
昆布水を飲むとどうなる?むくみと肌への効果や作り方を解説
朝、起きて「体が重い」「だるい」と感じたことはありませんか。その原因は「むくみ」かもしれません。しかし顔や手足にむくみがあっても、そのまま放置する方も多いのではないでしょうか。
「そのうち治るだろう」と放置しがちなむくみですが、そのままにしておくと血流が滞り皮膚トラブルや代謝の低下など体にさまざまな悪影響を及ぼす可能性があります。むくみは放置せずにその日のうちに解消できるよう心掛けましょう。
むくみに困っている方におすすめなのは「昆布水」です。この記事では「むくみ」とは何か、むくみの原因とメカニズムを解説し、解消するためにおすすめの昆布水について紹介しています。昆布水の作り方や飲み方・おすすめのタイミングを知り、ぜひむくみ解消方法の参考にしてみてください。
むくみとは?原因とメカニズムを知ろう
むくみとは、皮膚の下に余分な水分が蓄積された状態のことです。むくみの原因は生活習慣や食生活などさまざまです。
体の中では動脈から出た水分がリンパ管を通って静脈に回収されます。しかし、何らかの原因で処理がうまくいかずに体の水分のバランスが崩れると「むくみ」として表れます。これがむくみを作るメカニズムです。
そもそも「むくみ」とは何か
むくみとは「浮腫」とも呼ばれ、皮膚の下に水分が溜まり内側から押されて膨らんだ状態を指します。一般的には腫れているような状態で、顔や腕・手指・ひざ下からつま先によく見られます。重力の影響があるため、膝より下は特に発生しやすい部位として挙げられます。
主な原因は水分・塩分・血行不良
むくみを引き起こす主な原因は、水分不足・塩分過多・血行不良が考えられます。
- 水分不足
一見、水分を摂りすぎるとむくみを起こすと思われがちですが、実は水分不足が原因とされています。体の水分が不足すると脱水症状になり、細胞が水分を溜めこもうと働くためにむくみを引き起こしてしまいます。 - 塩分過多
食事から塩分を過剰に摂りすぎることも原因の1つです。体内には塩分を一定に保つ機能があります。そのため塩分を多く摂取すると、体内バランスを整えるために塩分を薄める反応が起こり水分を溜めこむようになります。 - 血行不良
長時間同じ姿勢で過ごすことや、冷えが原因で血流が悪くなることもむくみの原因となります。筋肉の動きによって促進される血流は、動かないと滞ります。また、冷えからの血管の収縮で血行不良が見られることもあります。
これらから静脈がせき止められて血管の圧力が上昇し、細胞へと染み出す水分量が増加することによってむくみが発生します。
日常でできるむくみの予防法
前述の通り、むくみには食生活や生活習慣が大きく関わっています。
日常の中でできるむくみの予防法として、水分不足にならないようにこまめに水分補給をすること、塩分を摂りすぎているときは減塩を心掛けることが挙げられます。
また、立ち仕事やデスクワークなど同じ姿勢で過ごす時間が長い場合、定期的にストレッチをして筋肉を伸ばすことでむくみを解消できます。
むくみに効く食べ物・飲み物とは
食材の栄養素からむくみを解消する方法もあります。こちらではむくみに効くカリウム・マグネシウムなどや、それを含む食べ物・飲み物について具体的に紹介します。
カリウム・マグネシウムなどの栄養素
塩分を摂りすぎてむくみがある場合、カリウムやマグネシウムなどの栄養素が効果的です。カリウムには体内のナトリウム(塩分)や水分を排出する作用があり、むくみ解消に役立ちます。
マグネシウムは体内のナトリウム量を調整し、血液循環を正常に保つために余分な水分を排出する利尿作用があります。その他、たんぱく質やビタミンB群にも体内水分の代謝を助ける働きがあります。
むくみ解消に効果的な食べ物・飲み物
カリウムは野菜や果物に多く含まれています。マグネシウムは海藻類・ナッツ類・魚介類から摂ることができます。ビタミンB群が摂れる肉・魚などのたんぱく質や、豚肉・卵もむくみ解消におすすめの食材です。
また、水分補給として白湯やホットレモンウォーターを用いると代謝の促進が期待できます。その他にカリウムを含む豆乳・牛乳、利尿作用のある緑茶・紅茶もむくみ解消に効果的です。ただしカフェインの過剰摂取はむくみの悪化につながる可能性があるため、適切な量を飲むことが大切です。
そして、むくみに効果のある食材として「昆布」もおすすめです。昆布はカリウムを豊富に含み体内の水分バランスを整えます。「昆布水」にすると利尿作用の働きも発揮します。
昆布に含まれる栄養素と効果
