ピーナッツバターは体に悪い?体に良い?その健康効果やレシピをご紹介!

ピーナッツバターは体に悪い?体に良い?その健康効果やレシピをご紹介!

皆さんはピーナッツバターをどんな時に使いますか?パンやトーストに塗るイメージが強いですよね。最後まで使いきれずに捨ててしまうこともあるかもしれません。

ピーナッツバターは甘くてなんとなく健康に悪いイメージもあるかもしれません。しかし、実はピーナッツバターは健康食として注目されている食材です。パン以外にもさまざまな料理に使えるので、日常的にピーナッツバターを取り入れることが可能です。

今回はピーナッツバターの健康効果を解説します。自宅で作れるピーナッツバターやピーナッツバターを使った料理のレシピもご紹介していますので最後までお読みください。

ピーナッツバターは体に悪い?良い?その健康効果を解説!

はじめにピーナッツバターの説明と、その知られざる健康効果を解説します。普段から使っていないとピーナッツバターについて間違った認識をしやすいです。きちんと理解しておきましょう。

そもそもピーナッツバターとは?

ピーナッツバターと聞くと砂糖たっぷりで甘く、健康に悪いイメージがありませんか?もしかしたらそれは「ピーナッツクリーム」を思い浮かべているかもしれません。

ピーナッツバターは乾燥して炒ったピーナッツをすり潰してペースト状にしたものです。ピーナッツペーストとも呼ばれます。アメリカでは原材料の90%以上ピーナッツを使用したものを定義します。

「バター」と表記していますが乳製品は使われていません。ピーナッツをすり潰した時に出る油分のみで濃厚なバターのようなペースト状になります。ピーナッツ以外の食材もほとんど使われていないのがピーナッツバターです。

一方「ピーナッツクリーム」はピーナッツバターに砂糖や水あめ、植物油脂などを添加して調味したものです。子どもでも食べやすいように作られました。日本ではこちらの商品の方が身近であり、市場でも多く販売されています。

また「バターピーナッツ」という名の商品も見かけます。こちらは上記の2つとは形状が異なり、殻をむいたピーナッツをそのまま炒り、バターと塩で絡めたものです。塩気が強いため、お酒のおつまみで食べる機会が多いです。

バターピーナッツはバター、塩を使っているのでカロリーや塩分は高めです。ピーナッツクリームも見た目は似ていますが、ピーナッツバターと比べるとカロリーや糖分、添加物が多い傾向にあります。一概に体に悪いとは言えませんが、健康のことを考えるとピーナッツクリーム・バターピーナッツの継続的な摂取は控えるべきでしょう。

健康に良いとされるのは「ピーナッツバター」です。購入する際には間違えないようにしてください。

ピーナッツバターのカロリーや栄養素

ピーナッツバターは文部科学省発行の日本標準成分表によると100gあたりのカロリーは599kcalです。大さじ1杯(約12g)で換算すると、約72kcalです。

脂質が高い傾向にありますが、不飽和脂肪酸の「オレイン酸」と呼ばれる体に良い影響を与える質の良い油のため、摂取量をきちんと守って摂取すれば問題ありません。

また、高タンパクな点も特徴です。大さじ1杯で約2.5gのタンパク質が摂れます。その他にビタミンB群、ビタミンE、ミネラルも豊富です。

ピーナッツバターは体に悪い?デメリットと注意点を解説

ここまで特徴や栄養素をお伝えしてきましたが、ピーナッツバターを摂取するデメリットはあるのでしょうか?

ピーナッツバターは体に悪い食品ではありません。しかし、健康に良いとされている食品でも食べすぎは禁物です。ピーナッツバターは脂質が高いので大量の摂取が続くと肥満のリスクがあります。

また、商品の中には砂糖や食塩が添加しているものもあります。このような商品の過剰摂取は糖分・ナトリウムの摂りすぎにつながり、肥満・糖尿病や高血圧などの生活習慣病のリスク増加にも影響するので注意しましょう。

