こんにちは。管理栄養士×国際中医薬膳師の相川朋世です。
栄養学×薬膳で心と身体を整える〈ココカラおうち薬膳〉をお伝えしています。

 

“なんとなく不調”や“未病”

“なんとなく不調”や“未病”という言葉を聞いたことありますか?

定義はありませんが、①病院に行くまでもない不調、②痛み止めなどで対処できるけど、何度も同じ症状で悩んでしまう、というようなもののことを言います。めまいや立ち眩み、生理痛、疲労感、冷え、むくみなど幅広い症状を含んでいます。

 

健康診断を受けてもオールAだけど、自分の中では不調を感じている人は多いのではないでしょうか?

そんな“とりあえず健康”だけど、“健康とは言えない”状態を抜け出す方法をお伝えしたいと思います。

 

“なんとなく不調”は病気の黄色信号!?

頭が痛い、肩がこる、目がかすむ、生理前の情緒不安定、寝つきが悪い…。

このような病院に行くまでもないけど、いつも悩ませられる“なんとなく不調”は「未だ病気になっていない状態」=「未病」=「健康と病気の間」と考えることができます。

今までの生活でその状態になっていたので、そのまま放っておいたら病気にもなるかもしれないし、今生活を改善したら、健康な状態に戻すことができるかもしれません。

 

気血水の乱れが“なんとなく不調”を引き起こす

私たちが普通に生活しているだけで、“なんとなく不調”を引き起こしてしまします。

その原因として以下の5つが挙げられます。

  1. バランスの悪い食生活
  2. 人間関係などのストレス
  3. 過労
  4. 運動不足
  5. 睡眠不足

薬膳のベースである中医学では「気・血・水」の3つの要素が身体の機能を正常にしていると考えています。

上記のような原因で、これらが不足したり、過剰になったり、滞ることで、身体や心に様々な不調が引き起こされます。

 

中医学の「気・血・水」とは

気とは、生命のエネルギー源のことを言います。「元気」「やる気」のように「気」の付く言葉は多くあり、目には見えないけど、確かに存在しています。私達が食べたものと呼吸により作られます。気が不足すれば、疲労感ややる気の減退を引き起こします。一生懸命何かをやろうとしていても、気が不足していたら、やり通すことが難しくなってしまいます。

 

血とは「ケツ」と読み、西洋医学でいう血の働きと同様に体中に栄養素や酸素を届け、不要なものを回収する働きのほかに、情緒や睡眠にも関わっています。血が不足すれば、寝つきが悪くなったり、貧血のようにめまいや疲労感、情緒不安定を引き起こします。心配しすぎる性格は血の不足が関わっているかもしれません。

 

水は、体内の血液以外の水分のことを言います。中医学では「津液」とも呼ばれています。むくみや肌の乾燥のほかに、重だるさや頭痛、下痢などを引き起こします。

 

薬膳で本来の身体の力を取り戻そう

「気・血・水」は毎日の食事で整えることができます。

薬膳と聞くと、苦い、手に入りにくい食材を使う、臭そうなどのイメージを持つ人が多いですが、スーパーで買えるような食材で簡単に作ることができます。

薬膳とは、中医学基礎理論に従い、その人の体質や体調、季節などに合わせて作る“オーダーメイドの料理”のことを言います。冬に温かいものを食べる、寒気のする風邪をひいたからショウガ湯を飲むなど、“目的に合わせて作る料理”は薬膳ということができます。

薬膳は相手を想って作る“想いやりごはん”です。今自分に不足しているものを知り、食べることで、心と身体を整えましょう。

梅雨に入ると、じめじめとした蒸し暑い日が続きます。身体が重だるかったり、むくんだり、食欲がなかったり、気分が落ち込んだりしませんか?

