てんさい糖は体に悪いって本当?上白糖(白砂糖)とどっちがいい?

てんさい糖は体に悪いって本当?上白糖(白砂糖)とどっちがいい?

てんさい糖は体に悪いという噂を聞くけど本当?実際のところ上白糖とどっちがいいのかな?

そんな悩みを簡単に解決できる方法があります。

この記事ではてんさい糖が体に悪いという噂の真相やてんさい糖の特徴について解説していきます。

てんさい糖は体に悪いって本当?

てんさい糖は別名「砂糖大根・シュガービーツ」とも呼ばれる「甜菜」という植物から製造される甘味料です。ミネラルやオリゴ糖を含むため、精製された上白糖やグラニュー糖に比べて体への負担は少ないと言われています。

しかし、てんさい糖はあくまで甘味料の一種であり、取り過ぎると体に良くはありません。

また原材料の甜菜を栽培する際の農薬使用や、遺伝子組み換え品種の使用が懸念されることから『てんさい糖は体に悪い』という噂が流れたものと考えられます。

てんさい糖の原材料「甜菜」は遺伝子組み換え品種が人のDNAに影響を与えないと立証されているため、遺伝子組み換えの表示義務がありません。ただ、てんさい糖で流通しているものに遺伝子組み換えのものはほぼないと言われています。

農薬や遺伝子組み換えが気になる人は、オーガニックショップなどで手に入れると良いでしょう。またてんさい糖は糖質であることを忘れずに、適量を使用するようにしましょう。

てんさい糖の特徴とは?糖尿病の人も食べていいの?

他の甘味料とてんさい糖との違いや効果について解説します。また、糖尿病の人はてんさい糖を摂取して良いのかについても解説していきます。

てんさい糖と他の甘味料は製造方法が異なる

上白糖やグラニュー糖にも甜菜が原料になっているものがありますが、てんさい糖として売られているものとの大きな違いは製造工程にあります。

<製造工程>
①原材料をカットし、煮出して糖分抽出
②不純物をろ過し、糖液を煮詰めて濃縮
③分離して糖分以外を除去
④さらに煮詰めて結晶化
<結晶と糖蜜に分離>
結晶→上白糖やグラニュー糖
糖蜜→てんさい糖

どちらも原材料から①糖分抽出〜②ろ過、濃縮、そして③分離して糖分のみを集めて④砂糖を結晶化する過程までは同じです。

最終工程で結晶化した砂糖は結晶と蜜分に分けられて、結晶から上白糖やグラニュー糖が、糖蜜からてんさい糖が作られます。

てんさい糖にはオリゴ糖やミネラルが含まれている

天然由来の甘味料「てんさい糖」にはオリゴ糖やミネラルが豊富に含まれています。

砂糖の中でも天然のオリゴ糖を含む甘味料は少なく、てんさい糖の大きな特徴です。

オリゴ糖はゴボウやハチミツ、大豆などにも含まれていますが食品ごとにオリゴ糖の種類が異なります。てんさい糖の原料になる甜菜に含まれるオリゴ糖は「ラフィノース」「ケストース」という種類であり、善玉菌のエサになり腸内環境を整える効果があります。

てんさい糖の色の違いと味の特徴

てんさい糖には白色と茶色をしたものがあります。製造工程のところで触れたように、結晶化されたあとに分離された異なる製品です。

茶色のてんさい糖はミネラルやオリゴ糖が豊富に含まれていて、コクのある優しい甘味が特徴です。

赤ちゃんや糖尿病の人は摂取に注意が必要

体に優しいと言われるてんさい糖ですが、赤ちゃんや糖尿病の人は注意が必要です。

赤ちゃんに早期に甘味を覚えさせてしまうと味覚形成に悪影響を及ぼすので、てんさい糖を与える場合は1歳前後からが推奨されています。

また、てんさい糖はGI値がグラニュー糖や上白糖に比べて約3分の1〜2分の1と低く、血糖値が急激に上がるのを抑えてくれると言われています。ダイエット中の人や健康管理を意識している人におすすめの甘味料ですが、公的機関から糖尿病の人にも安心という検証結果は出ていません。

