全粒粉パン・パスタは体に悪い?グルテンフリーで健康的なパン・パスタもご紹介
スーパーでもよく見かけるようになった全粒粉パンとパスタ。実際にどのような栄養素があって、小麦とどのような違いがあるのかを知らないという方は多いのではないでしょうか。体に悪いものなのかどうかについても理解しておきたいですよね。
そこで、本記事では、全粒粉と小麦の違いから全粒粉の栄養価と健康の効果や、小麦粉に含まれるグルテンと体への影響、さらに体に良い全粒粉パン・パスタの選び方まで解説していきます。
また、グルテンフリーで健康的なパン・パスタもご紹介するので、おいしく健康的な食生活を始めたい方は、ぜひ参考にしてみてください。
全粒粉パン・パスタは体に悪い?良い?
スーパーでパンやパスタの売り場を見ると、全粒粉は茶色で小麦粉は白という“色の違い”はわかるものの、全粒粉がどのようなものなのかわからないという方もいるのではないでしょうか?
全粒粉とは、その見た目の色からもわかるように、小麦粉を丸ごと挽いたもので、別名グラハム粉と呼ばれています。小麦粉は表皮と胚芽を取り除いたものに対し、全粒粉は丸ごと挽いているため、茶色くて小麦粉よりも香ばしい風味と食べ応えがあります。
そのため、小麦よりも、丸ごと挽いた全粒粉の方が栄養素が豊富に含まれています。
全粒粉はグルテンフリー?
最近では、アレルギーの方だけでなく、モデルやアスリートといった健康&ヘルシー思考の人たちが取りあげるようになったことで「グルテンフリー」が注目されるようになりました。
グルテンとは、小麦に含まれるグルテニンとグリアジンというタンパク質のことで、水を加えて練ることでグルテンという成分に変化します。グルテンは、パンやパスタ、うどんなどに含まれ、モッチリとした食感が楽しめるのはグルテンによるものです。
実は、全粒粉にも小麦同様にグルテンが含まれています。しかし、全粒粉には表皮が含まれているため、小麦と比べてグルテンを生成しにくいという特徴が挙げられます。そのため、小麦で作ったパンやクッキーに比べると、全粒粉で作ったものはモッチリ感が少なく、あっさりとした仕上がりになり、カロリーも小麦に比べると低カロリーになります。
小麦よりも栄養価が高くてヘルシーですが、全粒粉にはデメリットもあります。そこで、ここからは、具体的に体に良い理由と悪い理由について、それぞれ詳しく解説していきます。
全粒粉パンが体に良い理由
前述した通り、全粒粉は小麦粉を丸ごと挽いた粉であるため、そのぶん小麦よりも栄養素が多く含まれています。また、噛みごたえがあり腹持ちがいいことや、ダイエットや生活習慣病が気になる方にとって、以下のようなうれしい栄養素が含まれています。
- 食物繊維
全粒粉には食物繊維が豊富に含まれているため、便通を良くしたりお腹の調子を整えたりする効果があります。さらに食物繊維には、血糖値の上昇を緩やかにしたり血中コレステロール値を低下させたりといった効果が期待できるため、ダイエットや生活習慣病予防が気になる方にうれしい栄養素が含まれています。 - ビタミンB群
糖質や脂質、タンパク質の代謝を促すビタミンB群も豊富に含まれています。特にB1・B2・B6が多く含まれ、不足すると疲労感や肌荒れ、貧血などを引き起こす可能性があります。 - ミネラル
体の健康をサポートする鉄、マグネシウム、亜鉛などのミネラルが豊富に含まれています。免疫機能を高めたり精神の安定、疲労回復などの効果が期待できます。
全粒粉パンが体に悪い理由
栄養素が豊富に含まれた全粒粉ですが、体に悪い面もあります。1つずつ見ていきましょう。