今年は新型コロナウイルス感染症の影響もあって、なおさらですよね。

 

こんにちは。薬剤師、国際中医師、国際中医薬膳師の伊東千鶴子です。中医学(中国伝統医学)の知識を踏まえて、日本の気候風土に沿った季節の養生法や薬膳についてお伝えします。

今回は、新型コロナウイルスを想定した「新しい生活様式」のなか、この梅雨の季節を健やかに過ごす養生法をお伝えします。

 

薬膳は薬だけじゃない

皆様は、薬膳について、どのような印象をお持ちでしょうか。薬膳は漢方に使われる生薬を多用するもの、身体に良さそうだけど苦く薬臭いものと誤解されることがあります。

 

 

しかし、本来の薬膳とは、毎日の食卓に簡単に取り入れ日々の健康管理をするためのものです。

 

 

薬膳とは

薬膳は中医学の理論に基づく食養生のことで、健康の維持と増進、病気の予防や回復などを目的としています。

食事であるならば、無理なくおいしく摂ることが前提です。

 

食材が身体を温めるのか冷やすのか、身体に入った時にどのような作用をするのか、五臓六腑のどこに働きかけるのかを理解し、食べる人の体質や症状、季節や気候、場所や環境などを配慮した上で、食材を選択し、調理します。

生薬を用いることもありますが、主に私たちがスーパーなどで購入できる食材を使います。

 

梅雨の時期の身体のトラブル

私たち人間は気候による影響を受けやすく、季節の変わり目で急激な気候変化があると、病気の原因となる事があります。※1 これからの季節だと、梅雨によって体調不良を起こす方もいます。

梅雨の季節に起こりやすいトラブルをご紹介します。

 

梅雨の季節に起こりやすいトラブル

梅雨の季節のまとまった雨は作物が育つ、夏の水不足を防ぐなど、自然界に恵みを与えてくれます。けれども、外界の湿が邪となって人体に侵襲すると、頭が重い、身体や手足がだるくて重い、むくみ、目やに、お小水の濁り、おりもの、下痢、湿疹、水虫などの症状があらわれます。

 

湿には重濁粘滞(じゅうたくねんたい、重:重い、濁:汚い、粘:ねばねばする、滞:停滞する)という性質があり、湿邪による症状は治りにくく、多くが下半身にみられます。

 

さらに、梅雨の季節は、消化器系が弱りやすくなります。

 

 

梅雨による消化器への影響

中医学の五臓のひとつ、脾(ひ)という臓は西洋医学の脾臓とは異なり、飲食物の消化吸収をつかさどるところを指します。「脾は湿を悪(い)む(嫌うの意)」といわれています。

 

湿邪によって、脾というところの消化吸収や水分代謝の働きが低下し、食欲不振、腹痛、吐き気、軟便、下痢などの症状がみられ、脾が弱まったために、さらに外部からの湿邪に侵されやすくなります。

 

人体は自然界の変化に影響を受けやすいのです。湿っぽくて、なんとなく気分も沈みがちになってしまう方も多いでしょう。

 

 

 

梅雨におススメの食材

 

梅雨の季節には脾(消化器系)に負担をかけないように、冷たいもの、生もの、油っこいものを控えて、消化のよいものを摂りましょう。

 

湿邪を排出する食材

この時期には、湿邪をお小水や汗で排出するような以下の食材を取り入れるとよいでしょう。

 

玄米、はとむぎ、小豆、黒豆、アスパラガス、えんどう豆、きゅうり、冬瓜、とうもろこし、とうもろこしのひげ、なす、もやし、レタス、西瓜、すもも、メロン、あさり、鮎、はも、昆布、もずく、わかめなど。

水分を摂る時にはお小水で排泄できるよう、本物の塩気を適度に摂りましょう。

 

脾の働きを正常にする食材

また、脾の働きを正常にする以下の食材もおすすめです。

うるち米、玄米、はとむぎ、じゃがいも、山芋、黒豆、大豆、いんげん豆、枝豆、おくら、人参、あじ、いわし、牛肉、砂肝などです。

気の巡りを良くする紫蘇、たまねぎ、にんにくの茎、ピーマン、グレープフルーツ、スパイスなどもいいですね。

 

 

 