赤ちゃんや糖尿病の人は、担当の医師など専門家に相談しながら慎重に摂取するようにしましょう。

なお、持病のない成人も健康的な面から糖類の摂取量は総エネルギー量の10%(砂糖25g相当)に抑えることを推奨しています。
(引用元:WHOガイドライン(2015)「成人と小児における糖質の摂取」の解説

てんさい糖ときび砂糖や上白糖(白砂糖)などの他の砂糖との違い

てんさい糖ときび砂糖や上白糖(白砂糖)などの他の砂糖との違い

砂糖は「分蜜糖」と「含蜜糖」の2つのタイプに分類されます。

分蜜糖は製造工程で糖分を結晶化し、糖蜜を取り除くため、精製して白く仕上げるのが特徴です。上白糖やグラニュー糖、ざらめなどは分蜜糖です。

一方、含蜜糖は糖蜜を含んだまま製造されるため、黒色や褐色がかっているのが特徴です。黒糖やきび砂糖、三温糖などが含蜜糖にあたります。

それぞれのGI値は、以下の通りです。

タイプ 含蜜糖 含蜜糖 含蜜糖 含蜜糖 分蜜糖 含蜜糖 分蜜糖 分蜜糖
砂糖の種類 てんさい糖 和三盆糖 黒糖 三温糖 上白糖 きび砂糖 ざらめ グラニュー糖
GI値 65 65 99 108 109 100 110 110

以下の表にて、てんさい糖と上白糖、きび砂糖、三温糖、黒糖など他の砂糖に含まれる成分を比較しました。

成分(100gあたり) てんさい糖 上白糖 きび砂糖 三温糖 黒糖 和三盆糖 ざらめ グラニュー糖
カロリー 357kcal 391kcal 387kcal 390kcal 352kcal 393kcal 393kcal 394kcal
タンパク質 0.9g 0g 0.2g 微量 1.7g 0.2g 0g 0g
炭水化物 96.9g 99.3g 98.2g 99.0g 90.3g 99.0g 100.0g 100.0g
ナトリウム 48mg 1mg 8mg 7mg 27mg 1mg 微量 微量
カリウム 27mg 2mg 40mg 13mg 1,100mg 140mg 微量 微量
リン 1mg 微量 2mg 2mg 31mg 13mg 0mg 0mg
0.1mg 微量 0.2mg 0.1mg 4.7mg 0.7mg 微量 微量
カルシウム 1mg 微量 6mg 6mg 240mg 27mg 0mg 微量
葉酸 1ug 0ug 0μg 0μg 15μg 0μg 0μg 0μg

表を見てわかるように、上白糖や他の砂糖と比べると、てんさい糖はカロリーが低いうえにカリウムやリンなどのミネラルが豊富に含まれています。上記に記載した以外にも、てんさい糖にはナイアシンやビタミンB6なども含まれているため、数ある砂糖の中でも体に優しいとされる甘味料です。

(出典:日本食品標準成分表2020年半(八訂)/引用元:文部科学省

砂糖を食べすぎると体に悪い?砂糖との上手な付き合い方

砂糖を食べすぎた場合、肥満や虫歯になりやすいだけでなく、糖尿病のリスクが高まります。これは、上白糖だけでなく、黒糖やきび砂糖、てんさい糖などの砂糖でも同様です。砂糖は重要なエネルギー源として働きますが、多く摂りすぎると健康を害する可能性があります。

スイーツやジュースにも多くの砂糖が入っているため、日常的に口にしている人は注意が必要です。

以下は、なじみのある飲料またはスイーツに含まれる砂糖の量を示したものです。

飲料/スイーツ 砂糖の量(角砂糖換算)
コーラ(500ml) 14個
ポカリスエット(500ml) 9個
缶コーヒー(250ml) 6.5個
ヤクルト 2個
ショートケーキ 8個
シュークリーム 2.3個
プリン 4個
アイスクリーム 6個
板チョコ 5.5個
あめ2個 2個