- ミネラルの吸収を阻害するフィチンが含まれている
全粒粉には、小麦の胚芽に含まれているフィチンという成分があり、カルシウムや鉄分などのミネラルの吸収を阻害する働きがあります。しかし、過剰に摂取しなければ、特に心配する必要はないでしょう。 - 酸化しやすい
全粒粉には、不飽和脂肪酸という酸化しやすい成分が含まれています。酸化すると風味が悪くなるだけでなく、体に悪い影響を与える可能性があるため、小麦よりも賞味期限が短く、なるべく早く消費する必要があります。
小麦の場合、保存期間は未開封の状態で1年程度ですが、全粒粉は1〜2ヶ月程度とされているため、購入したら保存期間に注意するようにしましょう。 - 残留農薬
表皮も含まれている全粒粉は、そのぶん栄養素が小麦よりも豊富な反面、表皮に付着しやすい残留農薬に注意が必要です。そのため、農薬が気になる方は、無農薬の全粒粉を購入すると良いでしょう。
このように、体に悪い影響を与える部分があるものの、過剰摂取をしない、早めに消費する、農薬が気になる方は無農薬を購入する等、注意をすれば悪い影響を防ぐことができます。
小麦粉・グルテンの体への影響とは
グルテンは、パンやうどんなどをモッチリさせルため、おいしさには欠かせない成分である一方、アレルギー症状の原因になったり、腸に穴が空くリーキーガット症候群や肥満、糖尿病との関係があるといわれています。そのため、近年ではグルテンフリーに注目する人が多くなっています。
グルテンは消化酵素では分解しにくい性質があるため、腸の炎症を起こしやすい要素があるのです。腸が不調になると、便秘や下痢だけでなく、疲れやすくなったり栄養をしっかり吸収できなかったりといった不調が出てきます。
さらに、グルテンには中毒性があるといわれており「もっと食べたい!」と食欲の抑制ができなくなるうえに、空腹状態で急激に食べると血糖値が上がるため、肥満の原因にも繋がります。
グルテンは、パンやパスタ、うどんの他に、ラーメンや餃子の皮、カレーのルー、ケーキなどにも含まれているため、現代では摂りすぎている人が多いといえるでしょう。そのため、米粉や大豆粉などのグルテンフリー食品を活用しつつ、賢く健康管理をする必要があります。
体に良い全粒粉パン・パスタの選び方
全粒粉パンやパスタは、どれも同じというわけではありません。体に良いものを選ぶためには、以下のポイントをおさえておくと良いでしょう。
全粒粉が多く含まれているものを選ぶ
栄養素をしっかり摂るためには、全粒粉の配合が多いものを選ぶのがベストです。できれば全粒粉100%のものがおすすめです。配合が少ないものはグルテンの量が多くなるだけでなく、栄養素も減るため、配合量を確認するようにしましょう。
全粒粉100%のものをスーパーなどで見つけることは難しいため、ネット通販やパン屋さんで配合量を確認すると良いでしょう。
国産・有機のものを選ぶ
全粒粉には表皮が含まれているのですが、表皮に残留農薬が付着しやすいといわれています。残留農薬が気になるという方は、有機または無農薬のものを選ぶと良いでしょう。
有機とは、農薬や化学肥料などで汚染されていない土地で、JAS認定された農薬であれば使用可能なものを指し、無農薬は農薬をいっさい使用していないものを意味します。
無添加のものを選ぶ
スーパーなどで売られている市販のパンには添加物が使用されているものが多いため、原材料を確認することが大切です。より体に優しいものを選ぶのであれば、パン屋さんまたはネット通販で無添加のものを選ぶようにしましょう。
グルテンフリーで健康的なパン・パスタはこれ!
