳をリラックスさせる効果があるといわれています。ただし、カフェインが含まれているので、就寝前は避けたほうが良いでしょう。

自律神経を落ち着かせる生活習慣5選

緊張やストレスにより交感神経が優位な状態が続くと、体調不良になる可能性があります。自律神経を落ち着かせるためには、副交感神経が優位になるリラックスモードを作り、バランス良く生活することが大切です。

早速、今日から自律神経を落ち着かせる生活習慣を取り入れて、健やかな日々を過ごしましょう。

①しっかり睡眠をとる

休日はお昼頃まで寝てしまうという人はいませんか?起床時間がズレることで体内時計が狂い、自律神経が乱れます。質の良い睡眠をとるためには一定時間に起床し、起きたらカーテンを開けて日光を浴びる習慣をつけましょう。

また、スマホは寝る前に見るのは避け、アロマや間接照明を活用するなど、眠くなる環境作りをするのもおすすめです。

②運動をする

激しい運動は交感神経が優位になってしまうため、寝る前はストレッチなどで血流を良くするのがおすすめです。また、景色を見ながらウォーキングするのも良いでしょう。適度に運動することで自律神経のメリハリがつき、バランスが整っていきます。

③腹式呼吸をする

腹式呼吸は、副交感神経を優位にするといわれています。まず、お腹に手を当て、鼻から息を吸いながらお腹を膨らませます。そして吐くときにお腹をへこませます。このとき、吸うときよりも吐く時間を長くすることがポイントです。

腹式呼吸はどこでもできるので、緊張している、イライラしている、リラックスしたいと感じたときに行ってみてください。

④好きな香りを嗅ぐ

アロマやハーブティー、香水など、自分が好きな香りを嗅ぐことで瞬時にリラックスすることができます。アロマをハンカチやマスクにつければ、いつでもどこでもリフレッシュすることができます。また、寝る前に好きな香水を少し身につけるのもおすすめです。

⑤湯船につかる

緊張や不安があるときに手足が冷たくなった経験はありませんか?自律神経が乱れると血流が悪くなるため、体を温めて血流を良くすることで自律神経が整いやすくなります。

温かい飲み物を飲むことでホッとすることもできますが、好きな香りの入浴剤を入れてゆったり湯船につかると全身を温めることができ、よりリラックスすることができるでしょう。

まとめ

カフェインは、自律神経や体に優しくないというイメージがありますが、抗ストレス効果や健康・美容効果、仕事のパフォーマンスが上がるといった効果が期待できます。ただし、過剰摂取すると自律神経が乱れて、動悸や不眠、めまい、不安といった症状が現れるため、1日の摂取量を守るようにしてください。

また、本記事で紹介した自律神経を落ち着かせる飲み物や生活習慣も上手に取り入れながら、健やかな日々を過ごせるよう、ぜひ取り組んでみてください。

nana
美容家.com 編集者
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