上記を見ると、多くのスイーツや飲料に予想以上の砂糖が含まれていることがわかります。

砂糖と上手に付き合うには、ジュースやスイーツの量を減らし、なるべくGI値の低い甘味料(てんさい糖や黒糖など)を使うことが大切です。

最近は砂糖の代用品として「ラカント」が注目されています。とうもろこし由来の天然甘味成分「エリスリトール」を使った人工甘味料で、血糖値の上昇などに影響を与えないことが分かっています。ラカントについて詳しく知りたい方は、「おすすめのラカントの代用品は?砂糖をラカントで代用する際の注意点も解説!」の記事もチェックしてみてください。

てんさい糖のメリットとデメリット:どんな人に向いている?

ここでは、てんさい糖のメリットとデメリットを始め、どんな人に向いているかを紹介します。

<てんさい糖のメリット>
てんさい糖はGI値が低いため、血糖値の急上昇を抑えられるというメリットがあります。また、てんさい糖には善玉菌のエサとなる天然オリゴ糖が含まれているため、腸内環境を整える効果も期待できます。

さらに、ミネラルやビタミンB群の他、さまざまな栄養素も豊富に含まれているので、新陳代謝の助けにもなるでしょう。

<てんさい糖のデメリット>
一般の砂糖に比べて価格が高く、特にオーガニック製品の場合、よりコストがかかる点はデメリットです。さらに、加工過程で品質に差が出る場合があるので、購入時は信頼できるブランドを選ぶことをおすすめします。

また、甘味度は他の砂糖とくらべて弱いものの、カロリーは同程度となります。そのため、特にダイエット中の人は使いすぎに注意が必要です。

<てんさい糖が向いている人>
てんさい糖は、コクのある優しい甘さが特徴です。そのため、過度な甘さを避けたい人に向いています。また、ダイエット中や糖尿病を患っていて、血糖値のコントロールを意識したい人にもおすすめです。

コーヒーや紅茶、スイーツ作り、料理の味付けなどで砂糖が必要な時は、てんさい糖を使用すると良いでしょう。

おすすめのてんさい糖をご紹介!

オンラインショップや大手スーパーで購入できる、おすすめのてんさい糖を紹介します。

日本ではスーパーマーケットでのてんさい糖の取り扱いは種類が少なく、オーガニックショップでの取扱いがメインです。近くにオーガニックショップがない方はオンライン購入がおすすめです。

有機てんさい糖|むそう商事(400g/定価540円)

むそうのてんさい糖はリトアニアにあるAUGA社の農園で有機栽培された甜菜を加工して作られています。

農薬などが気になる人におすすめです。

てんさいのお砂糖|大東製糖株式会社(600g/定価410円)

砂糖で初めてヴィーガン認証を取得したてんさい糖です。

上白糖に比べて価格が高めのてんさい糖ですが「てんさいのお砂糖」は比較的リーズナブルです。

てんさい糖|ホクレン(650g/708円)


大手スーパーでも購入できるてんさい糖で、てんさい糖の販売シェア上位を占めています。

てんさい糖のなかでもしっかり目の味で、てんさい糖初心者でも使いやすく人気が高い商品です。

※販売価格はJAタウンの1袋あたりの販売価格

てんさい糖は料理に使える!おすすめの活用方法

てんさい糖は上白糖など今日常で使っている甘味料に置き換えて使えます。

ただ、茶色い天然の色素があるため、白さを残したい料理やお菓子作りの際には注意が必要です。

鶏肉のピリ辛焼き


てんさい糖はマイルドな甘さのため、鶏肉や醤油の味を引き立たせながら仕上げることができます。また鶏肉のピリ辛焼きに欠かせないツヤ感も綺麗に出せます。
https://www.tensaito.com/recipe/?recipe_id=pirikara