新しい生活様式での梅雨対策

新型コロナウイルスを想定した「新しい生活様式」で、マスクの着用が習慣化されつつあります。マスクの着用は肺を守るのにも効果的です。

中医学では肺は嬌臓(きょうぞう:嬌はかよわいの意)ともいわれていて、寒熱や外界からの邪に弱く、非常に影響を受けやすい臓です。ウイルスに感染しない、感染させないために、肺と繋がっている口や鼻を外界に晒すことなく、覆うことのできるマスクは必要と思われます。

 

肺は呼吸をつかさどるだけでなく、私たちの身体を構成する基本物質である気(き)、血(けつ)、水(すい:津液/しんえきともいう)を巡らせる働きを持っています。

肺を弱らせないように、マスクで外邪から守ることは大切です。

 

 

マスクで蒸す時に取り入れたい食材

だんだん気温が上昇するこれからの季節に、長時間、マスクを着用していると、肺に熱がこもりやすくなります。

 

肺の熱をさます食材には、豆乳、湯葉(ゆば)、ズッキーニ、枇杷(びわ)などがあります。

また、脾は飲食物から気血水を生み出すところです。気が不足して、気の働きのひとつである防御作用が弱まると、感染症にかかりやすくなります。そうならないように、先ほど挙げた脾の働きを正常にする食材を取り入れるとよいでしょう。

 

 

今年の梅雨は健やかに過ごしましょう

新しい生活様式により、おうちにいる機会が多くなりました。雨の日には、好みのお香を焚いたり、アロマオイルを使ったり、軽く汗ばむくらいお風呂に浸かったりして、湿気をはらい、ゆったりしませんか。

 

バランスの良い、食べ過ぎない、過度のダイエットをしない適量の食事と十分な休息、睡眠は免疫力をアップさせます。この季節を健やかに過ごせたらいいですね。

 

 

 

薬膳の豆知識

※1

私たち人間は季節によって風(ふう)、寒(かん)、暑(しょ)、湿(しつ)、燥(そう)という5つの気候変化を受けます。

熱(ねつ)を含めたそれら6つは六気(ろっき)といい、万物を生長させるのに必要なものです。しかし、その六気が異常にあるいは急激に変化し、私たちの身体に抵抗力がないと、病気の原因となることがあります。これらは六気(風、寒、暑、湿、燥、熱)が風邪、寒邪、暑邪、湿邪、燥邪、熱邪(火邪ともいう)に変化したもので、六淫(りくいん)と呼びます。

 

 

「周礼(しゅうれい)」という中国の書物によると、周時代(紀元前11~8世紀)には既に食医、疾医(内科医)、瘍医(外科医)、獣医の医師がいて、そのなかでも、王の食事の調理や管理を任されていた食医が最高位とされていました。

ここから考えると、日々の食を整え健康でいられる術を持つ者(予防できる者)は、病気を治療する医者と同じ、またはそれ以上に重要という事ですね。

そして、薬膳を普段の食事に取り入れることによって、健やかでいられるならば、私たちは自分自身の、家族の、大切な誰かの現代における食医となりえますね。

 

参考文献:中医薬大学全国共通教材「全訳 中医基礎理論」、日本中医食養学会「食養生の知恵 薬膳食典 食物性味表」

こんにちは。薬膳と栄養学からヘルシーレシピを提案する、湘南茅ケ崎健康料理教室GreenCooking-ABE阿部富美です。 今回は、花粉症予防&改善の薬膳ポイントをご紹介します。

 

春先になるとハックション

薬で症状を止めているけれど、辛いの。そんな方が増えています。良い薬があっても、結局、薬は対処療法です。症状を抑えるだけで花粉症が治るというものではないですね。できれば、治したい。薬から卒業したい。そんな気持ちの方は多いはず。

実は、私も重症の花粉症でした。親も花粉症だったのため、私も花粉症発症するのは仕方がない。栄養学的に整えた食生活を実践しても、なかなか結果に繋がらない。この症状と一生付き合っていくのだ。そう諦めていました。

そんな時に出会ったのが薬膳でした。

薬膳は体質改善にはぴったりな学問。実践していくと、少しずつ、でも確実に症状が軽くなっていくのを実感。

今では薬を全く飲まずに、くしゃみは1日1回出るかな、くらいです。花粉症ではない体質に変わった。そう感じられるのです。

人のカラダは自分が食べたものでできています。食べるもの、食べ方が変われば体質も変わる。みなさん、是非、信じて実践してください。変われるはずです。

では、どのようにすればよいのか?