砂糖、食塩以外にも乳化剤や安定剤、保存料などが添加されている場合があります。比較的安価な商品に含まれることが多いので手に取りやすいかもしれません。

これらの添加物は安全で有効な食品添加物として厚生労働大臣から認められているものです。毎日摂取しても問題ない使用量を決められた上で使われています。しかし、添加物は生活習慣病や死亡リスクと関連しているのではないか、との指摘から議論されていることも事実です。

添加物が使われる理由の多くは、見た目や風味の向上・長持ちさを持続するためです。健康のために摂取をするのであれば、添加物が入っていない食品本来の成分・栄養素を摂ることをおすすめします。ピーナッツバターも原材料がピーナッツ(落花生)のみの商品がおすすめです。

健康に良いピーナッツバターの選び方については記事の後半で紹介しているので、ぜひ参考にしてください

ピーナッツバターの健康効果

前項でもお伝えしたように、オレイン酸と呼ばれる良質な油がピーナッツバターには豊富に含まれています。健康に良いとされる油で悪玉コレステロールを減らす作用があり、血圧を下げる効果が期待できます。

ビタミンEも多いです。抗酸化作用があるビタミンEは美肌効果が期待できます。また、食物繊維も含まれています。血糖値が急激に上がりにくい「低GI食品」であり、食べると満腹感が得られることからダイエット効果も期待できます。

ピーナッツは健康と美容に良い効果が期待できます。ピーナッツのままでは毎日摂取しにくいですが、ピーナッツバターであれば、料理にも使いやすいので幅広いシーンで活用できます。

ピーナッツバターはダイエットに良いのか

ピーナッツバターはダイエットに良いのか
ピーナッツバターはダイエット中に食べてもOKです。低カロリーな食品ばかり食べていたり、食事を抜くようなダイエットをしたりすると栄養不足に陥りやすく、かえって体調不良になる場合があります。

ピーナッツバターは高タンパク質で良質な脂質を含んでいるので必要なカロリー・栄養素を補いつつ、健康的にダイエットをサポートしてくれます。口当たりも濃厚でなめらか、そしてしっかりと油分を感じるので食後に満足感を感じやすい点もダイエット中には嬉しいです。

ただし、くれぐれも食べすぎには注意してくださいね。

健康目的やダイエットに効果的なピーナッツバターの食べ方

ピーナッツバターは砂糖を加えていなくてもほのかな甘さを感じます。「ピーナッツクリーム」の印象から、パンに塗ったり甘いお菓子に混ぜたりするイメージがあるかもしれませんが、スープや野菜の和え物にもピーナッツバターは使えます。

ダイエット中は低カロリーでさっぱりとした野菜や果物、きのこ、こんにゃくなどの食品を摂取する傾向がありますが、それだけではエネルギー不足で体調不良になりやすく、継続しにくいので失敗する可能性が高いです。

低カロリーな食品とピーナッツバターを和えると、カロリーを抑えながらも満足感を感じやすい料理になります。自家製ドレッシングに使ってもOKです。タンパク質も含まれているので、例えばタンパク質が不足しがちな朝食にバナナ・リンゴなどの果物と和えて食べるのもおすすめです。

1日の摂取量の目安

ピーナッツバターの摂取量の目安は、1日に大さじ2~3杯(約30g)です。この程度の摂取であれば、毎日摂っても構いません。

健康に良いピーナッツバターの選び方とおすすめの商品ランキング!

次に健康に良いピーナッツバターの選び方とおすすめ商品をご紹介します。間違ったものを選んでしまうと体に悪影響を及ぼす恐れあるので注意しましょう。

健康に良いピーナッツバターの選び方

ピーナッツバターを選ぶ時は原材料をよく確認するようにしましょう。砂糖や水あめが添加されている「ピーナッツクリーム」を選ぶとカロリーや糖質の摂りすぎになる可能性があります。健康に悪いので選ばないようにしてください。

ピーナッツバターと表記されていても食べやすいように砂糖や食塩が添加されている商品はあります。最もおすすめなのは、無糖で原材料がピーナッツのみのシンプルなものです。

【おすすめ第1位】アリサン 有機ピーナッツバター クランチ(454g)


オーガニック食品で有名のアリサンのピーナッツバターは有機ピーナッツのみを使用しています。ペーストタイプとクランチタイプがあり、おすすめのクランチタイプはピーナッツの粒が残っている状態のものです。