チョコチップクッキー


てんさい糖の香ばしさとチョコレートの甘さがベストマッチのレシピです。甘すぎるのは苦手という人にもおすすめです。
https://www.tensaito.com/recipe/?recipe_id=cookie

紅白なます


てんさい糖の香ばしい甘さが酢をマイルドにしてくれるので、お酢感が苦手な人でも食べやすい「なます」に仕上げられます。
https://daitoseito.co.jp/recipe/rcp58

上記のほかにもてんさい糖の製造元であるホクレン大東製糖株式会社の公式ページでは、てんさい糖を使ったさまざまなレシピを紹介しています。

てんさい糖は赤ちゃんも食べて良いの?注意点を解説

てんさい糖は、1歳未満の赤ちゃんには与えない方が良いと言われています。甘いものを早期に与えると、赤ちゃんの味覚が砂糖の甘さに慣れてしまい、偏食につながる可能性があるからです。

さらに、1歳未満の赤ちゃんの体はまだ未発達であり、糖分の摂取後に血糖値が上昇した場合に体に負担をかける恐れもあります。そのため、1歳を過ぎるまではなるべく砂糖を避けて、食材が持つ自然な甘味を楽しませると良いでしょう。

1歳を超えた赤ちゃんには、てんさい糖を少しずつ使用していくのがおすすめです。てんさい糖には天然のオリゴ糖が含まれているため、腸内環境を整える助けになります。優しい甘味が特徴なので、離乳食やデザートに自然な甘みを加えたいときにおすすめです。

以下に、簡単にできるてんさい糖を使った離乳食レシピを2つ紹介します。記載されている適量を守りながら、ぜひ試してみてください。

豆乳プリン

豆乳プリン

てんさい糖のほんのりした甘さがあり、やわらかくて食べやすい豆乳プリンです。てんさい糖は、記載されている分量よりも少なめに調整して作りましょう。
http://cookpad.com/jp/r/21854065

りんごゼリー

りんごゼリー

舌触りがなめらかな、てんさい糖を使ったリンゴゼリーです。やさしい甘味があって食べやすいので、赤ちゃんが風邪を引いてしまった時にもおすすめします。
http://cookpad.com/jp/r/19950716

糖尿病の方も安心?てんさい糖の取り入れ方と注意点

てんさい糖は低GI値の甘味料なので、血糖値の急上昇を抑える効果が期待できます。また、インスリンの急激な分泌を抑制できるため、糖尿病の方も比較的安心して使用できる甘味料です。

ただし、てんさい糖も砂糖の一種であるため、摂取量には注意が必要です。過剰摂取を避けるため、必ず医師に使用料を相談し、指示に従うようにしてください。

さらに、てんさい糖と他の甘味料を併用すれば、より血糖値の安定化を図れます。たとえば、カロリーゼロの天然甘味料である「ステビア」や「エリスリトール」などと組み合わせれば、血糖値への影響を最小限に抑えつつ、甘味を楽しむことができます。

このように糖尿病の方でも、血糖値に影響の少ない甘味料を使用すれば、健康を維持しながら安心して飲食を楽しむことが可能です。

まとめ

てんさい糖は適正量を摂れば、上白糖やグラニュー糖より体に優しい甘味料です。ただあくまで甘味料の一種だということを忘れてはいけません。

過剰な量を摂取すれば健康に害を及ぼす恐れもあるため、上白糖やグラニュー糖に置き換えて適正量を使うようにしましょう。また、赤ちゃんや糖尿病の人は専門家の意見を聞きながら摂ることをおすすめします。

てんさい糖は基本的にほとんどの料理やお菓子作りにも使用できます。健康的な食生活を目指したい人は、天然由来の甘味料「てんさい糖」をぜひ日常に取り入れてみてください。

nana
美容家.com 編集者
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