身近にある昆布ですが、実は豊富な栄養素とさまざまな健康効果を持っています。実際にどのような栄養素が含まれていてそれによる健康効果とは何か、こちらで詳しくお伝えしていきます。
昆布に含まれる主な栄養素とは
- 食物繊維
昆布にはアルギン酸やフコイダンという食物繊維が含まれており、体内のコレステロールや血糖値の上昇を抑制し、緩やかにする働きがあります。また、整腸作用があるため腸の働きを活発にして腸内環境を整えることにより便秘の解消や予防にも役立ちます。 - ミネラル
昆布に含まれるヨウ素は新陳代謝を促す栄養素で、肌の健康や美容に効果があります。カリウムはむくみを解消するため、高血圧の予防につながります。カルシウムも含まれており骨や歯の健康を維持します。 - その他
昆布の中のラミナランという栄養素は美肌効果や免疫向上に作用します。また、旨み成分であるグルタミン酸は、食欲増進だけでなく消化も助ける役割があります。
昆布の栄養による健康効果とは
- 生活習慣病の予防
昆布に含まれる栄養素により高血圧・糖尿病・高脂血症など生活習慣病の予防に効果が期待できます。 - ダイエットなどの美容効果
低カロリーで歯ごたえのある昆布は、よく噛むことで満腹中枢を刺激します。また、満腹感を与える栄養素も含まれているのでダイエットにおすすめです。美肌効果も期待できて美容にもよい食材です。 - ストレスの軽減
昆布に入っているカルシウムは、ストレスを抑えて精神を安定させる作用があるといわれています。
昆布はむくみ解消にも役立つ
昆布はカリウムが豊富で利尿作用があるため、体内の余分な水分を排出してむくみの解消に役立ちます。また、水溶性の食物繊維によって便秘を解消することもむくみ対策として挙げられます。
昆布水とは?基本の効果と特徴
昆布水とは、昆布を水に浸けて成分を抽出したもので昆布の栄養素が凝縮された水です。簡単に作れてそのまま飲む・アレンジ・料理と自由に活用できます。幅広く使える昆布水の基本の効果と特徴について紹介します。
昆布水がむくみに良い理由
昆布にはカリウムやマグネシウムなどミネラル成分がバランスよく含まれています。これらの栄養素が凝縮された昆布水は、体内水分調整や利尿作用に働きかけてむくみの解消へとつながります。
肌・腸・代謝への効果も
昆布水は肌・腸・代謝への効果もあります。
- 肌
昆布の栄養素により体内の水分バランスが整うと乾燥しがちな肌に潤いを与えます。「フコキサンチン」という成分は紫外線からの肌へのダメージを和らげる効果があるといわれています。 - 腸
昆布特有のぬめり成分である「アルギン酸」「フコダイン」は腸内環境を整えます。アルギン酸は腸の中で脂肪分と結合し、便と一緒に排出されます。便通をよくして腸の健康を助けます。 - 代謝
昆布にはカルシウム・カリウム・鉄・ヨウ素など血流を改善するミネラルが豊富です。色素成分であるフコキサンチンは脂肪の燃焼を促進し、アルギン酸はエネルギー代謝の効率をよくする効果があります。
昆布茶との違いについても解説
昆布茶と昆布水は製造方法や味が異なります。昆布茶は昆布を乾燥させて粉末状にし、塩や砂糖など調味料を加えて作られます。そのため、風味豊かで飲みやすい味になっています。昆布水は昆布を水に浸けて作られ、味は旨み成分が溶けだしたシンプルなものです。
また、それぞれの用途も異なります。昆布茶は調味料が使用されているため、塩分が多めであることから料理の風味付けに活用されます。昆布水は塩分をほぼ含まずに栄養素のみ凝縮されており、健康維持のための飲料として適しています。
むくみ対策に最適な昆布水の作り方
むくみの対策に最適な昆布水ですが、実際どのように作るのか気になりますよね。ここでは昆布水の基本の作り方と保存方法についてお伝えします。
必要な材料と選び方
昆布水に必要な材料は「昆布」と「水」です。ではどのようなものを選べばよいのでしょうか。品種・製造方法・等級・水についてお伝えします。
- 品種
昆布を水に浸けたときに栄養素を抽出しやすいものを選びます。羅臼昆布・真昆布・利尻昆布・カゴメ昆布が当てはまります。それぞれ風味が異なるのでお好みのものを使用しましょう。 - 製造育成方法
昆布の育成方法は天然・養殖・促進栽培の3種類あります。どれも昆布水を作ることができますが、こだわるのであれば育成期間が長く栄養素の多い「天然」または「養殖」の昆布を選ぶとよいでしょう。 - 等級
昆布は品質から等級に分けられます。等級が低いと栄養素が少ない傾向があるため、3等級以上の昆布がおすすめです。 - 水
昆布の栄養素の抽出力を高める水は「軟水」です。また水道水ではなくミネラルウォーターやウォーターサーバーのものが昆布水と相性がよいとされています。