ピーナッツ本来の風味とコクが感じられるので、パンに塗る以外に様々な料理に使うことができます。量も多いので毎日使う人におすすめです。価格は税込み1,430円です。

【おすすめ第2位】オオノ農園 落花生100%ペースト(160g)

【おすすめ第2位】オオノ農園 落花生100%ペースト(160g)
ピーナッツといえば千葉県ですよね。オオノ農園のピーナッツバターは千葉県・香取市で有機肥料で栽培された落花生を100%使用した国産のピーナッツバターです。国産を選びたい人におすすめです。

品種の違うピーナッツを配合して作られており、風味豊かで濃厚な味になっています。「食のちばの逸品を発掘2015」コンテストでは金賞を受賞しています。価格は税込み1,180円です。

【おすすめ第3位】三育フーズ ピーナッツバター(150g)


三育フーズのピーナッツバターは原材料がピーナッツのみです。砂糖も食塩、また乳化剤や安定剤も加えていません。素材本来の味が楽しめます。

価格は税込み582円とピーナッツバターの中では比較的安価なので初心者にもおすすめです。

自分でも作れる!無糖ピーナッツバターのレシピ

ピーナッツバターは自宅でも簡単に作れます。薄皮を剥いた素焼きピーナッツを200g用意しましょう。ミキサーに入れて6~7分混ぜれば完成です。

ピーナッツの粒を感じたい場合はミキサーで混ぜた後に刻んだピーナッツを加えればクランチタイプができます。ミキサーにかける際にもしも混ぜにくい場合は植物油を少量入れるとスムーズに回ります。

常温でも保存できますが、冷蔵庫での保存がおすすめです。密封できるようにビンに詰めましょう。

ちなみにピーナッツバターをしばらく置いているとピーナッツと油分の二つの層ができます。不安になるかもしれませんが乳化剤を使用していない証拠です。市販の商品でも起こることがありますが、品質には問題ないので使用する際には練って使うようにしてください。

ピーナッツバターを取り入れた簡単料理をご紹介

ピーナッツバターを取り入れた簡単料理をご紹介
次にピーナッツバターを取り入れた料理をご紹介します。健康・美容効果が高いピーナッツバターは毎日でも取り入れたい食材です。パン以外にも様々な料理に使えるので参考にしてみてください。

ピーナッツバターは料理にも使える!

前項で解説したようにピーナッツバターはパンやお菓子、それ以外のサラダや和え物など様々な料理に使っても美味しく摂取できます。そのままだけではなく料理にも使って摂取しましょう。

ピーナッツバターを料理で活用するおすすめのレシピをご紹介します。

ピーナッツバターとりんごのサンドイッチ

<材料(1人分)>

  • 食パン 2枚
  • ピーナッツバター 大さじ2
  • りんご 1/4個
  • スライスチーズ 1枚
  • 黒コショウ 少々

<作り方>
①食パンにピーナッツバターを塗る。りんごを皮つきのまま薄くスライスする。
②ピーナッツバターを塗った食パンにりんご、スライスチーズ、黒コショウを順番にのせてもう片方の食パンで挟めば完成。

ほうれん草のピーナッツバター和え

<材料(1人分)>

  • ほうれん草 1束
  • ピーナッツバター 大さじ1
  • しょうゆ 小さじ1
  • 砂糖 大さじ1

<作り方>
①ほうれん草はよく洗い、耐熱容器に入れてラップをかけ電子レンジで600W2分30秒加熱する。加熱後、すぐに水にさらして冷却しておく。
②残りの食材をボウルに入れて混ぜ、和え衣を作る。ほうれん草の水気を絞って3cm幅に切り、和え衣と和えたら完成。

ピーナッツバターのバンバンジーサラダ

<材料(1人分)>

  • 鶏ささみ 1枚
  • 料理酒 大さじ1
  • レタス 1/4個
  • きゅうり 1/2本
  • ピーナッツバター 大さじ2
  • しょうゆ 大さじ1
  • 砂糖 小さじ1
  • 酢 大さじ1
  • 豆板醤 小さじ1/2
  • すりおろししょうが 小さじ1/2