まず薬膳では、花粉症などのアレルギーは、からだの中にいらないものが溜まっているという考え方になります。それを外に出す。そう、デトックスです。薬膳では解毒と表現します。

 

花粉症改善お勧め食材はコレ

薬膳的にデトックス効果があり、身近でお勧めの食材をご紹介します。

1.紫蘇の葉

薬味としてお馴染みですね。漢方薬では「蘇葉(そよう)」としても使われている、薬効の高い野菜の一つです。これを少々ではなく、できるだけ毎日、なるべくたっぷり召し上がってください。

千切りにして色々なものに混ぜると、多めでもおいしく召し上がれるレシピが多くあります。

 

2.食用菊

菊花です。紫蘇の葉に比べると手に入りにくいかもしれませんが、スーパーマーケットなどでも扱っているところも多くあります。

菊花は遣隋使や遣唐使が中国から薬として持ち帰ったのが始まりという説がある程、薬効の高い食材。今では観賞用の花の方が身近ですが、その昔はお薬だったのです。召し上がる時はお花屋さんではなく、八百屋さんでお求めくださいね。

酢を入れた湯でさっと茹で、酢の物や和え物で食べるのは日本料理の定番メニューです。他に生でサラダなどに散らしても美しいです。昔からあるエディブルフラワーですね。

 

3.大根

鎌倉時代は大根を食べると疫病が治るという言い伝えがあったとか。大根は炎症を抑えて鎮静効果があります。

特に喉や鼻の炎症を改善するので、風邪予防にもなります。ひと昔前、お祖母ちゃんの知恵で風邪気味になったら大根を食べなさい、と言っていたのは、理にかなっているということです。

さらに大根は生でも茹でても煮てもおいしい。それ以外に炒めものや揚げものでもおいしいですよ。何より花粉が飛び始める前から症状が出てくるころまでが、一番おいしい旬を迎えます。是非、様々な調理法や味付けで毎日たっぷり召し上がってください。

 

食べはじめる時期も重要

そして、食事に気を付け始める時期です。

症状が出てからでは遅いのです。食事は改善より予防が得意、と覚えてください。

症状が出る前、遅くても2カ月くらい前から取り組みましょう。12月頃から食事に気を付け始めると、翌年のシーズンは症状が軽くなっていると思います。そして、花粉のシーズン中も引き続きしっかり食事に留意してください。

 

初めてチャレンジした年に期待した症状改善がみられなくても、諦めずに毎年心掛けてください。毎年、そう言えば去年より軽いかも。そう感じながら年々改善していくはずです。そして数年後にはお薬から卒業。それを目指してくださいね。

 

体質改善を成功するポイント

食事で体質改善することは、即効性は無いと思ってください。がっかりするかもしれませんが、ちょっと食べるものを変えただけで体質が急にガラッと変わってしまうことはとても怖いことです。カラダがびっくりしないようにゆっくりじっくり。これが成功の秘訣です。

成功の重要なポイントがもう一つ。栄養バランスの整った食生活。甘いものや油っこいメニューに偏らず、野菜たっぷりが基本です。それにお勧め食材をプラスしてください。薬膳だけでなく、

栄養学と薬膳の両方を取り入れた食生活が結果に繋がる近道です。毎日なるべく心掛けて、長続きさせる。継続が力なりです。

 

食事だけじゃない!基本も忘れずに

食事以外では、マスクや眼鏡を付けて花粉を吸いこまないようにする物理的なこと、質の良い睡眠をとるなど、基本的なこともお忘れなく。

食生活改善で体質改善。生活習慣改善で花粉症改善。

花粉症の症状がない方も、予防という意味で実践することをお勧めします。

皆様の成功と健康とおいしい食生活を応援しています。