グルテンフリーの体にうれしいパンとパスタを紹介します。グルテンフリーの「パン」を選ぶなら、米粉のパンがおすすめです。米粉パンには玄米が含まれたものもあり、栄養価を意識するのであれば、玄米パンがおすすめです。玄米にはビタミンB群やミネラル、食物繊維が含まれています。さらに、米粉は小麦粉よりも腹持ちが良いのもうれしいポイントです。
そして、グルテンフリーの「パスタ」を選ぶなら、見た目も味わいも小麦に近い“米粉・とうもろこしをブレンドしたパスタ”や、腹持ちが良く栄養価も高い“米粉・玄米粉のパスタ”、糖質をおさえてタンパク質も摂れる“黄えんどう豆を使用したパスタ”がおすすめです。
また、グルテンフリーパスタは茹でるとぬめりが出てくっつきやすいため、茹でたら流水でぬめりを取ることでソースが絡みやすくなり、おいしくいただけます。
波里 お米の玄米パン
参考価格:2,680円
国産玄米から作った玄米粉を100%使用したパン。新潟県特有の特許技術によって開発された「微細製粉米粉」にしたものを中心に作られた贅沢な玄米パンです。気軽に食べられるミニサイズなのもうれしい。
まるもグルテンフリー食パン
国産の米粉・甜菜糖・グレープシードオイル・米ぬかなど、こだわりの素材をふんだんに使用した食パン。トースターで5分焼くと、外はカリッと中はモチモチに仕上がり、おいしくいただけます。
アルチェネロ 有機 グルテンフリー スパゲッティ
有機とうもろこし粉と有機米粉のみで作られた1.8mmのスパゲッティ。有機JAS認証、EUオーガニック認証取得。ほんのり穀物の甘さを感じつつ、もちっとした仕上がりに。
ケンミン ライスパスタ
食品添加物不使用の玄米入りライスパスタ。腹持ちが良く栄養価も高いうえに、もちもちっとした食感がおいしい低GI食品です。
【糖質オフの豆100%麺】 ZENB ゼンブ ヌードル 丸麺
糖質オフの豆100%麺。原材料の黄えんどう豆は、プロテインの原材料にも使われる優秀素材。食物繊維や植物性たんぱく質が豊富なのに脂質は少なく、2021年に「FYTTE ダイエット & ヘルス大賞」を受賞したヘルシー麺です。
健康的にパン・パスタを食べるコツ
健康的にパンやパスタを食べたいのなら、サラダやきのこ、豆や海藻類といった食物繊維を一緒に食べるのがおすすめです。食物繊維は血糖値の上昇を緩やかにする作用があります。
パンは単体で食べるのではなく、食べる前にサラダやきのこ、海藻や豆類のスープを先に食べることがポイントです。満腹感も得られるので、食べ過ぎの予防にもなります。
パスタを食べる場合も単品ではなく、食物繊維が豊富なサラダやスープを一緒に食べるのがベストです。単品で食べる場合は、具材に食物繊維が豊富なきのこやブロッコリー、豆類を加えると良いでしょう。
また、パスタの種類によってGI値が異なるため、血糖値の上昇を抑えるならGI値が低いものを選びましょう。一般的に生パスタよりも乾燥パスタや全粒粉パスタの方がGI値が低いといわれています。
さらに、コッテリとしたクリーム系やミートソースよりもトマトソースやオリーブオイルベースのソースといったヘルシーなものにすると、より健康的にいただくことができます。
まとめ
本記事では、全粒粉の栄養素や効能、小麦粉との違いについて解説してきました。全粒粉は小麦粉よりも栄養価が高く、低カロリーなため、健康にもダイエットにも良い食材といえます。
また、体に良い全粒粉のパン・パスタの選び方やおすすめの商品だけでなく、グルテンフリーのパン・パスタも紹介したので、これらを参考に、おいしく食べて健康な体を目指していきましょう。
この記事を書いた人(執筆者情報)
美容家.com 編集者 – 編集者
本サイトの編集者。美と健康の専門家メディア『美容家ドットコム』の運営、専門家のPR・キャスティング事業を行い、自身も手の専門家として活動。前職であるネイルサロンおよびスクールの経営経験から、女性の年齢が手に現れることに着目し、日本初の手のアンチエイジングに特化した日本ハンドビューティー協会を設立。情報があふれる今、専門家の信憑性の高い情報の必要性を感じ、美容家ドットコムの立ち上げに至る。
株式会社エイジングケア 代表取締役
一般社団法人日本ハンドビューティー協会代表理事
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美容家ドットコム編集部 – 監修者
美容家ドットコムは、美容と健康の各分野における専門家600名以上が登録するプラットフォームです。皆様の疑問に答え、信頼性の高い情報を提供することを目指しています。
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