<作り方>
①フォークで鶏ささみに数か所穴を開ける。耐熱皿に料理酒と一緒に入れてラップをし、電子レンジで600W4分加熱する。
②加熱した鶏ささみは粗熱を取ったら細く裂く。レタスは食べやすい大きさにちぎり、きゅうりは千切りにする。
③皿にレタス、鶏ささみ、きゅうりの順にのせて、残りの調味料を合わせたバンバンジーソースを全体に回しかけたら完成。

健康に良いピーナッツバターの選び方:注意すべきポイント

さまざまな商品がある中で、健康に良いピーナッツバターを選ぶ際の注意点をさらに具体的に解説していきます。

まず購入の際に確認したいのは原材料です。本来ピーナッツバターは原材料が落花生のみの無添加が基本ですが、商品の中には食べやすいように砂糖などの糖分、植物油脂や保存料が添加している場合があります。

余計な糖質や脂質を摂取するとカロリー・脂質の摂りすぎとなってしまいます。本来の栄養素を十分に摂るために、選ぶ際は無糖・無添加のピーナッツバターを選ぶようにしてください。

ラベルの原材料の項目で「ピーナッツ(落花生)」のみ書かれていれば、添加物は入っていません。他に「砂糖」「植物油」「保存料」などと書かれていれば、ピーナッツ以外のものが使われているので、購入の際は必ずチェックするようにしてください。

加えて、ピーナッツの産地や製造方法にも注目してみましょう。アメリカなどの外国のピーナッツを使用した商品もあれば、国産のピーナッツを使用した商品もあります。

ラベルの原材料の項目を見て「落花生(アメリカ産)」と書かれていれば、アメリカ産のピーナッツを使っています。「ピーナッツ(輸入)」と書かれている商品もあります。

国産のピーナッツを使った商品が食べたい場合は、原材料に「ピーナッツ(国産)」と書かれた商品を選びましょう。日本のピーナッツ産地として千葉県が有名なので、ラベルに「千葉県産」と書かれている場合もあります。

製造方法による種類は、主にペーストタイプとクランチタイプに分かれます。クランチタイプは砕いたピーナッツが入っているのでツブツブ食感を楽しめます。商品によっては、香ばしい風味をつけるために本来は取り除くピーナッツの薄皮をあえて入れてペーストにしたものもあります。

継続して摂取しやすい自分好みのピーナッツバターを見つけてみてください。

食べるタイミングも重要!ピーナッツバターを取り入れるコツ

ピーナッツバターを取り入れるタイミングでおすすめなのは朝食です。血糖値が急激に上がりにくい「低GI食品」のため腹持ちが良く、安定した血糖コントロールを維持してくれます。

毎朝約45gのピーナッツまたはピーナッツバターを朝食に取り入れた結果、午前の血糖値上昇を抑えられた上、さらに数時間後に他の高炭水化物食品を食べても血糖コントロールが維持できたという研究結果も出ています。

例えば、パンにジャムやバターを塗って食べている人は、ピーナッツバターに変えてみましょう。牛乳や豆乳を使ったスムージーやヨーグルトに甘味としてピーナッツバターを取り入れると、タンパク質に加えて良質な脂質、ビタミンB群、ビタミンEなどよりバランスの良いさまざまな栄養を一度に摂れます。

ピーナッツバターだけでなく、他のナッツもさまざまな健康へのメリットがあります。とくに、アーモンドは最近ロカボと注目されていますよね。他のナッツも食生活に取り入れてみたいという方は「アーモンドを食べすぎるとニキビができるって本当?美容への効果とは」の記事もチェックしてみてください。

まとめ

ピーナッツバターは体に悪いイメージがありますが、血圧を下げる効果や美肌効果、ダイエット効果などが期待できる健康に良い食材です。ピーナッツ本来の栄養を摂る為に、砂糖が添加されているものではなく無糖タイプを選ぶようにしてください。

そのまま食べても良いですが料理にも幅広く使えるのがピーナッツバターの魅力です。毎日の食卓にピーナッツバターを上手に取り入れて健康な体を目指していきましょう。

nana
たちばな かやの
管理栄養士/大豆・ヴィーガン・グルテンフリー専門家