昆布水の基本の作り方
- 材料
昆布の「葉」10gに対して水1リットル
昆布の「根」1個に対してコップ1杯 - 基本の作り方
①昆布を必要なサイズにカットし、表面の汚れをかたく絞った布ふきんで落とす。
②昆布の下に切り込みを入れる。※栄養素が抽出しやすくなります。
③フタのできる容器に昆布と水を入れ、冷蔵庫で8~12時間ほど浸けおきする。
④最後に昆布を取り出して完成。
日持ちと保存方法の注意点
昆布水は冷蔵庫で3~4日ほど日持ちします。衛生面を考慮し必ずフタ付きの容器で冷蔵保存しましょう。昆布は長く浸けすぎると水が濁ったり海藻臭さが出てきますので忘れずに取り出します。
昆布水の飲み方とおすすめのタイミング
昆布水は簡単に作ることができて便利な健康飲料水ですが、飲みすぎは禁物です。1日に飲む目安の量や健康維持のためのおすすめのタイミングをご紹介します。
1日に飲む目安量と飲み過ぎによる注意点
昆布水は1日あたりコップ1杯(200ml)が目安です。飲み過ぎてしまうと食物繊維の過剰摂取による下痢やヨウ素の過剰摂取により甲状腺機能障害のリスクが高まるので注意が必要です。
ヨウ素の摂取推奨量は成人の場合、1日あたり130ugです。また習慣的に摂取する場合、1日あたりの上限量は3000ug以下と定められています。乾燥した昆布には100gあたり約13万ug(0.13mg)のヨウ素が含まれています。
昆布水のコップ1杯あたりのヨウ素含有量は昆布の種類や水加減によって異なりますが、適切な摂取量を守って健康維持を心掛けましょう。
昆布水をそのまま飲む場合の味や飲みやすさ
昆布水は水分補給としてそのまま飲むことができます。タイミングは朝一番に飲むとデトックス効果が期待できておすすめです。
飲んだ後の口の中に残る旨みは口寂しさを紛らわす味である一方、昆布成分からの磯臭さが苦手な方は飲みづらいと感じることもあります。そのようなときは水の分量を増やして濃度を調整すると飲みやすくなる場合もあります。
昆布水のアレンジレシピ&活用方法
昆布水はそのまま飲むだけでなく、さまざまなアレンジが楽しめます。昆布の旨みは老若男女に好まれる味であり料理に幅広く活用できます。昆布水のアレンジレシピや活用方法を紹介します。
レモンや生姜で味に変化をつける
昆布水にレモン汁を加えて風味をつけます。昆布特有の海藻の香りを解消してすっきりとした口あたりになり飲みやすくなります。また、昆布水を作るときに太めの千切り生姜を一緒に浸けると、生姜昆布水になります。さっぱりとした味でお酒を飲み過ぎたときや食欲がないときにもおすすめです。
スープ・炊き込みご飯などへの活用例
鍋に昆布水を入れて野菜などと加熱・味付けするとスープとして食べられます。また、炊き込みご飯を作る際に水ではなく昆布水で炊くと、栄養素が加わるとともに素材のおいしさをより一層引き立てます。昆布水はクセがないため、どのような料理や味付けにも合います。
余った昆布も無駄なく使える工夫
昆布水から取り出した昆布も栄養素が豊富であるため、工夫すると捨てずに無駄なく使えます。食べやすい大きさにカットしてから甘辛く煮て佃煮にしたり、大豆と一緒に煮るとおかずにもなります。
本記事では昆布水の作り方や摂取量の注意点、むくみと肌への効果などについてお伝えしました。昆布は馴染みのある食材であり、その旨みからはホッとする安心感を得られる日本の味です。
おいしさだけでなくむくみ解消や美肌作用など、さまざま健康効果を期待できる万能食材です。今回の情報を毎日の健康維持にお役立ていただけましたら幸いです。
この記事を書いた人(執筆者情報)

美容家.com 編集者 – 編集者
本サイトの編集者。美と健康の専門家メディア『美容家ドットコム』の運営、専門家のPR・キャスティング事業を行い、自身も手の専門家として活動。前職であるネイルサロンおよびスクールの経営経験から、女性の年齢が手に現れることに着目し、日本初の手のアンチエイジングに特化した日本ハンドビューティー協会を設立。情報があふれる今、専門家の信憑性の高い情報の必要性を感じ、美容家ドットコムの立ち上げに至る。
株式会社エイジングケア 代表取締役
一般社団法人日本ハンドビューティー協会代表理事
この記事を監修した人(監修者情報)

美容家ドットコム編集部 – 監修者
美容家ドットコムは、美容と健康の各分野における専門家600名以上が登録するプラットフォームです。皆様の疑問に答え、信頼性の高い情報を提供することを目指しています。
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